カルティエ、国際女性デーに2025年日本国際博覧会「ウーマンズ パビリオン」の名称や建築デザイン等を発表

左から:建築家 永山祐子氏、2025年日本国際博覧会協会事務総長の石毛博行氏、
カルティエ ジャパン 宮地純プレジデント&CEO 、経済産業省 大臣官房審議官 澤井俊氏

カルティエ ジャパンは3月8日、2025年日本国際博覧会協会、内閣府、経済産業省との共催によるプレスカンファレンスにおいて、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)における「ウーマンズ パビリオン」の名称やコンセプト、建築デザイン、そして「WA by Cartier」と題した関連トークイベントの継続的な開催を発表した。2020年ドバイ国際博覧会の「ウーマンズ パビリオン」の名前と強い意志を引き継ぎ、2025年日本国際博覧会でも同パビリオンは社会における女性の貢献に光を当てる。また、著作家・メディアプロデューサー、羽生プロの羽生祥子社長をファシリテーターに迎え、建築家 永山祐子氏、大阪大学総長 西尾章治郎先生、元三菱UFJフィナンシャル・グループCEO 平野信行氏、そしてカルティエ ジャパン 宮地純プレジデント&CEOによるトークセッションを開催。インクルーシブな社会の重要性や国際女性デーに考える今後のGender equality(平等)とequity(公平)についてディスカッションが繰り広げられた。

国際博覧会担当大臣の岡田直樹氏

プレスカンファレンスでは、まず国際博覧会担当大臣の岡田直樹氏がビデオメッセージを送った。「2025年大阪・関西万博の開催まで767日となり、パビリオンの工事も本格化してきた。2025年大阪・関西万博はSDGsの達成に貢献する万博となることを目指しており、その中でも男女共同参画や多様性の実現は重要なテーマとなる。『ウーマンズ パビリオン』は、日本や世界における“女性活躍”の状況を国内外に広く発信する場として、大いに期待している」と挨拶した。

女性活躍担当大臣・内閣府特命担当大臣(男女共同参画)の小倉將信氏

次に、女性活躍担当大臣・内閣府特命担当大臣(男女共同参画)の小倉將信氏がビデオメッセージで挨拶した。「我が国は、他国に比べて女性活躍の推進が非常に遅い。それだけに2025年大阪・関西万博は、我が国における男女共同参画社会の実現・女性活躍の推進に向けた取組を世界に向けて発信する重要な機会となる。同時に、国際社会の状況を日本国内に紹介するという観点からも大きな意味がある。『ウーマンズ パビリオン』を体験した人が、男女共同参画・女性活躍の重要性等を改めて実感するとともに、ジェンダー平等社会の実現のため、自ら実践できるアクションを考えるきっかけになるパビリオンとなるよう準備に取り組んでいく」と、女性活躍の重要性を訴えた。

2025年日本国際博覧会協会事務総長の石毛博行氏

2025年日本国際博覧会協会事務総長の石毛博行氏は、「今年は2025年大阪・関西万博に向けて、実現実行の年と位置づけている。カルティエは長年女性エンパワーメントに関する取り組みを積極的に行っている。多岐にわたる活動や、グローバルな視点とネットワークを活用し、これまでの学びやベストプラクティスを政府の男女共同参画方針を踏まえ、『ウーマンズ パビリオン』を通じて提供される。体験などによる来場者の人々に学びや気づきのある展示・企画が、大阪・関西万博の魅力の一つとして欠かせないものになるものと期待している」と、2020年ドバイ国際博覧会のレガシーを基に女性活躍の機会を伝える場になることを期待していた。

