Kiva、次世代ワークフロー型AIエージェント「SAMURAI」を提供開始、AIが自律的にPCを操作して日常業務をサポート

「SAMURAI」をPRするKiva 代表取締役会長の野尻航太氏

Kivaは、7月16日から、AIが人間のようにPCを操作し、日常の業務をアシストする次世代ワークフロー型AIエージェント「SAMURAI(サムライ)」の提供を開始した。同日に開催された新プロダクト発表会「SAMURAI Launch Party」では、「SAMURAI」の開発背景やサービス概要について紹介した他、各業界の第一線で活躍する専門家を招き、「AIは現代人の刀となるか ~“SAMURAI”が切り拓く未来~」と題したスペシャルセッションが行われた。

「1980年代、PCは一部の専門職だけが扱うものだったが、現在では、世界で最も多くの人が業務で使用するデバイスとなっている。私たちは今、1日何時間も当たり前のようにPCの前に向かうようになっている」と、Kiva 代表取締役会長の野尻航太氏が挨拶。「一方で、ブラウザを開く、メールを確認して返信する、スプレッドシートを更新するなど、PCを操作すること自体が仕事の中心になっており、人が本来するべき“考える仕事”ができていないことに気づいた。そこで今回、人の代わりにAIがPCを操作する次世代ワークフロー型AIエージェント『SAMURAI』をリリースする」と、「SAMURAI」を開発するに至る経緯を説明した。

Kiva 代表取締役会長の野尻航太氏

「少子高齢化が進み、生産人口が減少し続ける日本において、企業は限られた人材リソースの中で、より迅速かつ的確な意思決定を求められている。当社では、AIは人にとって変わる存在ではなく、現代を生き抜くための“知的な刀”として位置づけるべきだと考えており、その思想を形にしたプロダクトが『SAMURAI』となる。AIにPCの操作を任せて、人が思考に集中するための新しい刀を提供する」と、「SAMURAI」に込めたプロダクトビジョンを語る。「『SAMURAI』では、ユーザーが自然言語で業務ワークフローを作成すると、その内容に基づきAIがPC画面上のGUI操作を自動で実行する。従来のチャット指示型AIとは異なり、都度の入力や確認をすることなく、あらかじめ指示した内容に従って自律的に業務を進行することができる」と、「SAMURAI」のサービス概要について紹介。「主なユースケースとしては、データの入力・資料作成、営業先の分析・資料作成、メールチェック・送信、新入社員のアカウント発行、ECサイト運営の商品登録などが挙げられるが、人がPCで行っている業務は、すべて任せることができると考えている。人の思考を拡張する刀である『SAMURAI』を活用して、業務の本質に向き合う未来へと踏み出してほしい」とアピールした。

パネルディスカッションの様子、左から:グリッドCEO/吉野家 CMOの田中安人氏、森・濱田松本法律事務所 パートナーの増島雅和氏、エー・ピーホールディングス 取締役上席執行役員の横澤将司氏、ビズリーチ 社長室の茂野明彦氏

続いて、マーケティング、法務、セールス、経営という異なる業界分野から第一線で活躍する専門家を招き、「AIは現代人の刀となるか ~“SAMURAI”が切り拓く未来~」と題したスペシャルセッションが行われた。スペシャルセッションでは、グリッドCEO/吉野家 CMOの田中安人氏がモデレーターを務め、ビズリーチ 社長室の茂野明彦氏、エー・ピーホールディングス 取締役上席執行役員の横澤将司氏、森・濱田松本法律事務所 パートナーの増島雅和氏の3名が、それぞれの視点からAIの可能性・課題・実装におけるリアルを語り合った。

ビズリーチ 社長室の茂野明彦氏

それぞれの現場でのAI活用の最前線について聞くと、ビズリーチの茂野氏は、「当社では、様々なプロダクトにAIを組み込み始めており、例えば職務経歴書の作成をAIが支援し、利用者が簡単に作成できるようにしている。また、社内の取り組みとしては現在、セールスマーケティングのプロセス全体を抜本的に見直し、AIベースのプロセスに変革するプロジェクトを推進している。HR(ヒューマンリソース)業界で見ても、人的労働力が必要となる部分が多いことから、業界全体でAIによる自動化が進んでいると感じている」と、急速にAIの活用が進んでいるという。

エー・ピーホールディングス 取締役上席執行役員の横澤将司氏

エー・ピーホールディングスの横澤氏は、「外食業界は全体的にAI活用が遅れているが、当社でもようやく法務のリーガルチェックやメニューのチェックなどにAIを活用し始めている。その中で、今回発表されたワークフロー型AIエージェント『SAMURAI』に大きな魅力を感じ、導入検討を開始している。AIエージェントについては、これまでも各社から提案があったが、“導入しないとヤバい”などネガティブな視点から入ってくるところが多かった。『SAMURAI』はそうではなく、将来に向けた価値創造を提案してくれたので、ワクワクする未来が見えた」と、新たなAIエージェント「SAMURAI」に期待を寄せていた。

森・濱田松本法律事務所 パートナーの増島雅和氏

森・濱田松本法律事務所の増島氏は、「法律業界では、従来型の時間をかけるリーガル業務が中心で、AI活用に拒否反応を示しているところと、積極的にAI活用を進めているところに分かれている。その中で当社は、事務関連作業や契約書のドラフティングなどにAIを活用し始めており、効果があった事例を蓄積して社内で共有している。当社がAI活用を進めている理由の一つには、若い人材が地味な仕事を長時間することを嫌がるという背景がある。そして、AIを活用することで業務効率が飛躍的に向上するだけでなく、サービスの高度化も図ることができ、顧客に対するバリューアップにもつながる」と、法律業界におけるAI活用の意義を訴えた。

左から:森・濱田松本法律事務所 パートナーの増島雅和氏、エー・ピーホールディングス 取締役上席執行役員の横澤将司氏、ビズリーチ 社長室の茂野明彦氏

また、パネルディスカッションでは、AIを武器できる組織に向けて、導入から実装、人を巻き込んで活用していくためのポイントなどについて意見を交わした。森・濱田松本法律事務所の増島氏は、「法律業界では、AIの活用にあたって“べからず集”から作るケースが多く、導入がなかなか進まないという現状がある。そうではなく、まずは実際にAIを使ってみて、良いところ、悪いところを洗い出して、うまくリスクコントロールをしながら導入を進めていくことが重要だと感じている」との考えを述べた。

エー・ピーホールディングスの横澤氏は、「外食業界は、非IT・非AIの代表的な業界ではあるが、『ロマン』と『そろばん』でいえば、今後は『そろばん』のほうをAIに任せて、人が『ロマン』をより磨いていくことが重要になる。日本の外食文化を守り、世界でさらに発展させていくためには、AIが必要不可欠になる時代がくると確信している」と、AIの必要性を強調した。

ビズリーチの茂野氏は、「AIの時代が素晴らしいと思うのは、すべての人がエンジニアになれるという点。その意味では、今後どれくらい多くの従業員をAI活用に巻き込めるかが、企業にとって非常に重要になると思っている。そのためにも企業側は、AI活用のハードルを下げて、まずは従業員がAIに触る機会と時間を増やすところから始めてほしい。このことが、AI活用に向けて企業を前に進める力になる」と、アドバイスしてくれた。

Kiva=https://kiva.co.jp/
SAMURAIサービスサイト=https://samuraix.ai


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