矢野経済研究所、飲料市場に関する調査、2024年度の飲料市場は4年連続で拡大が続く、猛暑・備蓄需要が拡大に寄与

矢野経済研究所は、国内の飲料市場を調査し、飲料カテゴリー別の動向、流通ルート別動向、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。2024年度の飲料市場は4年連続で拡大が続いた。猛暑・備蓄需要が拡大に寄与した。また、度重なる製品価格改定で飲料市場構造に変化の波もみられた。

2024年度の飲料市場規模は、メーカー出荷金額ベースで前年度比102.3%の5兆2800億円と拡大し、猛暑・備蓄需要が寄与したことで4年度連続の成長となった。

ただし、販売数量は前年度並みで推移しており、実質的な市場成長とはいい難い状況である。市場拡大の背景には製品価格の上昇が大きく寄与しており、構造的な需要の増加とは切り離して評価する必要がある。

消費者の節約志向は継続しているものの、段階的な価格上昇を経て価格慣れが進んでおり、再値上げ時にも大幅な需要減少は見られなかったことで、販売数量は前年度水準を概ね維持した。ただし、各飲料カテゴリーの金額ベースの成長の多くは価格改定に起因しており、数量ベースでの実需要の拡大には限界が見え始めている。

2024年度の飲料市場をカテゴリー別にみると、記録的猛暑により止渇需要が高まり、ミネラルウォーター市場が金額・数量ベースともに伸長した。PB(プライベートブランド)商品は価格訴求で存在感を強めた一方、NB(ナショナルブランド)商品もブランド力や新商品投入によって堅調に推移し、例えばサントリー「天然水」では1Lサイズの製品が新たな需要層を獲得した。

各種茶系飲料市場も底堅く、日本茶では各社の主力ブランドである「伊右衛門」「綾鷹」「生茶」が大幅刷新を実施し、市場活性化に寄与した。また、「お~いお茶」は著名選手の起用によって注目を集めた。茶系飲料では、無糖・健康志向の定着と「濃い系」商品の拡大が継続的な需要を支えている。

コロナ禍後の消費回復を背景に、飲料市場は金額ベースでの成長を継続しているものの、数量ベースでの実需要の拡大には限界が見え始めており、主要飲料メーカー各社の2025年度の販売計画は慎重な姿勢が顕著となっている。各社が価格改定を計画していることから、さらなる需要抑制要因として作用する可能性もある。

そのようなことから、価格改定の影響で販売数量が減少する可能性がある一方、単価再上昇によって2025年度の飲料市場規模は前年度比101.3%の5兆3500億円になると予測する。猛暑による販売押上効果は限定的にとどまるものと見込む。

[調査要綱]
調査期間︓2025年5月~7月
調査対象︓飲料メーカー、販売企業等
調査方法︓同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話取材、アンケート調査、ならびに文献調査併用
[小売価格]19万8000円(税込) 

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp


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