- Drink&Food2025/08/01 16:05
富士経済、13カテゴリー118業態の外食産業の国内市場を分析、2025年に35兆7116億円を見込み2019年の規模まで近づく

総合マーケティングビジネスの富士経済は、2025年2月から2回にわたり調査を行った13カテゴリー118業態の外食産業の国内市場を総合的に分析した。その結果を「外食産業マーケティング便覧 2025 総市場分析編」にまとめた。その結果、外食産業の国内市場は2025年に35兆7116億円を見込み、2019年の規模まで近づき、2026年には上回ると予測した。
この調査では、時間帯や客単価、食材別の市場、主要カテゴリーにおけるフード・ソフトドリンク・アルコール比率などを明らかにしたほか、インバウンド需要の動向、テイクアウトやデリバリーなど提供形態、エリア分析なども行った。また、小規模チェーンも含め外食産業約1500社の企業リストを収載した。
なお、「同No.1」「同No.2」で実施した13カテゴリー118業態の調査結果の概要については5月と7月に発表した。
2020年、2021年は、新型コロナウイルス感染症の流行によって営業時間の短縮や臨時休業、アルコール提供の自粛などが行われたことで、市場が大きく縮小した。
2022年は人流が前年に比べ増加したことによって、イートインが回復に向かい全体としても前年比二桁増となった。2023年も引き続きイートインが好調だったほか、原材料費など物価高騰によってメニュー価格の改定が行われ客単価が上昇したことや、日本料理のメニュー(ラーメンやすし、うなぎなど)を中心に、2024年にかけて増加したインバウンド需要を受けて好調だったことから、2023年、2024年と市場拡大が続いた。
2025年は、ホームデリバリーがコロナ禍で大きく伸びた反動から減少しているほか、全体でも生活様式の変容によって、ディナータイム(特に深夜帯)の客足は戻っていないという側面もみられる。しかし、参入各社はアイドルタイムの需要開拓を進めており、ファストフード店のハンバーガー店やドーナツ店、喫茶のコーヒーショップ、宿泊宴会場のホテルなどが好調である。また、大阪・関西万博の開催によってインバウンド需要が引き続き高く、市場は2024年比3.5%増の35兆7116億円が見込まれる。
今後も市場は拡大が続き、2026年には2019年の規模を上回るとみられるが、徐々に伸びの鈍化が予想される。
原材料費など物価高騰によって価格改定が行われているが、それに伴い付加価値メニューの提供や利用シーン開拓など、客単価上昇や客数増加につなげる動きがみられる。各業態で期間限定メニューの展開が活発なほか、デザートメニューやランチメニューなどフードメニューの拡充が進められ、これまでソフトドリンクやアルコールなど飲料の提供を主とする業態においてもフードの位置づけが高まっている。なお、2023年以降、アルコールを中心に需要回復が進んでいる業態も多く、特にアルコールの売上が主体である料飲店では宴会需要による客数増加が顕著である。また、2025年4月にはビールをはじめとしたアルコール類の値上げで、料飲店やファミリーレストランではアルコール比率が高まるとみられる。

ファストフード店では、フードメニューが90%以上を占める。一方で、客単価上昇や客数増加への取り組みとしてソフトドリンクを強化する大手牛丼チェーンやアイドルタイムの需要獲得を目的とするハンバーガー店などカフェ化を進める業態がみられるほか、ディナーの売上拡大への取り組みとしてラーメン店やセルフ式そば店でちょい飲み需要の獲得に力を入れている。
ファミリーレストランは、フードメニューが90%弱を占めているが、総合FRを筆頭にドリンクバーを展開するチェーンが多く、ソフトドリンクも堅調な需要がある。また、おつまみとなる一皿メニューを展開するチェーンなどもみられ、アルコールも底堅い需要があり、5%程度を占めるとみられる。
料飲店は、コロナ禍で激減した宴会需要の回復により客数増加が顕著で、アルコール需要の回復が進んでいることから、アルコール比率は60%弱を占める。一方、宴会の場でソフトドリンクが選択されることも増えており、居酒屋・炉端焼ではファミリー層や飲酒をしない人を含んだグループの来店頻度が増えている。そのためフードメニューの充実で利用シーンを広げる動きがみられるほか、ランチやテイクアウトメニューを強化する店舗もみられるなど、フードの位置付けは高まっている。
喫茶は、ソフトドリンク比率が高く、65%程を占める。しかし、出社率の回復からオフィス街を中心にランチ需要が増加していることもあり、フードメニューのラインアップ強化による客単価上昇や客数増加を図るチェーンが目立つことから、フード比率が高まっている。一方で、アルコールは取り扱う店舗が限られていることから、比率は僅かである。
[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]4月~5月
[小売価格]
書籍版:16万5000円
書籍/PDF版セット:19万8000円
書籍/PDF+データ版セット(全体編):22万円
ネットワークパッケージ版:33万円
(すべて税込)
富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp
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