富士経済、ジェネリック医薬品市場調査、国内市場は2033年には2024年比51.0%増の2兆1614億円と予測

総合マーケティングビジネスの富士経済は、かねてから使用促進策が進められていたが、使用に関わるロードマップ等の改訂や、選定療養費制度の導入によって、先発品からの切り替えが加速しているジェネリック医薬品の国内市場を調査した。その結果を「変革期のジェネリック医薬品業界と注目企業事業戦略分析 2025」にまとめた。トピックスとして、ジェネリック医薬品の国内市場は、2033年には2024年比51.0%増の2兆1614億円と予測した。製品数増加や先発品からの切り替え促進、特にバイオシミラーが拡大をけん引するとみられる。

近い将来、政策としてバイオシミラーの使用が後押しされると予想される一方で、ジェネリック医薬品企業を多角的に分析・評価する企業指標評価の導入も進められている。

こうした中、この調査では、ジェネリック医薬品市場の現状と将来を展望した。疾患領域別には、自己免疫疾患とがんについて分析した。また、ジェネリック医薬品を展開する注目企業15社の事業戦略や今後の方向性をケーススタディしている。

ジェネリック医薬品の国内市場では、「安定供給の確保を基本として、後発医薬品を適切に使用していくためのロードマップ」の改訂や、「バイオ後続品の使用促進のための取組方針」の策定、2024年10月開始の選定療養費制度の導入などによって、先発品からの切り替えが加速しており、2025年の市場は循環器系、中枢神経系、消化器系、内分泌・代謝系、がんなどの疾患領域を中心に拡大し、前年比4.9%増の1兆5020億円が見込まれる。今後もジェネリック医薬品の製品数増加や先発品からの切り替え促進によって、2033年には2024年比51.0%増の2兆1614億円が予測される。

特に、先発品の特許切れにより製品数が増加するバイオシミラーが伸長し、市場の拡大をけん引する。日本化薬、富士製薬工業、ニプロなどの先発品も展開している企業を中心にバイオシミラーの発売が続いている。バイオ後続品使用体制加算の新設など、厚生労働省の使用促進に向けた取り組みを背景に、製薬企業間の連携が進んでおり、開発・製造などにおいての新規提携が活発に行われている。

がん領域におけるジェネリック医薬品では、2025年の市場は、2024年比8.8%増の1677億円が見込まれる。

新薬の投入が活発に行われているものの、がん領域の医療用医薬品市場におけるジェネリック医薬品構成比は8%程度と他領域と比較して低い。

オーソライズドジェネリックは、「ダサチニブ「BMSH」」や「レナリドミドカプセル「BMSH」」(いずれもブリストル マイヤーズ スクイブ)などが急伸しており、その他ジェネリックでも先発品からの切り替えが進んでいる。バイオシミラーは、抗がん剤のリツキシマブBSの薬価引き下げや、品目の追加が乏しいことがマイナス要因となっているが、2023年11月に発売されたがん関連用剤のペグフィルグラスチムBSの伸びが拡大をけん引している。

今後は、「キイトルーダ」(MSD)や「オプジーボ」(小野薬品工業)といった大型品の特許が2031年頃に切れるとみられることから、両製剤のバイオシミラー発売により市場は急拡大すると予想される。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]2025年8月~9月
[小売価格]
PDF版:33万円
ネットワークパッケージ版:49万5000円
(すべて税込)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp


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