矢野経済研究所、審美・矯正歯科市場に関する調査、2024年の市場規模は前年比103.2%の7697億円の見込

矢野経済研究所は、国内の審美・矯正歯科市場を調査し、施術別の動向、審美・矯正歯科・クリニックの実態、将来展望を明らかにした。その結果、2024年の審美・矯正歯科市場規模は前年比103.2%の7697億円の見込であることがわかった。矯正歯科は新型コロナウイルス禍を契機に急拡大、マウスピース矯正の興味・関心が進むとみられる。

2024年の審美・矯正歯科の市場規模は歯科医院自由診療収益ベースで、前年比103.2%の7697億円を見込む。内訳は、審美歯科市場が1697億円(前年比103.0%)、矯正歯科市場が6,000億円(同103.3%)である。

近年の自由診療領域における審美歯科市場(補綴(ほてつ)歯科、ホワイトニング、クリーニング)は、消費者の美容意識の高まり、技術革新による施術価値の向上、自由診療の需要拡大、ライフスタイルや社会的要因の変化を背景に、着実に伸長している。セラミックやホワイトニング技術の進化に加え、新型コロナウイルス禍を契機とした在宅勤務によるオンライン会議の増加によって、自身の口元や歯の見え方を意識する機会が増加したことが市場拡大を後押ししており、予防と美容を両立させたトータルケア(補綴(ほてつ)歯科、ホワイトニング、クリーニング)への需要も高まりを見せている。

矯正歯科は、新型コロナウイルス禍に伴うマスク着用の生活習慣の影響によって、長期間にわたり口元が覆われたことで、治療中であることが周囲に気づかれにくくなったことから、審美性を重視する層や、これまで関心はあったものの治療に踏み出せなかった潜在的な患者層を取り込めたとみられ、市場は拡大基調であった。現下、患者の審美志向は依然として高く、安定した需要を維持していることから、市場は成長基調にあると考える。

ホワイトニングは、口元の印象改善に対する関心の高まりを背景に、持続的な成長を示している。マスク着用機会の減少、オンライン会議やSNS利用の拡大によって、笑顔や歯の見た目への意識が向上し、歯科医院で行うオフィスホワイトニングと自宅で行うホームホワイトニングの双方で利用が増加している。

特にビジネスパーソンや若年層を中心に(参考文献:矢野経済研究所「審美歯科・矯正歯科に関する消費者アンケート調査を実施(2025年)」(2025年4月4日発表))、短期間で効果を実感しやすいオフィスホワイトニングへの需要が高まる一方、自宅で継続使用するホームホワイトニングも、自然な白さと長期的な維持が評価され、リピート需要が増加している。

審美歯科市場は、消費者の美容意識の持続、技術革新による施術価値の向上、予防と美容を統合したトータルケアサービスの拡大、さらには価格やサービスの多様化によって、安定的かつ持続的な成長が期待される。手軽に始められるホワイトニングや部分補綴(ほてつ)から、高額なセラミック治療まで幅広い需要が存在し、定期的な通院やセルフケアを組み合わせて、美しく健康な歯を維持するライフスタイルが拡がりをみせることで、市場の成長基盤は一段と強化される見込みである。

矯正歯科市場について、厚生労働省「医療施設(動態)調査」(出典:厚生労働省「令和5(2023)年医療施設(静態・動態)調査」)では、診療科目として矯正歯科を取り扱う施設数が拡大傾向を⽰していることから、今後も一定の需要が想定されるものとみる。

また同調査に関連し、2025年7月に実施した全国の審美歯科、矯正歯科医院向けの法人アンケート調査(59医療施設)では、矯正歯科における注力する治療としてマウスピース矯正を挙げる医療施設が多く、同アンケート調査結果から今後はマウスピース矯正を軸とした治療提案が進むと考える。

[調査要綱]
調査期間:2025年7月~11月
調査対象:歯科医院、その他関連企業、関連団体
調査方法:同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、アンケート調査、ならびに文献調査併用
[小売価格]19万8000円(税込)

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp


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