Assurant Japan、「パラメトリック海外旅行ソリューション」を提供開始、海外旅行のトラブル時にリアルタイムで保証を提供

消費者が購入した大切なプロダクトやサービスをサポートし、守り、つなぐ革新的なソリューションを提供するビジネスサービス・カンパニーであるAssurant Japanは、インシュアテックのスタートアップであるブリンク・パラメトリックと業務提携し、日本で初めて同社のパラメトリック旅行保険のテクノロジーを導入した「パラメトリック海外旅行ソリューション」の提供を開始した。6月27日に行われた説明会では、インシュアテックのトレンドやパラメトリック保険の動向、および「パラメトリック海外旅行ソリューション」の概要について説明した。

「Assurantグループは、米国で100年以上の歴史を持っており、損害保険の会社としてスタートし、ライフスタイルの変化に応じて事業とサービスを拡大してきた。すべてがデジタルでつながるコネクテッドな世界において、最新テクノロジーを駆使して人々の暮らしの可能性を広げ、より良い未来を創造することをパーパスとして事業を展開している」と、Assurant Japanの藤本潤一社長が挨拶。「Assurantは、携帯端末ソリューションや車両保険サービス、レンターズ保険などで、全世界の消費者に安全・安心を提供している。特に、携帯電話のアップグレードサービスや下取りサービスは、当社が世界で初めてスタートしたサービスとなっている。そして今回、ブリンク・パラメトリックと業務提携し、日本初の『パラメトリック海外旅行ソリューション』を提供開始する。このソリューションを通じて、様々なパートナー企業のサービスに新たな価値を付加し、より良い顧客体験の提供に貢献していく」と、新ソリューションの提供に向けて意欲を述べた。

インシュアテックのグローバルトレンドについて、Assurant Japanの上山猛Vice Presidentが紹介した。「インシュアテックは、インシュアランス（保険）とテクノロジーを掛け合わせた造語で、保険分野におけるFinTechの概念となる。従来の保険の事業モデルにテクノロジーを投入することによって、プロダクトからプロセス、顧客体験までバリューチェーン全体に変革をもたらす。代表的なプロダクトとしては、テレマティクス保険、オンデマンド保険、ピアツーピア保険、パラメトリック保険などがある」と、インシュアテックとはどのようなものなのかを解説。「インシュアテックの市場規模は、2023年では206億ドルだが、10年後の2033年には2106億ドルまで達する見込みとなっている。売上高も、CAGR（年平均成長率）26.1％で大幅に拡大すると予測されている。インシュアテックは、FinTechの次の大きなチャンスととらえられており、業界は今、重要な変曲点を迎えつつあるとみられている」と、インシュアテックの市場は今後大きな成長が期待されているのだと話していた。

続いて、ブリンク・パラメトリックのシド・マウンシーCEOが、パラメトリック保険の動向について説明した。「パラメトリック保険は、世界中の大規模なデータセットを活用し、保険事故が発生したかどうかを自動で判断する。そして、事前に設定された金額に基づいて、保証や保険金を顧客に支払う新しいタイプの保険となる。顧客が事故に遭い、一番必要としているときに、最も必要な保証をリアルタイムで提供する」とのこと。「世界のパラメトリック保険業界の市場規模は、2021年は117億円で、2031年には293億ドルまで拡大すると予測されており、2022年から2031年までのCAGRは9.9％とみられている」と、市場は拡大傾向にあると指摘する。「特に、旅行保険において、パラメトリック機能に対するニーズが高まっている。海外旅行中にフライト遅延や手荷物遅延などのトラブルに見舞われた場合、旅行者のストレスはかなり高いものと思われる。リアルタイムでトラブルを検知し、その場で即座にサポートが受けられるパラメトリック保険は、海外旅行と高相性であり、今後当たり前のサービスになると考えている」と、パラメトリック保険は海外旅行に最適なソリューションなのだと訴えた。

新たに提供開始する「パラメトリック海外旅行ソリューション」の概要について、Assurant Japan 商品開発の酒井大介氏が紹介した。「『パラメトリック海外旅行ソリューション』は、航空便を使用する海外旅行時のトラブルのソリューションに、パラメトリック保険を適用したもの。海外旅行の代表的なトラブルである『フライトの遅延・欠航』と『手荷物の遅延・紛失』の2つを対象としたサービスを提供する」と、海外旅行時のフライトおよび手荷物のトラブルをストレスフリーにするとのこと。「『フライトの遅延・欠航』では、フライト状況をパラメータとして遅延時間や欠航をトリガーに保証を提供する。世界中のフライトをリアルタイムでモニタリングするシステムが、遅延や欠航をいち早く検知し、顧客のスマートフォンや携帯端末に通知を送信する。顧客はその場で画面をタップするだけで、ラウンジ利用やキャッシュ特典、ホテル利用など、加入時の契約に準じたサポートサービスを即時に利用可能となる」と、フライトの状況に応じたリアルタイムアシスタンスを提供すると説明した。

「『手荷物の遅延・紛失』では、到着地に手荷物が見当たらなかった場合、空港グランドスタッフに報告して手荷物紛失証明書を受理し、証明書をアップロードする。システムが手荷物管理システムへの照会を行い、手荷物の状況を追跡。遅延後の経過時間を計測し、あらかじめ定めた時間が経過すると、キャッシュ特典を即時送金する」と、手荷物の追跡および保証の提供もリアルタイムで対応するという。「従来型の旅行保険では、損害額の算出や損害発生後の申請手続きなど煩雑なペーパーワークが必要で、トラブルの瞬間に保証を受けることができなった。今回のソリューションでは、トリガーイベントをもとに、その場で保証が得られるため、トラブルがあっても継続して旅行を楽しむことができる」と、旅行者の顧客体験を追求した仕組みになっていると強調する。「同ソリューションを導入する事業者にとっては、各企業のプラットフォームやポータルにシームレスに組み込むことができ、既存のサービスに付加することで、新たな価値を顧客に提供することができる。また、ホワイトレーベルで提供されるため、導入企業独自のブランディングが可能で、保証内容も企業のビジネスや顧客のニーズに即して柔軟に設定することができる」と、導入事業にもメリットが大きいソリューションなのだとアピールした。

Assurant Japan＝https://www.assurant.co.jp/
ブリンク・パラメトリック＝https://blinkparametric.com