- Fashion&Style2025/10/17 10:10
アンドエスティ、プラットフォーマーへと進化する「and ST」の新たなビジョンを発表、新規出店する4社の取り組みも紹介

後列左から:ICL アフタヌーンティー・リビング Div. ECディレクターの岡本昌和氏、ジュン 専務取締役 上席執行役員の渡辺明利氏、ユナイテッドアローズ OMO本部 本部長の岩井一紘氏、ニューバランスジャパン 常務取締役 営業本部長の江川英孝氏
アンドエスティHDのグループ会社であるアンドエスティは、同社の新たなビジョンを発表する「『and ST』VISION CONFERENCE 2025」を10月15日に開催した。カンファレンスでは、今年9月にHD化したグループ全体の戦略や、プラットフォーマーとして進化するWEBストア「and ST」の新たなビジョン、今後の展開などについて説明した。また、新たに「and ST」に参画するニューバランスジャパン、ユナイテッドアローズ、ジュン、ICLの担当者をゲストに迎え、各社の取り組みを紹介するトークセッションが行われた。

「当社グループは『Play Fashion!』をミッションとし、ファッションを通じて人々のライフスタイルを彩る事業展開を進めている。今年2月期の売上高は2931億円となり、国内アパレル業界では第3位となっている。また、中国、香港、台湾、フィリピンなど海外にも店舗展開している」と、アンドエスティHD 代表取締役社長 兼 アンドエスティ 代表取締役社長CEOの木村治氏が挨拶。「1953年の創業以来、いつの時代も人々の生活を豊かにし、ワクワクを提供し続けていくために、過去4回ビジネスモデルをチェンジさせながら成長してきた。そして今年9月、これまでの『マルチブランド×SPA(製造小売業)』から『Play Fashion!プラットフォーマー』へとビジネスモデルを変革するべく、社名を『アダストリア』から『アンドエスティHD』に変更。アンドエスティHDがグループ全体の運営を行い、マルチカンパニー体制のビジネスを推進していく」と、5回目のビジネスモデルチェンジに挑戦すると訴える。
「Play Fashion!プラットフォーマーの中核を担うWEBストア『and ST』は、9月末時点で会員数が2070万人を突破。ファッション、ライフスタイル、ビューティ、フードなど幅広いカテゴリの商品を取り扱っている。また、プラットフォーム事業のオープン化にともない、グループ外ブランドの出店も拡大しており、商品販売だけでなくプロデュースやモノづくり、ソリューション提供へと取り組みを広げてきた。そして今回、次のステージに向けたビジョンとして『ファッション業界をコネクトする 競争を超えて、共創する未来へ』を掲げ、業界内外のブランドをつなげ、新しい共創モデルを実現していく」と、「and ST」の新たなビジョンを発表。「グループ外ブランドとの連携では、9月24日にニューバランスジャパンの『new balance』が出店。10月15日にはユナイテッドアローズが展開する『BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS』が新規オープンしている。さらに、10月22日にICLの運営する『Afternoon Tea LIVING』、10月29日にはジュンの展開する『ADAM ET ROPE』『SALON adam et rope』『ROPE PICNIC』『VIS』『EPOR』が販売を開始する予定で、これからも共創の取り組みを広げていく」と、Play Fashion!プラットフォーマーに新規参画するブランドを紹介した。

続いて、アンドエスティ 取締役COOの櫻井裕也氏が、同社の事業状況について説明した。「当社では、2030年に流通総額1000億円の達成を目標としている。これに向けて、2025年上期の流通総額は、前期比115%の223億円と順調に推移。グループ外ブランドの販売比率も、前期の3%から9.4%まで伸長した。『and ST』の会員数は、前期末から半年で約100万人増加し2070万人を突破しており、2100万人到達が見えてきている。また、アクティブ会員数も760万人と、着実にプラットフォームの規模が拡大している」と、順調にビジネスが推移しているとアピールした。

次に、同社 取締役CBOの小林千晃氏が、4月24日に原宿駅前にオープンしたフラッグシップストア「and ST TOKYO」の状況について紹介した。「『and ST TOKYO』は、年間100万人の集客を目標としているが、実際にオープンすると計画以上の集客があり、半期ですでに約55万人を突破している。同店では、多種多様な企業のポップアップスペースの展開やグループ社ブランド商品の販売、映画とのコラボ展開など、多角的な協業プロモーションを実施し、ファッションとライフスタイルをつなげることで新たな顧客層を開拓してきた。今後も『and ST TOKYO』に集う企業・ブランドをさらに拡大し、今までにない体験を届けていきたい」と、今後の展開にも注目してほしいと話していた。

