- Study&Work2026/01/06 20:51
東京都、「知事と議論する会」を開催、「AIなどのデジタルで叶えたい『未来の東京』」をテーマに高校生が小池都知事に提案

東京都は、知事が都政の重要課題について次世代を担う若者から直接意見を聞き、対話することを目的とするイベント「知事と議論する会 ~都知事!わたし、東京をこう変えたいです!~」を昨年12月25日に開催した。今回は、「AIなどのデジタルで叶えたい『未来の東京』」をテーマとして、都内4校12名の生徒がそれぞれのアイデアを東京都知事の小池百合子氏に提案すると共に、都知事と意見交換を行った。

東京都では、AIをはじめとしたデジタルが生活のあらゆる場面で不可欠な存在になっていく中、デジタルの力で東京のポテンシャルを引き出し、都民が質の高い生活を送ることができる「未来の東京」を実現するため、様々な施策を展開している。そこで、昨年の「知事と議論する会」では、都知事へ「未来の東京」に向けたAIなどのデジタルを活用した取り組みを提案するべく、都立新宿山吹高等学校、渋谷教育学園 渋谷高等学校、東京電機大学高等学校、東京学芸大学附属国際中等教育学校の4校12名の生徒がプレゼンテーションを行った。イベントのMCは、タレントのハリー杉山さんと、ITAMAE(Innovative Technology Academic MAEstro)1期企画メンバーで大学生の小目谷藍美さんが務めた。

イベントの開催にあたり、東京都知事の小池氏が挨拶。「今、世の中はすごい速度で動いている。特に生成AIは、私たちが知るようになって3年も経っていないが、この間の進化は日進月歩では足りず、分・秒のスピードで進化し続けている。その中で、AIなどのデジタル技術を活用してイノベーションを加速させ、いかに明るい未来を切り開けるか。ここが勝負のしどころだと感じている。今回のイベントでは、AIを活用することでどんな未来の東京が描けるのか、次世代を担う高校生のカラフルな意見を楽しみにしている。東京都では、昨年12月に『Tokyo中高生Webサイト』を開設しており、これから積極的に若い人たちの声を政策に活かしていきたい」と、若い世代から生まれる多様な提案に期待を寄せていた。

次に、今回のイベントに合わせて若年層(中学生~30歳未満)を対象に募集した「あなたがAIなどのデジタルで叶えたい『未来の東京』」への意見をAIが分析・生成した動画を上映。「この動画は、アンケートで集まった1000件以上の意見を、AIを活用して映像化したもので、とてもワクワクする『未来の東京』のまちが再現されている。アンケートでは、『交通・移動の最適化』、『便利で快適な生活』、『住みやすさと共生』に関する意見が多く寄せられた。具体的には、『空飛ぶ車』や『どこでも学習できるプラットフォーム』、『子どもや高齢者を見守るサービス』などのアイデアが挙がっていた」と、MCの小目谷さんが、AIが生成した動画のポイントを説明してくれた。

そして、各校の高校生チームが都知事へのプレゼンテーションを行った。最初に登壇した都立新宿山吹高等学校「東京お助け隊」は、東京の都市部が過密状態になっていることを課題に挙げ、これを解決する手段として行先提案型スマートグラスシェアリングサービス「WeAR TOKYO」を提案。同サービスは、AIによる行先案内・観光提案、ARによるルート案内・観光ガイド、レビュー機能、ポイント制度などの機能を搭載したスマートグラスをレンタルで提供するもの。このサービスを通じて、東京の市町村では、観光資源のPRや観光客による経済効果、知名度・魅力の向上が見込める。一方、23区では、人口過密の解消や区外への外出による余暇の充実が期待でき、最終的には、東京都全体の活性化を目指すとアピールした。

続いて登壇したのは、渋谷教育学園 渋谷高等学校「未来Makers」チーム。外国人駐在員が住みやすい東京を目指す「FASPO構想」を提案した。東京が今後、さらに都市として発展するには、日本国内の枠にとどまらず、国際社会としてつながり、駐在員など優秀な人材を様々な国から受け入れていく必要がある。「FASPO構想」では、行政手続や生活サービスを一元化したアプリ「Federated App」とデジタルプロフィール「Service Passport」によって、外国人駐在員の生活をワンストップで支えるAI多言語プラットフォームを実現。東京の経済発展に必要な人材が住みやすい環境を整備することで、国際競争力を高めることができると強調した。

3番目に登壇した東京電機大学高等学校「SUIGAI buster.」チームは、都民を内水氾濫から守る防災システムを提案した。下水道からの逆流が発生する内水氾濫は、予測や避難誘導が非常に困難な上に、生活環境が浸水してしまうと復旧までに時間がかかり、経済に大きな影響を及ぼすことが懸念される。そこで、東京電機大学が開発した水害対策アプリ「AREA RAIN」を活用。都内で集中豪雨が発生した際に、AIが浸水場所や発生時間を高精度に予測し、スマホに通知する。これによって、止水板や土塁の設置を親水発生前に行うことが可能になるという。

最後に、東京学芸大学附属国際中等教育学校「Crossroad Tokyo」チームが登壇し、高齢者の孤立や健康・生活課題をサポートするAIロボット「もの助」を提案した。介護関連のロボットとしては、すでに介護支援型ロボット、コミュニケーション型ロボット、自立支援型ロボットが存在しているが、それぞれ「導入コストが高い」、「日常会話に制限される」、「操作が複雑で扱いづらい」といった課題を抱えていた。「もの助」は、これらロボットの「いいとこ取り」を行い、ヘルスサポート機能、エンターテインメント機能、なんでも相談機能を備えたAIロボットを実現。カスタマイズにも対応し、AIのアルゴリズムを使って対象の高齢者一人ひとりに合ったサービスを提供することもできるという。「もの助」を通じて、若い世代の「介護」という責任や負担を軽減することが、「すべての都民」が暮らしやすい社会への第一歩になると訴えた。

高校生チームのプレゼンテーションを聞いた小池氏は、発表後に各チームのメンバーと質疑応答を行い、提案内容への理解を深めていた。最後に小池氏は、「今回の4チームのプレゼンテーションは、地域の魅力発信から国際都市としての環境づくり、防災の高度化、高齢者の安心した暮らしまで、東京都の課題をすべてカバーしていた。そして、これからの東京を背負っていく高校生たちが、素晴らしい提案をしてくれたことを、とても心強く思っている。こうした若い世代の提案が東京都の未来を切り開く大きなヒントになるので、これからも大胆な発想で無限の可能性に磨きをかけていってほしい」と、高校生たちにエールを送ってくれた。

イベントの第2部では、MCを務めるハリー杉山さん、小目谷さんと、プレゼンテーションを行った高校生チームによるクロストークを実施。AIなどのデジタルによる「未来の東京」の実現に向けて意見を交わした。ハリー杉山さんは、高校生チームのプレゼンテーションについて、「ここまで形になっていて、実現すればすぐにでも効果が出そうな提案だったので、本当にびっくりした。最初は、高校生の意見として聞いていたのだが、それを誤りたくなるほどクオリティが高かった」と、高校生とは思えないレベルの高い提案内容だったと感想を述べていた。
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