大学2・4年生および社会人2年目の就職活動の実態調査から学生とのミスマッチを防ぐための「リレーション採用」のススメ

 コロナ禍3年目を迎え、新卒採用市場が大きく変化しつつある今、内定の早期化が加速している。23卒学生の6月1日時点の内定率は7割を超え(就職みらい研究所 就職プロセス調査(2023年卒)「2022年6月1日時点 内定状況」)、選考解禁が6月となった2017年卒以来で最も高い水準となり、今後の24卒の就職活動・新卒採用も早期化することが見込まれている。一方で、早期化によって企業と学生の間にミスマッチが生じ、内定辞退や早期退職の増加につながるという懸念も出てきている。こうした中、これからの新卒採用において、Z世代の就活生との関わり方や情報発信の方法など、企業にはどのような工夫が必要とされているのだろうか。

 新卒採用マーケティング・プラットフォームを提供するインタツアーは10月4日、コロナ禍における就活生の変化と企業に求められる新卒採用に関するオンラインプレスセミナーを開催した。当日は、Z世代の大学2・4年生(25卒・23卒)および社会人2年目(21卒)の就職活動の実態調査の結果を発表し、就活の開始時期や情報収集の方法など、コロナ禍における就活生の変化を解説した。その後、Googleで人材開発、組織開発等に従事したプロノイア・グループのピョートル・フェリクス・グジバチ代表取締役をゲストに迎え、「慣例の新卒採用が好ましくない理由」について講演したほか、インタツアー 作馬誠大社長とピョートル代表取締役のトークセッションを通して、コロナネイティブ学生である24卒以降の新卒採用において、企業に求められる学生との関わり方や採用手法について掘り下げた。

 「当社は、綜合キャリアグループで、学生発のコンテンツという画期的な手法とSNSを使ったマーケティングを取り入れることで、“欲しい人材を採用できない”を解決する全く新しい、リアルとオンラインを融合した採用システムを展開。インタビューからはじまるリレーション採用プラットフォームとして、多くの学生および企業に活用されている」と作馬社長。「今回、就職活動における学生および社会人の実態調査を行った」と、9月16日~20日の期間にインターネットで、東京、千葉、埼玉、神奈川、大阪、兵庫、京都在住の19歳~25歳の男女の大学2年生、大学4年生、社会人2年目を対象のアンケートを行ったという。

 「その結果、大学4年生、社会人2年目の人は、面接では自分を大きく見せる傾向があり、42%が『面接で脚色することはよくある』と回答していた。また、『企業の情報は(自社を)良くいうことが多く信用しにくい』と感じている人が半数以上となり、『就職活動を3年生で開始した層』のほうが『4年生で開始した層』に比べて内定承諾時の満足度が高かった」と、就職活動を終えた人たちの意見について発表した。

 「また、すべての回答者が『企業を知ること』は大学2年生以前から始めるのが就職活動に役立つと回答し、大学2年生の半数以上が『働くこと』のイメージが湧いていないことが明らかとなった」と、調査結果について報告した。

 この結果に作馬社長は、「1、2年生の時に企業や社会とつながる機会が少ない。これが働くイメージ、企業のことがよくわからない状態になっている要因とみられる。これによって、自己理解、企業理解不足につながり、満足度の低い就活や採用に陥ってしまっている」と、就活および採用活動の課題について提言する。

 「当社が展開する『リレーション採用』とは、早いタイミングで学生と企業の間に生まれた接点から、長期的な“つながり”を通じて入社意欲を醸成し、より本質的な相互理解を促す採用手法となっている。企業は学生に対し、時間をかけて、働くことや社会・会社を知る機会を提供し、対話を重ねることでエンゲージメントの高いつながりを育むことができる」と、大学1、2年生からの関係維持によって、企業と学生が本音で向き合う時間をつくり、相互の理解不足による内定辞退や、ミスマッチによる早期退職のリスクを軽減させるのだと述べていた。

 次に、ピョートル代表取締役が「採用のパラダイムシフト」と題した講演を行った。「あなたにとっての仕事とは?この問いについての答えは、世代によって異なってくる」と、世代によってパラダイムは変わるのだと強調する。「それぞれの時代や世界には通訳不可能なストラクチャーが存在し、価値観はキャリアを選択する大事なファクターとなる」と、優先順位や生き方、娯楽のスタイル、学び方などは世代や社会によって変わってくると断言する。「それだけに、自分自身を知る『自己認識』が必要となり、組織の中では、その自己を開示したり、自己を表現する能力が求められる。このステップが社会における自己実現につながる」と、個人、組織、社会において自己をどのように捉えていくかがカギになると力説する。

 「日本人の生産性はG7の中で最も低く、働きがいも低い」と、エンゲージメントランクは低いのだと語る。「そのため、採用の再定義が必要になる。具体的には、採用はマーケティングであるという点を認識し、イノベーターを特定していく必要がある。SNSを駆使しながら、世界のタレントとネットワークを構築し、欲しいタレントのコミュニティを作っていく必要がある」と、働き方や企業価値が変化していく中で、採用プロセス等に大きな変化がみられない状況が日本人の生産性や働きがいを阻害している可能性があると指摘する。「情熱、創造性、率先によるクリエイティブエコノミーがこれからの働き方として求められていくと思われる」と、これまでの生産経済やナレージエコノミーからの脱却が求められているのではないかと語っていた。

 この後のトークセッションでピョートル代表取締役は、「仕事を通じて収入を得るという体験や組織という特殊な場面で自分が活躍できるか、という点を考える必要がある。そのためには、セルフスクリーニング検査を行い、入社後の役割や自覚効果、コミットメント効果などを洗い出し、なるべくできるだけ多くの情報を得ることが大切になる」と、ミスマッチが少ない採用および就職活動についてアドバイスしてくれた。作馬社長も、「どこかで会社を知る機会をつくることが大切となる。これが想像力を掻き立て、環境を構築する能力が備わっていくと感じている。そのためには、知る時間を早めに取っておくほど、プラスに作用すると感じている」と、企業だけでなく自分自身について、知る時間を設けていくことがとても大切なのだと話していた。

インタツアー=https://intetour.biz/


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