ヨーグルト1パックで健康・節約・時短を叶える「ワンパック調理法」とは? ホエイを使った炊飯術でおいしさも栄養もアップ

今年、米の価格が過去最高となり、政府は対策として3月から備蓄米の市場放出を開始した。しかし、情報不足や流通の偏りによって入手できない人が続出し、“備蓄米難民”の問題も浮上している。そこで今回、ヨーグルト1パックを使って、米を美味しく炊きながら健康・節約・時短を叶える調理法を、乳和食の開発者であり、管理栄養士の小山浩子先生に聞いた。

管理栄養士の小山浩子先生

小山先生が提案するのは、ヨーグルトから出る“ホエイ(乳清)”を使った炊飯術。「水の代わりにホエイを加えるだけで、古くなったお米もふっくら、甘みのある仕上がりになる。しかも、ホエイにはカルシウムやビタミンB群など、成長期にうれしい栄養もたっぷり含まれている。そして、ホエイをしぼった後の水切りヨーグルトは、『おかず』として大活躍する。さらに夏休みを迎えるこの時期、『ヨーグルト1パックでつくる=栄養満点の“わんぱく飯”』として、子どもと過ごす毎日の食卓にもぴったり。ホエイもヨーグルトも、まるごと“ワンパック”を使い切る。家庭でできる小さな工夫で、『美味しさ』と『栄養』をプラスする、新しい食習慣。ムダなく、おいしく、賢く。“ヨーグルトのある夏休み食卓”をはじめてみてほしい」と、ヨーグルト1パックを使った「ワンパック調理法」で、栄養満点の「わんぱく飯」をつくることができるという。

この調理法による“3得ワザ”(健康・節約・時短)のポイントとしては、健康面では、米の甘味・旨味をアップすると共に、栄養(カルシウム・ビタミンB群・リジン)を補給できる。節約では、 肉・魚・調味料を減らせて、食費と塩分をカットできる。時短では、調理が簡単で、手間も時間もかからず継続できるとのこと。

水だけで米を炊くよりも「ヨーグルトホエイ」で炊くのがおすすめな理由について、小山先生は、「お米は水がないと炊けず、主成分は炭水化物(約8割)で、カルシウムはほとんど摂れない。栄養を補うにはおかずを増やす方法もあるが、手間やコストの面で継続は難しいのが現実。そこでおすすめなのが、『ヨーグルトホエイで米を炊き、できた水切りヨーグルトで一品料理を作る』というワンパック調理法。ホエイは水の代わりに全量でも半量でも使え、失敗もない。炊きあがりは新米のように輝き、甘味・旨味・コクが増し、冷めてもおいしさが持続する」と説明した。

「ヨーグルトは低GI食品で、お米とホエイを一緒に摂ることで血糖値の急上昇を抑え、カルシウムやビタミンB群も補える。また、お米には必須アミノ酸のひとつ『リジン』が不足しているが、ヨーグルトにはこのリジンが豊富に含まれており、不足を補うことができる。水切りヨーグルトはたんぱく質が豊富で、肉や魚の量を減らしても栄養価を保て、減塩にもつながる。ヨーグルトをそのまま食べるだけでなく、ほんのひと手間の新習慣を試してみてほしい」と、米とヨーグルトを掛け合わせることで、おいしさも栄養もアップすると教えてくれた。

食べるヨーグルト寿司

それでは、小山先生が考案したワンパック調理法のレシピから「食べるヨーグルト寿司」、「炊き込み豆腐とキムチのとろとろ中華風ヨーグルトのっけ丼」、「水切りヨーグルトでポークジンジャー」の3品を紹介しよう。「食べるヨーグルト寿司」のポイントは、カルシウム豊富なホエイごはんを、酢飯にすることで吸収率がアップ。また、ヨーグルト効果でごまのカルシウム吸収もアップするという。水切りヨーグルトを加えれば、刺身なしでもたんぱく質が補える。ホエイ酢飯は手巻き寿司、ちらし寿司にもおすすめだとか。

