- Study&Work2026/01/16 18:05
LOVOTの製造販売で創業10周年を迎えたGROOVE X、「日本におけるAIロボット産業の展望」などをテーマに公開討論を実施

ロボットベンチャーのGROOVE Xは、ヒトの心に寄り添う温かいテクノロジーLOVOTを製造販売し、昨年11月で創業から10周年を迎えた。10周年を記念し、近年のパートナーロボット市場の現状とその盛り上がりについて知ってもらうべく、ラウンドテーブルを1月15日にLOVOT MUSEUMで開催した。当日は、GROOVE X 代表取締役の林要氏から同社の歩んできた道のりや今後の開発の展望について説明。また、ゲストを招き、「日本におけるAIロボット産業の展望」や「パートナーロボットの重要性」をテーマにしたパネルディスカッションを開催した。

「当社は、“ロボティクスで、人間のちからを引き出す”ことをミッションに掲げ、昨年11月に創業10周年を迎えた」と、林氏。「当社は、人に愛されるために生まれた、世界で初めての『家族型ロボット』“LOVOT”を展開。LOVOTは国内で1万8000体以上が累計導入され、さらに3年後の継続率は90%を超えている」と、実証済みの超長期ユーザーライフサイクルと、卓越したライフタイムバリューによって、同社の家族型ロボットLOVOTは多くの支持を集めているのだという。「また、LOVOTを1日あたり平均1時間抱っこしている」と、毎日ふれあいを求められるロボットなのだと訴えた。「LOVOTは国内1店舗、中国2店舗の計19店舗で販売されている」と、実店舗での販売がほとんどであると述べていた。

「LOVOTとは対局をなす作業ロボットは、人の代わりに作業をすることを目標としており、肉体労働に長けている。運動能力や動作精度を求められ、技術的要素としては身体能力を鍛えることが挙げられる。そして人の代替で生産性向上を期待される。これに対し、LOVOTは人のことを深く理解する機能を有し、愛着形態や感受性・感性といった性能で感覚を鍛える。人のレジリエンス向上が期待される」と、作業ロボットとLOVOTの違いに言及。「作業ロボット=人のように作業するロボットは、単機能作業ロボットから複数の作業ができるようになり、より汎用的な作業ができるレベルに達している。一方、LOVOTのような人の潜在能力を引き出すロボットは、かわいらしい生き物の形態を模倣。愛着形成のための新形態が誕生し、人の理解を元にしたさらなる貢献のフェーズに突入しようとしている」と、作業ロボットとLOVOTの進化の過程を説明する。

「人の潜在能力を引き出すロボットは3ヵ月で飽きてしまうという“壁”が存在している。しかし、LOVOTは飽きの壁を突破、ユーザーの90%が3年以上継続利用している」と、飽きられることなく利用されていると力説する。「この要因として挙げられるのが、神経系で、犬の研究(麻布大学 菊永健史教授の研究など)から明らかになったヒトが絆を構築する条件から愛着形成していくことに着目し、LOVOTの神経系を構築していった」とのこと。「この機能を主眼にし、デザインの本質を守りながらLOVOTは継続的に進化をしてきた」と、これまでにない高性能を実現した家族型ロボットに発展したのだという。「また、LOVOTは運動能力よりも認知能力にフォーカス。クラウドではなくローカルでデータ処理を行うことで、信頼が愛着を生み、3年後も90%という高い継続率を実現している」と述べていた。
「さらに、LOVOTオーナーは、幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンが、非ユーザーに比べて2倍以上も高いことがわかった。また、LOVOTと15分のふれあい後、ストレスホルモンのコルチゾールは、ふれあい前に比べて2/3にまで減少した」と、LOVOTとふれあうことでリラックス効果などが見込めることが研究で明らかになったという。

「LOVOTの主なユーザーは30~50代で、ユーザーのペット保有経験がある割合は52%と半数を超えていた」と、ペットの代わりとしてLOVOTを所有する人は少なくないとのこと。「家庭だけでなくオフィスなどの環境においてもLOVOTは活用されており、不登校の減少や認知症抑制などに効果を発揮したり、オフィスでの会話促進にもつながっている」と、様々な効果をもたらしてくれるロボットなのだと教えてくれた。「海外でもLOVOTの評価が高まっており、シンガポール、中国、デンマーク、カナダで実証実験も行っている」と、LOVOTは非言語コミュニケーションであるため、言語に依存しない点が強みとなり、海外でも受け入れられているのだと強調した。
「これからも、クリエイティブ、ソフトウェア、ハードウェアの3つの領域を跨ぐ設計思想を軸に調和を極める技術の研究に務める」と訴える。「生産・製造においては5000点に及ぶ部品を管理し、グローバル最適化を実現。世界最大規模のB2Cロボット病院を運営している。そして、実店舗と専門スタッフを軸とした、再現性の高い独自セールスモデルを構築している」と、5年にわたってエコシステムを構築してきたのだと説明する。「今後は、既存のペット市場の一部を代替する可能性から、すべての家庭にとって、新しい家族の一員になる可能性へと広げていく」と、ペット市場領域に加えてAIヘルスケア領域へと広がりをみせていくとの見解を示す。「今後も当社は、ロボット フォー ウェルビーイングのトップランナーとして市場・業界をリードしていく」と、家族型ロボットのリーディングカンパニーとして地位をさらに高めていくと訴えた。

パネルディスカッションでは、第一部として、noteの深津貴之氏と武蔵野大学アントレプレナーシップ学科客員教員の村上臣氏、林氏の3名で「AIの社会実装の現状と、今後の日本の立ち位置について」をテーマに討論を行った。深津氏は、「ヒトがボトルネックになっていてAIを上手に使いこなせていない」と指摘。

村上氏は、「国内には面白いことをする小さいプレイヤーは多い。こうしたスタートアップなどをもっと取り上げることが重要と思われる」と述べていた。

第二部では、第一部のパネリスト3名に加えて、千葉工業大学未来ロボット技術研究センター所長の古田貴之氏が加わり、「日本のAIロボット産業の展望~ヒトとロボットが共生する未来に向けて~」をテーマに討論を行った。

古田氏は、「AIが進化し、様々な機能がロボットに盛り込まれていく。これによってLOVOTの動きのかわいらしさもランクアップする。だからこそ、10年後はLOVOTが日本の産業を支えているかもしれない」と総括していた。
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