- Home&Living2025/09/22 22:41
Jackery Japan、新たな防災プロジェクト「Jackery PLAY PARK」を始動、第一弾として美味しい非常食「KNOTOメシ」を展開

ポータブル電源・ソーラーパネルの世界的リーディングカンパニーJackery(ジャクリ)の日本法人であるJackery Japanは、「“たのしい”で、そなえる。」をコンセプトとした防災プロジェクト「Jackery PLAY PARK」を、防災月間となる9月19日から始動した。この第一弾として、能登における被災地支援活動である“美味しい非常食”「KNOTOメシ」について、同日にメディア向け発表会を実施した。発表会では、プロジェクトの発足背景や「KNOTOメシ」の取り組み概要について説明した他、石川県能登町の関係者や防災の専門家によるトークセッションを実施した。

「Jackeryは、『グリーンエネルギーをあらゆる人に、あらゆる場所で提供する』をミッションに掲げ、2012年に米国で設立した。2016年にブランド初のポータブル電源を発売し、その2年後の2018年にはポータブルソーラーパネルを発売。昨年にはグローバルでの販売台数が500万台に達し、ポータブル電源・ソーラージェネレーターのリーディングブランドとなってる」と、Jackery Japan マーケティング本部 マーケティング第一部 コンテンツディレクター/防災士の鈴木広介氏が挨拶。「昨年1月1日に能登半島地震が発生した際には、3日夜から地元ルートを通じて第一弾の製品配送を開始した。以降、インフラが不足している施設や避難所、住居などに合計260台のポータブル電源、ソーラーパネルの提供支援を行ってきた」と、能登半島地震における被災地支援活動を継続的に実施してきたという。

「支援活動の中で、被災地でポータブル電源を活用できている人は、もともとJackeryのユーザーであることが多く、普段から使っていることが、いざという時に役立つことに気づいた。また、震災から1年が経ち、復興が進む一方で、能登らしさが失われることに不安を感じる人も増えている。そこで今回、支援活動で得た学び・気づきを活かし、『モノ支援』から『コト支援』へ、これまでの防災のカタチをアップデートするべく、新たな防災プロジェクト『Jackery PLAY PARK』を立ち上げた」と、「Jackery PLAY PARK」を始動するに至る経緯を語る。「同プロジェクトでは、普段から楽しいこと、ワクワクすることを生活に取り入れることが、実は防災につながるという『“たのしい”で、そなえる。』をコンセプトに、様々な取り組みを展開していく。最初の施策として、防災における『食』のアップデートに取り組む。被災時では『食』が人々の心を支える大切なものであることを再確認し、日常から食事として楽しめる“美味しい非常食”『KNOTOメシ』の開発を支援する。この名前には、能登と他の地域、今までと未来を『結ぶ(KNOT)』意味を込めている」と、プロジェクトの活動概要を説明した。

続いて、「KNOTOメシ」の開発製造を担当するクラフトフードブランド ONE POT WONDERのBench Sasaki Susumu(ベンチ ササキ ススム)氏が、「KNOTOメシ」の第一弾商品「ノトムヤムクン」について紹介した。「『KNOTOメシ』では、1000年以上の歴史のある能登の発酵食文化と、被災経験から得た非常食に対する知見を付加価値に新たなメニューを開発。ユニークでワクワクするメニューで新しい価値を作り、能登の生活様式を変えずに新しい事業を生み出していく」と、新たな非常食を能登から発信する食プロジェクトなのだと力を込める。

「第一弾として開発した『ノトムヤムクン』は、タイ料理のトムヤムクンをオマージュしたオリジナルメニュー。能登半島に古くから伝わる魚醤『いしり』を、ナンプラーの代わりに使い、真空高圧調理したエビオイルと合わせた、子どもから大人まで楽しめる優しいスープとなっている。辛味や酸味などを最初から加えずに、食べる際に好きな調味料で味変ができるようにした。これは、人の手を加えてアレンジすることが食を楽しむことにつながった被災時の経験が反映されている」と、味変も楽しめる非常食になっているとアピールした。

ここで、「Jackery PLAY PARK」のプロジェクト開始にあたり、能登町の関係者および防災の専門家によるトークセッションが行われた。能登町からは、能登町長の吉田義法氏、能登町定住促進協議会の森進之介氏、同 池崎万優氏がオンラインで参加。能登町長の吉田氏は、「『Jackery PLAY PARK』は、能登の豊かな食文化と防災を結びつける画期的な取り組みであると感じている。特に今回、能登が誇る発酵調味料『いしり』を活かしたメニューが開発されたことを嬉しく思う。1000年以上受け継がれてきた能登の知恵が、美味しい非常食としてカタチになることは、私たちにとって大きな希望となる。さらにこの取り組みは、単なる復興支援にとどまらず、被災地で得られた知見を全国の防災に生かすものでもある。能登の経験がこれからも日本の防災力を高める一助となることを願っている。そして、今後も能登の発酵文化や海と川の恵みを取り入れたメニューを全国に届けていってほしい」と、挨拶の言葉を述べた。