カルティエ インターナショナルのシリル・ヴィニュロン プレジデント&CEO

カルティエ インターナショナルのシリル・ヴィニュロン プレジデント&CEOはビデオメッセージで、「2025年大阪・関西万博にも『ウーマンズ パビリオン』を設け、より持続可能な社会に女性のエンパワーメントがいかに重要であるかを伝えていく。そして女性一人ひとりに、生活に欠かせない基本的なニーズの充足とアクセスを保証し、女性たちが平等な権利をもち、機会を与えられ、尊厳と経済力をもって生きられる世界を実現することが鍵となる。また、あらゆる年齢の来場者が自分のコミュニティから変えていくチェンジメイカーになるよう、影響を与えることが重要である」と強調していた。

カルティエ ジャパンの宮地純プレジデント&CEO

カルティエ ジャパンの宮地純プレジデント&CEOは、「当社は170年以上の歴史があり、いつの時代においても先進的な価値を提供してきた。当社ブランドのキービジュアルとして使用する豹は、自分らしく輝く女性の象徴としている。こうした女性を応援するべく、2020年ドバイ国際博覧会では、女性の課題解決や女性のエンパワーメントを紹介するパビリオンを出展した。2025年大阪・関西万博においても『ウーマンズ パビリオン』を出展。女性の可能性に光を当て、Gender equality(平等)とequity(公平)の課題に対するアクションを指し示す。そして、女性と共創する社会の構築が必須であるということを訴えていく」と語る。

「グローバル アーティスティック リードには、1851年の万博創設以来初の女性デザイナーとして、2020ドバイ万博の英国パビリオンを担当するなど、第一線で活躍するアーティスト、エズ・デヴリン氏が就任する。そして、建築家の永山祐子氏がリード アーキテクトに就任。『ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier』として、“When women thrive, humanity thrives~ともに生き、ともに輝く未来へ~”をコンセプトに掲げ、すべての人々が真に平等に生き、尊敬し合い、共に歩みながら、それぞれの能力を発揮できる世界をつくるきっかけを生みだすことを目指す。パビリオンでは、世界中の女性に寄り添い、女性たちの体験や視点を通して、公平で持続可能な未来を志すことを来場者に呼びかけるべく、2階にはディスカッションスペース“WA by Cartier”を設ける。“WA”には、円の“輪”や平和の“和”、対話の“話”などの意味がこめられ、すべての生き物の“Circle of Life”を象徴。国内外のプロデューサーと対話し、アクションにつなげることで新しい世界を創る場にしていく」と、「ウーマンズ パビリオン」は、未来のビジョンを世界に発信するパビリオンなのだと訴えた。

「ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier」の模型をアンベールする、左から:建築家 永山祐子氏、カルティエ ジャパン 宮地純プレジデント&CEO

そして、建築家 永山祐子氏と宮地純CEOが2025年大阪・関西万博の「ウーマンズ パビリオン」の模型をアンベールした。

「ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier」の模型

永山氏は、「今回のパビリオンには、ドバイ万博から大阪・関西万博につなげる試みとして2つの要素がある。1つ目はドバイ万博から始まった女性の社会貢献に光を当てた館の継承、そして2つ目はドバイ万博日本館のファサードリユース。過去の万博で使われたパビリオンの外装をリユースするという画期的な試みとなる。SDGsをテーマとする大阪・関西万博では、SDGsの17のゴールのうち日本が不得意とする“SDGs5:ジェンダー平等を実現しよう”および“SDGs12:つくる責任 つかう責任”の2つの分野にフォーカスしたパビリオンでもある。ファサードリユースはドバイ万博日本館設計当初から思い描いていた構想だった。ここに実現できることを嬉しく思う」とのこと。

建築家の永山祐子氏

「リユースに向けて解体の瞬間から今まで、多くの人々の多大なる協力を得てきた」と、「ウーマンズ パビリオン」では、永山氏が設計した2020年ドバイ国際博覧会の日本館で使用したファサード資材を大林組、⼭九の協力によってリユースするという。「そしてこれからも2025年の開催に向け、関わるすべての人々との対話、協業を大切にしながら実現に向け邁進していきたいと思う。完成時にはこれからの未来社会に向けた大切なメッセージとして、多くの人に体験してもらいたいと思う」と、「ウーマンズ パビリオン」を多くの人に見てもらいたいと語っていた。

「ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier」の模型

ビデオメッセージを送ったエズ・デヴリン氏は、「事実を捉える人と、感情を捉える人の間に、分断がある。しかし事実は、感じることではるかに効果的になる。ストーリーの語り手は、詩的な合唱芸術などを媒介にして、重要な事実を実感へと変換することができる。パビリオンの影響力は計り知れない。心を動かす力が間違いなくある。大きな効果を生むだろう。私たちが資源、時間、想像力を投下するならば、このパビリオンが時や場所を超えてメッセージを発信するラジオ局のような存在になることが重要だ。『ウーマンズ パビリオン』は、すべての人のためのものであり、世界中の女性のレンズを通して、具体的な課題を明らかにし、これまでの功績を称えるものとなる」と述べていた。

左から:著作家・メディアプロデューサー、羽生プロ 羽生祥子社長、元三菱UFJフィナンシャル・グループCEO 平野信行氏、建築家 永山祐子氏、カルティエ ジャパン 宮地純プレジデント&CEO

また、著作家・メディアプロデューサー、羽生プロの羽生祥子社長をファシリテーターに迎え、建築家 永山祐子氏、大阪大学総長 西尾章治郎先生、元三菱UFJフィナンシャル・グループCEO 平野信行氏、そしてカルティエ ジャパン 宮地純プレジデント&CEOによるトークセッションも開催。インクルーシブな社会の重要性や国際女性デーに考える今後のGender equality(平等)とequity(公平)についてディスカッションが繰り広げられた。

元三菱UFJフィナンシャル・グループCEOの平野信行氏

平野氏は、「多様性は新たな価値を生み出す」と強調。「日本は女性の就業率は高いものの、正社員率は低く、賃金も上がらない。それだけに意識と仕組みが課題と思われる。意識が現場まで下りているのかを考える必要がある」と警鐘を鳴らす。

建築家の永山祐子氏

永山氏は、「建設関連は男社会。一方で、建築系を志す女子学生は増えているように感じる。子どもを産んでも仕事を続ける女性は増えている。これには企業内でのサポートの充実が挙げられるが、家庭内でのサポートはまだまだ不十分であると感じている」と、働く企業だけでなく、妻を支える夫のサポートも重要なのだと語っていた。

カルティエ ジャパンの宮地純プレジデント&CEO

宮地CEOは、「当社では、各国の代表は半数以上を女性が務めている。また、男女分け隔てなくコミュニケーションが図れる環境が整っている。こうした現状を後輩たちに見せていくことでダイバーシティに関する好循環サイクルが生まれているように感じる」と述べていた。

大阪大学総長の西尾章治郎先生

西尾先生は、「大阪大学では現在、女性研究者が占める割合は21%になっている。2031年にはこれを30%に引き上げていく。また、民間企業と連携してダイバーシティを考えるためのコンソーシアムを4月に発足する。さらに、理系に入学した女子学生50名に対し、連携企業からお金を募り、20万円を提供している。このように産業界と一体になって行うことが重要であると考えている」と、大阪大学の具体的な取り組みについて教えてくれた。

著作家・メディアプロデューサー、羽生プロの羽生祥子社長

羽生社長は、「日本はジェンダー平等後進国で、アジアの中でも下位に位置する。女性は職場にいるものの管理職は少ない。しかし、女性が活躍すると経済効果が高いことも研究で明らかとなっている。こうした問題点や課題を『ウーマンズ パビリオン』でディスカッションできればと思っている」と、“WA by Cartier”でさらなるGender equality(平等)とequity(公平)について語り合っていければと話していた。

カルティエ ジャパン=https://www.cartier.jp/
2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)=https://www.expo2025.or.jp/


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