同社 取締役CSOの田淵淳也氏は、ユーザーサービスの取り組みについて言及。「9月から、and STポイントとdポイントに、新たに楽天ポイントを加えたトリプルポイントを開始したが、約1ヵ月で楽天ポイントとの連携は約55万件に達し、予想以上の速さで利用者が拡大している。また、10月27日からは『みんなの銀行』and ST支店をオープンし、口座開設を開始する。ECでの口座決済機能は来春をめどに実装する予定となっている。さらに、自社クレジットカード『and ST CARD』を12月1日から発行・利用開始する。同カードでは、and STグループ店舗での利用で2%、その他店舗の利用で1%のポイントを付与する。この他に、『and ST』アプリ自体もアップデートし、単なる『買い場』から、毎日訪れたい場所へと進化させていく」と、年末に向けてユーザーサービスやプロモーション展開をさらに強化していく考えを示した。

ここで、「and ST」のPlay Fashion!プラットフォーマーに新規参画するニューバランスジャパン、ユナイテッドアローズ、ジュン、ICLの担当者をゲストに迎えたトークセッションが行われ、「and ST」に出店する狙いやブランド展開、プラットフォーマーとしての期待などを語ってもらった。

ニューバランスジャパン 常務取締役 営業本部長の江川英孝氏は、「当社では、スポーツだけでなくライフスタイルを融合したファッションシーンを創造し、展開を拡大していきたいと考えている。その際に、今回の『and ST』との取り組みが大きな追い風になると期待している」と、実際に「new balance」とand STグループのファッションを組み合わせたミックスコーディネイトを披露。

「and STグループが次のステージに向けて掲げる『競争を超えて、共創する未来へ』というビジョンは、当社にとっても非常に響く言葉になっている。Play Fashion!プラットフォーマーとしての連携を強化していく一方で、今後もお互いに切磋琢磨しながら成長していきたい」と、業界でのさらなる成長に意欲を見せていた。

ユナイテッドアローズ OMO本部 本部長の岩井一紘氏は、「『and ST』に出店するにあたっては、社内で喧々諤々の議論があった。その中で、競合である『and ST』と連携することで消費者に新しい価値や感動が提供できるのではないかと考え、チャレンジすることにした。『and ST』との取り組みでは、WEBストアだけでなく、リアル店舗にも積極的に出店していきたい。and STグループが持つ1400以上のリアル店舗を活用し、『BEAUTY&YOUTH』ブランドを提案できることには大きな可能性を感じている」と、競合企業との連携を決断した背景を説明。「今回、『and ST』にオープンしたWEBストアでは、豊富な商品ラインアップを揃えているだけでなく、STAFF BOARDから『BEAUTY&YOUTH』のスタッフスタイリングをチェックすることもできるので、ぜひ活用してほしい」と、「and ST」上にオープンしたWEBストアをアピールした。

ジュン 専務取締役 上席執行役員の渡辺明利氏は、「多くの消費者と接点をつくり、様々なブランドとファッションの力で世の中をワクワクさせ、前向きにしたいという『and ST』の想いに共感し、出店を決めた。当社のブランドは、キレイめ系のフレンチカジュアルが中心だが、and STグループのカジュアルファッションと組み合わせることで相乗効果が発揮できると期待している」と、ブランド連携する狙いを語る。「今後は、『and ST』の会員データも活用しながら、ユーザーがもっとワクワクするような商品を開発していきたい。また、『and ST』に集まった様々な企業が、ブランドの枠を超えてコラボし、新しいプロモーションやイベントが実現できたら面白いと感じている」と、今までにないブランド同士のコラボ展開の広がりを楽しみにしていた。

ICL アフタヌーンティー・リビング Div. ECディレクターの岡本昌和氏は、「当社では、『and ST』に出店することで、『Afternoon Tea LIVING』ブランドの世界観をより多くの消費者に届けられると確信している。『and ST』は会員数だけでなく、アクティブ会員数も非常に多く、スタッフのブランドに対する姿勢や熱意が利用者にしっかり伝わっていることに感銘を受けている」と、質の高い会員に「Afternoon Tea LIVING」ブランドを提案できることに魅力を感じているという。「『and ST』には、価格競争ではなく、ファッションの新しい価値を届けるプラットフォームとして、消費者とブランドをつないでいく存在であり続けてほしいと考えている。ブランドが持っている世界観や想い、そして背景にあるストーリーを丁寧に伝えることで、消費者との深い信頼が生まれると確信している」と、Play Fashion!プラットフォーマーとしての「and ST」の役割に大きな期待を寄せていた。
アンドエスティHD=https://www.andst-hd.co.jp/
アンドエスティ=https://www.dot-st.com/
ユナイテッドアローズ=https://www.united-arrows.co.jp/
ニューバランスジャパン=https://shop.newbalance.jp/
ジュン=https://www.jun.co.jp/
ICL=https://icl-inc.co.jp/
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