- 健康管理!教えて!!2025/07/08 20:58
体内で腎臓が担っている代表的な役割とは? 大量の血液をろ過して老廃物を排出

腎臓は、肝臓と同じように「沈黙の臓器」と呼ばれ、自分では異変が気づきにくい臓器です。腎臓の働きについても日常生活で意識することは少ないかもしれませんが、「肝腎要(かんじんかなめ)」というように体内でとても重要な働きをしている臓器の1つです。そして、腎臓の代表的な役割として挙げられるのが、全身を巡る大量の血液をろ過し、尿として老廃物を排出する働きです。
血液から尿を作り出すのは、腎臓にある「ネフロン」という組織です。糸球体と呼ばれる毛糸のように丸まった毛細血管の集まりと、それを覆っているボーマン嚢、さらにその先につながる尿細管で構成されており、1つの腎臓に約100万個、左右合わせて約200万個のネフロンが存在しています。
腎臓に流れ込んできた血液は、腎臓の輸入細動脈を通り、糸球体でろ過されていきます。この糸球体には高性能なフィルター機能があり、タンパク質や赤血球、白血球といった血球など比較的大きなものはろ過されず、それ以外のろ過されたものが尿の元となる「原尿」となります。原尿はボーマン嚢が受け皿となり、その後、尿細管に流れ出します。成人の場合、1日に約150L、ドラム缶1杯分もの原尿が作られます。
この原尿にはブドウ糖やビタミン、ミネラルなど体に必要な成分も大半を占めているため、原尿の約99%は血管と隣り合って存在している尿細管から再吸収され血液に戻されます。つまり、尿として最終的に排泄されるのは残りの約1%で1日に1.5Lほどです。尿となったものは集合管を通り、尿を溜めておく場所である腎盂に集められて腎盂がいっぱいになると膀胱へ流れ出していきます。
その他にも腎臓は、水分とミネラルの調整をはじめ、pHの調整、血圧の調整、赤血球の産生促進、ビタミンDの活性化など、多岐にわたる働きを担っています。(監修:健康管理士一般指導員)