- Home&Living2025/12/22 19:27
富士経済、温熱シート・パッドや殺虫剤・歯磨剤などの生活用品市場調査、2026年市場予測では温熱シート・パッドが70億円に

総合マーケティングビジネスの富士経済は、温熱機能による健康効果訴求で好調な温熱シート・パッド、パーソナル化需要を取り込んでいる歯磨剤、気候変動による害虫発生増加を受けて伸びている殺虫剤など生活用品の国内市場を調査した。その結果を「トイレタリー&ライフスタイルグッズマーケティング要覧 2025-2026」にまとめた。2026年国内市場予測(2024年比)では、ヘルスケア・フェムケア視点の展開で、温熱シート・パッドは堅調に推移し70億円(1.4%増)に達する見通しだ。口腔課題への関心が高まることで、高付加価値商品の需要が高まり、市場拡大が続く歯磨剤は1084億円(7.8%増)に達するものとみられる。
この調査では、ランドリー・ファブリックケア6品目、芳香・消臭剤2品目、ハウスホールド12品目、クッキング8品目、ヘルスケア3品目、殺虫剤・忌避剤3品目、除菌・ウイルス対策7品目、パーソナルケア6品目、ベビーケア3品目、シルバーケア2品目、フェムケア3品目、オーラルケア6品目、アロマケア2品目を対象に、生活用品市場の現状を明らかにし、将来を展望した。また、品目を横断する形で、シーズンアイテム、香り訴求アイテム、エチケットケアアイテム市場についても分析した。
2025年は年初に寒波が襲来し気温の低い日が続いたことから使い捨てカイロや温熱シート・パッドの販売が好調だった。また、温熱シート・パッドは、温熱機能によって健康維持やリラックス効果が得られることから日常的な需要を取り込み、市場拡大につながっている。
使い捨てカイロは温暖化の影響で購入のピーク期間が短くなっているため、今後縮小が続くと予想される。温熱シート・パッドは、健康意識やフェムケア意識の高まりを背景に、温熱機能による体の不調緩和を目的とした日常使用の増加で、堅実な伸びが予想される。フェムケア商品としては、ナプキン型商品も認知拡大とともに伸びている。

歯磨剤の2025年は、パーソナル化によって、効果効能を複合的に訴求する高付加価値商品の展開で単価が上昇している。また、「クリーンデンタル」(第一三共ヘルスケア)による塩味の強い味や「ピュオーラ 炭酸ハミガキ」(花王)による泡立ちの良さなど新奇性の高い商品が好調で、市場拡大につながっている。加えて、「EUTHYMOL」(銀座ステファニー化粧品)を始め、海外で話題となった商品を展開することでトレンドを先取りし、若年層の需要を取り込む動きもみられる。2026年の市場は、知覚過敏や歯周病といった加齢に伴う口腔課題への関心が高まることで、高付加価値商品の需要が高まり、市場拡大が続くとみられる。また、口臭や美白ケアに関心が高い若年層に向けた商品展開やコンテンツ発信も市場拡大に向けて重要な要素となるため、各社が力を入れている。

殺虫剤は、ハエ・蚊用、ゴキブリ用、ダニ・不快衛生害虫用に分けられる。近年は5月から11月頃まで気温が高い状況が続いており、害虫の発生頻度が増えているため、2025年の市場は前年比3.7%増が見込まれる。前年に発売された「ゴキッシュ スッ、スゴイ!」(アース製薬)や「シンカトリ」(大日本除虫菊)は積極的なプロモーションによって、若年層を含む幅広い年代の需要を獲得している。残暑の長期化による需要増加に伴い、メーカーと小売店が協同し、通年での定番商材化を進めている。2026年は、新商品発売による単価上昇によってハエ・蚊用の好調が予想される。また、2024年に西日本エリアで大量発生したカメムシ対策を機に、ダニ・不快衛生害虫用はドラッグストアやホームセンターなどで売り場が広がったことで好調が続くとみられ、市場は2024年比7.1%増の634億が予測される。

2025年のランドリー・ファブリックケア市場は、衣料用消臭スプレーや衣料用防虫剤が低迷する一方、合成洗剤(含洗濯助剤)が液体コンパクトやジェルボールといった高単価な剤型に移行しているほか、柔軟仕上剤も香り訴求を軸に単価上昇につなげたことで市場は拡大している。衛生意識の高まりで衣料用漂白剤も伸びている。2026年も、合成洗剤(含洗濯助剤)や衣料用漂白剤が市場拡大をけん引するとみられる。合成洗剤(含洗濯助剤)は、共働き世帯の増加による家事負担軽減を背景に、ジェルボールを始めとする計量不要な剤型の伸長が予想される。衣料用漂白剤は、衛生意識の向上に加え、常態的に11月頃まで気温が高い状況が続いており、汗などに対する消臭ニーズが高まっていることも伸びの要因である。
シルバーケアは、2025年は、大人用紙おむつや軽失禁ライナー・パッドのユーザー増加に加え、交換回数を減らせる高機能な高吸収パッドの伸長によって、市場拡大が予想される。高齢化の進行で引き続きユーザーが増加するため、2026年も市場拡大が続くとみられる。
フェムケアは、2025年は、生理用品において主要メーカーがショーツ型の新商品を発売し、SNSを通じて認知が広がって好調なほか、高付加価値商品であるオーガニックコットン素材を用いたパンティライナーが伸びており、市場は前年比4.5%増が見込まれる。フェムケアに対する意識の高まりから生理用品やデリケートゾーン用ボディケアでは、引き続き高付加価値商品の需要が増加しているため、2026年も市場拡大が予想される。
オーラルケアは、オーラルケア意識が向上している中、2025年は、歯磨剤や歯ブラシで高付加価値商品が好調であることから市場拡大をけん引している。洗口剤やデンタルフロス、歯間ブラシでは積極的なプロモーション施策を背景に、認知の広がりと使用習慣の定着によって大容量商品が好調である。マスク非着用が一般化したことや、高齢化の進行、歯科健診促進の動きを背景に、引き続き口臭ケア意識や健康・美容意識への関心は高く、2026年の市場は、洗口剤や市場規模の大きい歯磨剤を中心に伸びが予想される。
[調査方法]
富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]8月~10月
[小売価格]
書籍版:27万5000円
書籍/PDF版セット:30万8000円
書籍/PDF+データ版セット(全体編):33万円
ネットワークパッケージ版:55万円
(すべて税込)
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