矢野経済研究所、文具・事務用品市場に関する調査、2024年度の国内市場規模は前年度比0.9%減の3885億2000万円に

矢野経済研究所は、国内文具・事務用品市場を調査し、商品別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。その結果、2024年度の国内文具・事務用品市場規模は、オフィス需要の停滞などを背景にマイナス成長が続き、前年度比0.9%減の3885億2000万円に達した。

2024年度の国内文具・事務用品市場規模は、メーカー出荷金額ベースで前年度比0.9%減の3885億2000万円となった。

当該市場は、コロナ禍の影響を受けた2020年度以降、市場全体ではマイナス成長推移が続いている。この背景としては、デジタル化の進展によるペーパーレス化や、多様な働き方の浸透などを背景とするオフィス需要の停滞、学童人口の減少、学校教育のデジタル化進行と学習スタイルの変化などが挙げられる。

2024年度は筆記具が前年度比プラス成長で推移したものの、紙製品、事務用品が同マイナス成長で推移した結果、引き続きの市場縮小となった。

一方、趣味領域や自己表現するための道具としての文具・事務用品の需要は堅調である。また、長期化する原材料費やエネルギーコストなど諸経費の上昇によって、文具・事務用品メーカーの多くが売価の上方改定を実施しており、これが当該市場の底上げに寄与している。

長期化するオフィス需要の停滞を受けて、文具・事務用品メーカーの多くは個人消費に対応したパーソナルユースの商品展開により重きを置く傾向を強めている。

パーソナルユースの商品は、多様化するユーザーニーズに対応した商品の開発・提案が活発化しており、消費者側も機能を評価すれば比較的高価格帯の商品でも受け入れられる環境が醸成されている。特にシャープペンシルはこの傾向が強く、売価数千円台の高機能・付加価値型の商品がメインユーザーである中高生に人気を集めている。

また、アート&クラフトをはじめとする趣味的な需要や自己表現をするための道具としての文具・事務用品の需要は根強く、豊富な色数や独自の色調を有する筆記具のほか、日々の行動や体験を記録するライフログの需要に対応した手帳やノートなどが人気を集めている。

さらに、アイドルやキャラクターなど特定の対象を応援する“推し活”に対応した商品も、“推し活”グッズを収納する商品などをはじめとして多数投入され注目を集めるなど、文具・事務用品は「必需品」としての位置付けから「嗜好品」としての位置付けへシフトが進む傾向を強めている。

2025年度の国内文具・事務用品市場規模は、メーカー出荷金額ベースで前年度比0.4%減の3871億5500万円を予測する。分野別にみると前年度同様、筆記具は前年度比プラス成長を予測し、紙製品、事務用品は同マイナス成長、全体市場は微減推移を予測する。

文具・事務用品メーカーの多くは、国内市場では長期化するオフィス需要の停滞もあって、個人消費に対応したパーソナルユースの商品開発に重きを置く傾向をさらに強めている。また、中長期的に縮小が見込まれる国内文具・事務用品市場の縮小を補完すべく、成長余力の高い新興国を中⼼とした海外事業の強化に努めている。

[調査要綱]
調査期間:2025年10月~12月
調査対象:文具・事務用品関連事業者等
調査方法:同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mail等によるヒアリング、ならびに文献調査併用
[小売価格]16万5000円(税込) 

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp


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