矢野経済研究所、レディス・メンズのインナーウェア小売市場に関する調査、2022年はレディスが5535億円・メンズが2290億円に

矢野経済研究所は、国内のレディスインナーウェア、メンズインナーウェア小売市場を調査し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。2022年のインナーウェア小売市場規模はレディスで前年比99.2%の5535億円、メンズで同99.6%の2290億円に達した。レディス、メンズともに微減となり、依然厳しい状況は続く。

2022年のレディスインナーウェア小売市場規模(小売金額ベース)は、前年比99.2%の5535億円とマイナスへ転じた。2022年は例年通り業界をけん引するような流行の商品こそないものの、ノンワイヤー(ワイヤレス)ブラの商品の売れ行きが安定している。開放系、ゆったり、楽ちんと謳った商品のバリエーションの拡充や快適さを備えたインナーの強化、無縫製肌着の展開などが市場トレンドとなっている。この背景には着用時の締め付けを回避したいというユーザーの傾向や、ノンワイヤーでも従来のワイヤー付き製品と同様の機能性をもつ製品が各社から展開されていることが挙げられる。ただし、ワイヤーほどの締め付けではないが、ノンワイヤーに比べてやや締め付けがあるタイプも増えており、外出機会が増えたことから自身の見た目に対する意識がコロナ禍以前に戻りつつあるものと考える。

2022年のメンズインナーウェア小売市場規模(小売金額ベース)は、前年比99.6%の2290億円とマイナスへ転じた。メンズインナーはレディスインナーに比べて商品バリエーションが少なく、新しく流行となる商品が生じ難い状況にある。そのため、当該市場は拡大が見込みづらい。

2022年のレッグウェア小売市場規模(小売金額ベース)は、前年比95.7%の5070億円となり、前年に比べて減少幅が大きくなった。この要因として、パンティストッキングの減少が大きく影響した。新型コロナウイルス感染症拡大による出社頻度の減少や、それに伴う在宅頻度の増加など、特に使用機会が減少したことが背景にある。また、婦人用ソックスはストッキングからの置き換わりもあり若干の増加ではあるが、パンティストッキング減少分の穴埋めまでに至っていない。

近年、フェムテック・フェムケア関連製品に関する取り組みがインナーウェア業界でも増加している。フェムテック(FemTech)とは、「Female(女性)」と「Technology(技術)」の組み合わせで作られた造語であり、テクノロジーで女性特有の健康問題を解決したり、女性のQOL(生活の質)向上を目指すアプリやデバイス、製品等を指す。また、女性のQOL向上を目指し展開する製品をフェムケア(Femcare)製品と呼ぶ場合もある。

インナーウェアやレッグウェアにおけるフェムテック・フェムケア関連製品としては、吸水ショーツ・ナイトブラ・マタニティウェアなどが挙げられ、市場でも多くみられるようになってきている。

2023年のレディスインナーウェア小売市場規模(小売金額ベース)は、前年比100.1%の5540億円と予測する。2023年はさらなる人流の回復が見込まれるが、為替の変動、原材料の高騰、人材確保難などの影響から、ほぼ横ばいで推移すると予測する。

2023年のメンズインナーウェア小売市場規模(小売金額ベース)は、前年比100.4%の2300億円と、ほぼ横ばいと予測する。メンズインナーはレディスインナーと比べ、機能やデザインでの訴求ポイントが少なく、付加価値のある製品の提案が難しい。価格相応、もしくはそれ以上の価値があると消費者に判断されるような付加価値を見出す必要性は高い。また、近年フェムテック・フェムケア関連市場が拡大しているが、男性用尿漏れ対策インナーなど、メイルテック市場も今後注目が集まる可能性もある。

[調査要綱]
調査期間︓7月~9月
調査対象︓インナーウェア・レッグウェア市場に参入している製造業、卸売業、小売業、その他関連企業
調査方法︓同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・FAXによる取材調査、郵送アンケート調査ならびに文献調査併用
[小売価格]16万5000円(税込)

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp/


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