- 健康管理!教えて!!2026/02/04 17:45
薬が効かなくなる「薬剤耐性菌」とは? 抵抗力が弱まっている人は重症化リスクがあるため要注意

病気の原因となる細菌を撃退するために、私たち人間は日進月歩で新しい薬を開発しています。しかし、細菌も生き残りのために進化を続けています。そして、細菌が進化すると、今まで効果のあった薬が効かなくなってしまうことがあります。細菌が既存の薬に対して抵抗力を持つことを薬剤耐性といいます。このような菌は、遺伝子の変異または新しい遺伝子を獲得することによって生まれ、「薬剤耐性菌」と呼ばれています。また、もとの薬が有効な菌を感受性菌といいます。
細菌が薬剤耐性を獲得することになるきっかけは、大きく2つあります。1つは、患者の体内などで薬にさらされることで自らが変異する場合です。細菌は分裂・増殖の速度が速く、一度耐性能力を獲得すると、その菌が爆発的に増殖し、薬剤耐性菌が蔓延することになります。2つ目は、他の細菌から耐性遺伝子を受け取る場合です。細菌は他の菌と遺伝子情報のやりとりができるため、薬剤耐性菌は耐性能力を感受性菌にコピーさせ、耐性能力をもつ仲間を増やすことができるのです。
薬剤耐性菌には、これまでの薬が効かないため、通常なら薬で簡単に治せる症状が悪化し、命にかかわることがあります。ただし、薬剤耐性菌の感染力や病気を起こす力は、感受性菌と同じです。したがって、健康な人については、体内に入ったり、皮膚や粘膜の表面についたりするだけでは、すぐに病気になるわけではありません。しかし、未熟児や高齢者、入院患者など抵抗力の弱い人の場合、発病して腸炎や肺炎などを起こし、重症化するリスクがあるので注意が必要です。
細菌に対する薬は、新しいものを開発して対処しても、また新しい薬剤耐性菌が生まれるという現状があります。薬剤耐性菌は、1970年代以降、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が広がり、2000年代に入ると、いくつもの薬に対して薬剤耐性を獲得した多剤耐性結核菌、多剤耐性緑膿菌など様々なもの全国に広がっていることが知られています。さらに、近年ではほとんどの薬が効かない新型耐性菌(スーパー細菌)が発生し、問題になっています。(監修:健康管理士一般指導員)
















