グッドパッチと北海道上川町、「未来共創パートナーシップ協定」を締結し企業向け人材開発型ワーケーション事業を開始

左から:グッドパッチの土屋尚史社長兼CEO、上川町の佐藤芳治町長

グッドパッチと北海道上川郡上川町は8月23日、「未来共創パートナーシップ協定」を締結した。調印式には、上川町の佐藤芳治町長とグッドパッチの土屋尚史社長兼CEOが参加し、協定書に署名を行った。同協定は、デザインファームであるグッドパッチのデザイン視点や知見と、上川町が持つ豊富な資源を活かし、新たなまちづくりの実現と地域課題の解決を目指した包括連携提携となる。調印式では、上川町のコミュニティを活用した企業向け人材開発型ワーケーション事業の開始について発表した。

上川町で暮らす写真展

北海道は、人口減少や高齢化など社会課題の先進地域となっている。中でも上川町は最盛期の人口から80%減少するなど深刻化している。近年、上川町では官民の垣根を越えた独自のパートナーシップの取り組みを進め、この大きな課題の解決に向けて取り組んでいる。グッドパッチでも、自治体職員やまちづくりに関わる町民へのデザイン思考ワークショップを昨年6月に実施したことを皮切りに、実際に社員が移住し、町民へのデザインリサーチを実施するなど、上川町が抱える地域課題の解決に向けた施策を行ってきた。今回、両者での共同事業の発足など、デザインの力を生かしたまちづくりの取り組みを加速させるべく、包括連携協定の締結に至ったという。

上川町の佐藤芳治町長

佐藤町長は、「グッドパッチと未来共創パートナーシップを締結できたことを大変嬉しく、非常に心強く感じている」と挨拶。「自治体と企業との連携では包括協定がほとんどで、企業のノウハウを自治体に提供するという一方通行の協力関係になっている。しかし今回の未来共創パートナーシップでは、自治体と企業が想いを同じくして、未来を創り出していくことを目的としている」と、未来共創パートナーシップの締結の意義について語る。

上川町の特産品

「上川町は、広大な土地のほとんどを大雪山国立公園が占めており自然豊かである一方、人口は減少傾向にある。上川町では、町外から訪れる人と、町民とが有機的に暮らしていくまちづくりを考えており、今回のパートナーシップによって、町民が気づかなかったことを見つけ出してもらいたいと思っている」と、上川町で暮らす人々とともに地域づくりを行ってほしいと呼びかけた。

協定書に署名を行う上川町の佐藤芳治町長

「上川町はこれまで林業に偏った事業を展開してきた。しかし、これを見直し観光業に地盤をシフト。国内だけでなく海外へのプロモーションも積極的に行ってきた。また、自然との共生についても他の自治体に先駆けて対応。たとえば、景勝地への自家用車の乗り入れ規制を行い、野生動物との共生を目指す取り組みを行っている」と、上川町以外から人を呼び込み、チャレンジングなまちづくりを行っていきたいと訴える。「グッドパッチから学ぶべきことは多いと思っている。町民一人ひとりの視点からまちづくりを考えていくためにも、パートナーシップを通じた様々なアイデアの提案などに期待している」と、グッドパッチとのパートナーシップ締結に大きな期待を寄せる。「上川町に企業・人・資源が集まり、様々なプロジェクトが誕生することに期待すると共に、そこから利益を生み出せる持続可能な事業にすることで、町民にとってプラスとなるパートナーシップへと深化させていきたい」と、グッドパッチによって、上川町の未来をデザインしてほしいと訴えた。

グッドパッチの土屋尚史社長兼CEO

グッドパッチの土屋社長は、「当社は、デザインの力を使いながら価値創造を提案するビジネスを展開している。今回のパートナーシップでは、デザイン思考のワークショップによる学びからスタートすることにした。具体的には、当社の社員が上川町で暮らし、上川町役場に出向いて連携強化を図るなどしている」と、上川町に社員を派遣し、アクションプランや事業計画などを、上川町の職員とひざを突き合わせて行っているとのこと。

協定書に署名を行うグッドパッチの土屋尚史社長兼CEO

「上川町は人口減少の課題先進地域でありながら、道内外の企業と協力して新たな事業を生み出し続ける点など、行政が最先端の取り組みを行う自治体であると感じている。今後もデザインの力を表現できるような行政施策や事業創出を支援し、上川町独自のまちづくりの実現に貢献していきたい」と意気込んだ。

グッドパッチの米田真依氏

提携までの流れと取り組み内容について、グッドパッチの米田真依氏が説明した。「自治体職員やまちづくりに関わる町民へのデザイン思考ワークショップを昨年6月に実施。同10月からリサーチプロジェクトを開始して、同12月から当社社員が上川町へ移住。そして8月23日に協定調印の締結に至った」と提携までの流れを報告。「昨年12月から上川町に住み込み、町民の考え方や価値観・その背景も理解して、上川町の魅力と課題を探った。また、上川町役場の窓口業務から独自の魅力と課題を探った。その結果、人の寛容性・リーダーの多さ・雄大な自然の身近さ--の魅力が際立っていることがわかった」という。「人の寛容性では、排他性がなく、肩書なども気にせずありのまま人を受け入れる文化がある。リーダーの多さでは、自分の価値観を行動の原動力にして活躍するリーダーが分野を問わず多い。雄大な自然の身近さでは、大雪山国立公園をはじめ非日常を感じさせる自然がすぐに行ける距離にある」と、上川町の3つの魅力を詳しく紹介してくれた。

上川町の特産品

「この結果、上川高校の生徒や役場の全課を対象にデザイン研修を実施。さらに、企業向け人材開発型ワーケーションを行った。また、広報『かみかわ』をリニューアル。上川町助け合いコミュニティづくりと題し、上川町での『もちつもたれつ』の助け合いの関係を促進すべく、利用者コミュニティと運営者コミュニティを立ち上げた」と、リサーチを通じて得られた魅力から、様々なことを行ってきたのだと説明する。「未来共創パートナーシップでは、『循環型の地域づくり』をキーワードに、デザインの力・デジタルの力・コミュニティの力--という3つの力を最大限活用し、地域内外での社会実装等を推進する」とのこと。「デザインの力では、デザインの力を活用した地域内外に向けたサービスの創出や高付加価値化。デジタルの力では、デジタルの力を活用した地域内ベーシックインフラサービスの維持改善。コミュニティの力では、コミュニティの力を活用した誰もが輝ける地域社会の実現--として循環型の地域づくりを行っていく」と、3つの力の具体的な内容について教えてくれた。

上川町で暮らす写真展

「未来共創パートナーシップの第一弾事業として、企業向け人材開発型ワーケーション事業を推進。このワーケーション事業の開始に先駆けて、丸井グループの企業研修を8月上旬に4泊5日で実施した」という。「研修では、自分の価値観を行動の原動力にして活躍するリーダーたちの仕事を体験した上で、自らを振り返り“仕事って何?”“なぜ自分は働くのか”を言葉にする内容で実施した」と、役場やレストラン・酒蔵、社会福祉、保全型林業のリーダーたちの仕事を経験し、これを上川高校の生徒に発表。研修全体を通しての振り返り会を行って、気づきや学びを発見してもらったのだという。「今後は、丸井グループによる継続実施が検討されている。また他の企業への案内も始めており、月1回のペースで企業研修の開催を目指していく」と、ワーケーション事業の今後の予定について発表した。

北海道上川町=https://www.town.hokkaido-kamikawa.lg.jp/
グッドパッチ=https://goodpatch.com/


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