材料(2名分)は、米 2合、ホエイ 1パック分(約200ml)、すし酢 大さじ3~4、白ごま 大さじ2、ポン酢しょうゆ 大さじ1、水切りヨーグルト 1パック分(約150g)、缶詰とうもろこし 大さじ8、カニ風味かまぼこ 12本、きゅうり(縦8等分)1本、板のり 4枚。作り方は、(1)明治ブルガリアヨーグルト1パック(400g)を約8時間水切りする、(2)炊飯器に洗った米、ホエイを入れ、2合の目盛りまで水を加えて炊く、(3)すし酢を混ぜて酢飯にし、白ごまはポン酢しょうゆに漬けて5分ほどおき、電子レンジ(600W)で1分~1分20秒加熱する、(4)のりを縦におき、酢飯の1/4量を広げる、(5)具はすべて1/4に分け、手前からかにかま、とうもろこし、きゅうり1本を並べ、トウモロコシの上にヨーグルトをスプーンでのせごまをふる。上に残りのきゅうりをのせ、具材を芯にして手前からしっかり巻く。残りの3本も同様に作る、(6)1本を8等分に切り、お皿に盛る。

炊き込み豆腐とキムチのとろとろ中華風ヨーグルトのっけ丼

「炊き込み豆腐とキムチのとろとろ中華風ヨーグルトのっけ丼」のポイントは、豆腐でかさ増ししたホエイごはんは、たんぱく質が豊富でダイエット中にもおすすめ。ヨーグルト×キムチの発酵食品コンビで腸活効果も期待できる。ごま油をかければ風味が増し、脂溶性ビタミンの吸収もアップするとのこと。

材料(4名分)は、米 1.5合、ホエイ 1パック分(約180ml)、絹ごし豆腐 450g、水切りヨーグルト 1パック分(約200g)、鶏ガラスープの素 小さじ1(好みで調整)、キムチ 200g、ゴマ油 適量、細ねぎ(小口切り)2~3本、白ごま 適量。作り方は、(1)明治ブルガリアヨーグルト1パック(400g)を約6時間かけて水切りする、(2)炊飯器に洗った米、ホエイを入れ、1.5合の目盛りまで水を加え、その上に豆腐をのせて普通に炊く、(3)水切りヨーグルトと鶏ガラスープの素を混ぜ合わせおく(A)、(4)丼にご飯と豆腐を盛り、キムチをのせ(A)を盛る、(5)ごま油とごまをかけ、ねぎを散らす。なお、炊飯器はできれば5合炊きを使用。3合炊きで炊く場合、豆腐は半量だけ入れて炊き、残りは蒸らしの時に加える。

水切りヨーグルトでポークジンジャー

「水切りヨーグルトでポークジンジャー」は、豚肉×ヨーグルトで体力・代謝アップ&水溶性ビタミン補給にも効果的なレシピとのこと。味付けは焼肉のたれだけでOK。豚肉にしっかり焦げ目をつけると、ヨーグルトだれがよく絡む。

材料(4名分)は、米 2合、ホエイ 1パック分(約180ml)、豚バラ薄切り 400g(赤身多めがおすすめ)、ショウガ(千切り)大2片、玉ねぎ(縦5mmスライス)大1個、水切りヨーグルト 1パック分(約200g)、焼肉のたれ(甘口)大さじ6、白ごま 適量。作り方は、(1)明治ブルガリアヨーグルト1パック(400g)を約6時間水切りをする、(2)炊飯器に洗った米、ホエイを入れ、2合の目盛りまで水を加えて炊く、(3)水切りヨーグルトに焼き肉のたれを混ぜておく(A)、(4)豚肉を両面焼き、取り出す。豚の脂でショウガと玉ねぎを炒め、豚肉を戻して(A)を加え、タレが透き通るまで炒める、(5)仕上げにごまをふり、好みで野菜を添えれば出来上がり。


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