- Drink&Food2025/11/20 18:26
富士経済、タンパク補給食品の国内市場を調査、2025年の市場見込は2024年比4.4%増の3096億円に

総合マーケティングビジネスの富士経済は、プロテインブームが一段落し、伸びが緩やかになっていることから、ヘビーユーザーや健康志向ユーザーなどユーザー別の需要対応や商品戦略が重要になっているタンパク補給食品の国内市場を調査した。その結果を「タンパク補給食品 2025 安定成長期におけるユーザー動向の変化」にまとめた。トピックスとして、2025年国内市場見込(2024年比)では、タンパク補給食品が3096億円(4.4%増)に達する見通しだ。ヘビーユーザーによる需要が約5割を占め、メーカーもアプローチを強化。一方で、健康維持を目的とした需要も底堅く、幅広いユーザーの定着もみられる。
この調査では、プロテインをはじめとする計12品目のタンパク質摂取をコンセプトとした商品の市場を捉えた。
タンパク補給食品の国内市場はプロテインブームが起きた2015年以降急成長しており、2020年から2021年にはコロナ太り解消需要の獲得、TV番組などのメディアで取り上げられたことによるボディメイクやダイエットを目的としたライトユーザーによる需要、タンパク質摂取による健康維持・増進を目的としたユーザーの増加によって、前年比二桁増の高い伸びが続いた。業界全体でもライトユーザー向けの商品投入やマーケティング施策が実施され、2021年頃からドリンクやヨーグルト、チルド加工食品などの新商品が発売されたことから、嗜好性の高さや日々の食事での摂取しやすさもありトライアルユーザーを獲得した。
2022年以降はブームが一段落しており、TV番組などで取り上げられる機会が減少し、飽きが生じたユーザーの離脱などもみられた。しかし、メーカーによる新商品投入やリニューアルは引き続き活発であったことからライトユーザーによるカテゴリーを横断した需要がみられたほか、健康維持を目的に日々の生活におけるタンパク補給食品の摂取が定着したユーザーも多く、市場は緩やかな拡大が続いた。
2024年はライトユーザーの離脱が落ち着く中、プロテインでは、ライトユーザーからヘビーユーザーへのステップアップがみられた。また、プロテインデザートやプロテインドリンクなどでは、ヘビーユーザー向けのTV-CMなどのプロモーション強化や商品リニューアルが図られ、トレーニングを行う消費者を中心に需要が増えたことから、市場は安定した伸びが続き、前年比3.5%増の2966億円となった。
2025年も引き続きメーカーはヘビーユーザーの需要獲得を進めており、タンパク質含有量や吸収効率での差別化、商品内容や成分のリニューアルによって、ユーザーへのアプローチを強めている。また、加工食品など日常的に食生活に取り入れやすい商品は健康意識の高い消費者の増加によって、幅広いユーザーの定着がみられることから、市場は前年比4.4%増の3096億円が見込まれる。
2025年時点でヘビーユーザーによる需要が市場の約5割を占めており、今後もヘビーユーザーの需要が中心となるものの、栄養素としてのタンパク質摂取の重要性が定着してきたことから健康維持を目的としたファミリー層やシニア層へのアプローチ強化も進んでいき、市場拡大が続くと予想される。
[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]9月~10月
[小売価格]
PDF版:33万円
ネットワークパッケージ版:49万5000円
(すべて税込)
















