- 健康管理!教えて!!2025/05/27 22:40
股関節が硬くなるとどんな症状が現れる? むくみや冷え・筋力の低下・腰痛の原因にも

股関節は、私たちが日常生活を送るうえでとても重要な役割を果たしています。しかし、運動不足や長時間の座位による筋力の低下、また悪い姿勢による体のゆがみによって周囲の筋肉にストレスが加わると常に緊張状態になり、股関節周りの筋肉が硬直(筋膜が癒着)し柔軟性が低下していきます。その結果、股関節にロックがかかったような状態になり、股関節が硬く(可動域が狭く)なってしまいます。では、股関節が硬くなるとどのような症状が現れるのでしょうか。
股関節の周囲には多くの筋肉や腱が集まっており、大腿動脈という太い血管や、リンパ節、太い神経も通っています。そのため、股関節周辺の筋肉が硬くなってしまうと、血管やリンパ管が圧迫され、むくみや冷え、代謝の低下などにつながります。また、軟骨で覆われた大腿骨頭は寛骨臼に深くはまり込んでいるため、血管が少なく、血流障害を起こしやすい部位となっています。血流障害が起こると、大腿骨頭は栄養素と酸素が不足し、壊死してしまい、骨の変形や萎縮、痛みが現れ、最終的には歩行障害や立位保持が困難となる恐れがあります。これは大腿骨頭壊死症といい、現在有病率は増加傾向にあるとのこと。
さらに、股関節が硬くなると、体を動かすこと自体が億劫になったり、動作時に痛みが出たりするため活動量の低下の原因につながり、それにともない筋力・筋肉量の低下を招いてしまいます。筋力が低下すると骨や関節などの運動器が衰え、ロコモティブシンドロームのリスクが高くなります。例えば、筋力の低下によりバランス能力が低下して歩けなくなる、関節の軟骨がすり減ることにより痛みが出る、関節の曲げ伸ばしが十分にできなくなるなど、日常生活に支障をきたし、寝たきりや要介護になるリスクも高まります。
この他、股関節が硬いと腰椎や骨盤が体の動きを補おうとし、その結果、腰痛や猫背の原因になるといわれています。このように、股関節機能に問題があることで腰痛が引き起こされる状態を「ヒップ・スパイン・シンドローム」といいます。悪い姿勢で骨盤が傾き、腰椎や周辺筋肉にも余分な負担がかかると慢性の腰痛につながってしまいます。また、日々の腰の筋肉への疲労が蓄積した際に、ぎっくり腰になるリスクが高くなるともいわれているので気をつけましょう。(監修:健康管理士一般指導員)