矢野経済研究所、国内アパレル市場に関する調査、2024年の総小売市場規模は8兆5010億円で前年比101.7%に

矢野経済研究所は、国内アパレル市場を調査し、品目別や販売チャネル別の動向、アパレルメーカーや小売業などのアパレル産業の現況を明らかにした。その結果、2024年のアパレル総小売市場規模は8兆5010億円、前年比101.7%に達した。伸び率鈍化も4年連続でプラス成長となった。

紳士服・洋品、婦人服・洋品、ベビー・子ども服・洋品を合計した2024年の国内アパレル総小売市場規模は前年比101.7%の8兆5010億円と推計し、伸び率は鈍化したが4年連続で前年を上回った。2024年の同市場規模をコロナ禍前の2019年と比較すると約93%にまで回復している。

2024年のアパレル総小売市場をチャネル別にみると、2023年に続き百貨店や専門店のリアル店舗が堅調である。百貨店については、インバウンド(訪日外国人客)需要が継続して高く推移したことが要因の1つとして挙げられる。

また、Eコマースについては、2020~2021年のコロナ禍で大きく伸長したが、コロナ禍収束後も一過性のブームとならず、需要は安定したものとなっている。アパレル企業各社がリアル店舗とECの相互送客を行うOMO(Online Merges with Offline)戦略に注力したことも寄与し、Eコマースは多くの消費者に定着・浸透したと考える。

今後の国内アパレル総小売市場は、2030年ごろまでは2024年比で微増水準で推移すると予測する。

国内アパレル市場は長期的には少子高齢化・人口減少の影響を受けて穏かに減少するが、原材料費の高騰、物価上昇、物流費の増加に加えて人件費の上昇によって、商品単価が今後も上昇していくと考えられ、販売数量は減少しても商品単価が上昇するため、人口減少率通りには推移せず、減少幅は抑えられる見通しである。

[調査要綱]
調査期間:2025年7月~9月
調査対象:アパレルメーカー(総合アパレル,メンズアパレル,レディスアパレル,ベビー・子供アパレル他)、小売業(百貨店,量販店,専門店,その他)、商社・卸その他
調査方法:同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、郵送によるアンケート調査、ならびに文献調査併用
[小売価格]16万5000円(税込)

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp


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