自身も被災しながらJackery製品を孤立集落などの多くの被災者に届けた能登町定住促進協議会の森氏は、「私は、能登町移住コーディネーターとして、集落の課題解決や能登町への移住サポートを担当している。震災当日は、私自身も家の下敷きになっていたところを助け出された状況で、能登町の約7割が大きく被災し、現在も元の暮らしには戻れていないという現実がある。その中でも、町民は、自然を楽しみながら、なんとか暮らしをつなぎ直そうと懸命に動いている」と、復興途上にある能登町の現状を訴える。「今回の『KNOTOメシ』は、能登の食材を取り入れた“美味しい非常食”というコンセプトがとても素敵だと思っている。被災者からも、『疲れて辛くて悲しい中で、美味しいものを食べた時には元気が出た』という声を聞いている。美味しい非常食で楽しく備えるという考え方が、今後の防災対策として広がっていってくことを願っている」と、「KNOTOメシ」の取り組みに期待を寄せていた。

「ノトムヤムクン」のパッケージデザインを手がけた能登町定住促進協議会の池崎氏は、「私は2021年にUターンし、能登町でグラフィックデザイナーとして活動する中、自宅で被災した。被災者となって、初めて避難所で食べた非常食は、とても美味しいとはいえないもので、パッケージも震災から心が離れることができないデザインだった。この経験から、『疲労困憊している被災時に、もっと美味しくて元気になれる非常食があれば』とつぶやいたことがきっかけとなり、『KNOTOメシ』プロジェクトがスタートした」と、自身の被災体験から生まれたプロジェクトなのだと明かす。

「『ノトムヤムクン』のパッケージデザインは、非常時にも元気が出るよう、少しでも日常を感じられる可愛いデザインにこだわった。また、食べる時間だけでも被災者の心を安らげ、明日への活力となれるよう、ホチキス止めの裏面には能登の被災経験者からのメッセージをつけている」と、パッケージデザインに込めた想いを語ってくれた。

次に、防災の専門家として、防災士研修センターの玉田太郎氏と、地域活性ファシリテーターで元中野議会議長の出井良輔氏が登壇。玉田氏は、東日本大震災による東北沿岸部の被害調査の他、熊本地震、西日本豪雨災害、北海道胆振東部地震など、全国各地の災害現場での視察を基に防災士研修企画などに当たっている。能登半島地震の際も、発災の2時間後には現地に赴いたという。出井氏は、能登半島地震から学び、「ONE POT WONDER」の非常食プロジェクトにおける地域連携、災害対策見直しの啓蒙活動、コミュニティーづくりと子どもの体づくりを目的とした東京アーバンスポーツクラブ代表として活動している。

「Jackery PLAY PARK」の取り組みについて、出井氏は、「『Jackery PLAY PARK』プロジェクトでは、『“たのしい”で、そなえる。』をコンセプトにしているが、楽しいといえば、多くの人と人が集まるお祭りの場を思い浮かべる。中野では、毎年駅前で盆踊り大会を開催しているが、これまでは大きな電力を作るためにブースで発電機を使っていた。しかし今回、我々のブースでは、Jackeryのポータブル電源とソーラーパネルを使って、ドリンクやかき氷などを提供した。防災というだけなく、こうしたお祭りなどの楽しいイベントにもポータブル電源を使うことが、非常時に直結すると思っている」と、様々な場面でポータブル電源を活用することの重要性を強調した。

玉田氏は、「防災訓練というと重苦しいイメージがあるので、私もイベントなどでポータブル電源を使って、そこで防災にも使えることを説明すると、より幅広い人に伝わると感じている。また、ポータブル電源を含めてキャンプ用品は、大半が防災に活用することができるので、最近の防災教育では、家の電気やガスを使わずに庭でキャンプ体験をすることを推奨している。学校でも、ポータブル電源を使った家でのキャンプ体験を自由研究に選ぶ子どもも増えている。『Jackery PLAY PARK』プロジェクトを通じて、新しい防災訓練のカタチとして、日常生活の中で楽しみながらポータブル電源を使うことで非常時に備えるという活動が広がっていくことに期待している」と、ポータブル電源をもっと身近な防災アイテムにしていく必要があると話していた。
Jackery Japan=https://www.jackery.jp/
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