富士経済、調味料・調味食品の国内市場調査、2023年市場予測では米油が265億円、めん用たれ・ソース(市販用)が48億円に

総合マーケティングビジネスの富士経済は、コロナ禍の内食化と健康志向の高まりに伴って、健康機能訴求や汎用性の高い商品などが伸びている調味料と、レトルトカレーやどんぶりの素などが好調の調味食品の、計2カテゴリー75品目の調査結果を「2023年 食品マーケティング便覧 No.5」にまとめた。トピックスとして、2023年市場予測(2022年見込比)では、健康志向の高まりを背景に市場が拡大し、特に市販用の伸びが大きい米油が265億円(7.3%増)を見込む。めんつゆや白だしなどに対して、食べ応えのある具入り商品で差別化を図るめん用たれ・ソース(市販用)が48億円(4.3%増)に達する見通しだ。

食用油の2022年の市場は、大豆油や菜種油などの汎用油を中心とした価格改定の影響で前年比20.0%以上の拡大が見込まれる。特に、市場の7割を占める業務・加工用は外食業態の回復で販売額と販売量ともに前年を上回っている。一方、市販用は外出増加に伴う需要減や買い控えによって販売量が縮小している。

食用油は調理に欠かせないことから今後も安定した需要が予想されるが、価格が高止まりした場合、家庭での油料理の頻度減少や業務・加工用での使用量が削減される懸念がある。米油やごま油については、健康性や汎用性の高さから注目が集まっており、需要が増加するとみられる。

米油は、2022年は業務用が外食市場の回復で伸びているほか、市販用は健康志向の高まりによって前年比2割以上伸びるとみられる。

特に、ビタミンEや植物コレステロールなどの栄養素を含んでいる点が注目されており、2023年も伸びが続き、市場は前年比7.3%増が予測される。今後は、健康志向に加えて、食料自給率や安全安心の観点から国産原料使用への関心も高まっていくとみられ、引き続き市場は拡大するとみられる。

めん用たれ・ソース(市販用)は、うどんやそうめん、冷や麦などに“かける”“あえる”タイプの希釈しない市販用めん専用たれ・ソースのうち、個食または使い切りタイプのドライ商品のみを対象とする。加熱調理工程が必要なものは除外する。

2010年に丸美屋食品工業が「かけうま麺用ソース」を、2011年にヤマキが「讃岐風釜玉うどんつゆ」を発売したことで市場が形成され、2015年頃から新規参入が増えたことにより拡大が続いた。コロナ禍で、在宅の昼食時に簡単なうどんメニューを選択するケースが増えたことなどから伸長している。

2022年は、引き続き内食需要が底堅く、参入メーカーによる積極的な商品展開や販促施策によって店頭露出が増えていることから、市場は前年比4.5%増が見込まれる。

今後も、冷凍うどんの需要は続くとみられ、めんつゆや白だしなどの関連商品との差別化が、ジャージャーめんや肉みそめんなど食べ応えのある具入り商品により図られているため、2023年の市場は2022年見込比4.3%増が予測される。

つゆの素は、2022年は猛暑の影響で市販用のめんつゆの需要が高かったことや、業務用の需要回復によって、市場は拡大するとみられる。

新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の流行以前は少なかった外食チェーンのテイクアウトめんメニューが、大手うどんチェーンを中心に増加しているため添付調味料として伸びている。今後もうどんやそばのテイクアウトは一定の需要が予想される。また、市販用では減塩や砂糖不使用といった健康価値訴求を行った商品が発売され、伸びが期待されることから、2023年の市場は拡大が予想される。

白だしは、コロナ禍に家庭での調理頻度が増加したことでトライアルユーザーを獲得し、汎用性の高さから家庭でストックされるようになったため伸長している。2022年は市販用の伸長に加え、業務用でも汎用性の高さからうどんつゆからのシフトなどがみられ、需要が高まっている。また、CVS総菜での新規採用が増えており、市場は前年比3.7%増が見込まれる。

市販用と業務用ともに、汎用性の高さによる安定した伸びは続くとみられるほか、白だしメーカーがおでんや唐揚げ、炊き込みご飯など白だしを使ったレシピ提案を強化しており、2023年の市場は拡大が予想される。

レトルトカレーの2022年の市場は、業務用はカフェ・喫茶など主力業態での需要回復で伸びている。また、市場の8割を占める市販用が新型コロナ流行以前から続いている簡便性ニーズの取り込みや価格改定の影響によって伸長するとみられる。

2023年の市場は前年比2.1%増が予測される。単身世帯の増加や1世帯当たりの人数の減少、共働きの増加などで需要増加が予想される。また、参入メーカーが、商品のリニューアル時にパッケージを電子レンジ加熱対応に変更するなど利便性向上に努めていることも追い風となるとみられる。業務用は、外食店での人手不足を背景に、簡便性の観点から採用が増えるとみられ、今後も市場拡大が予想される。

調味料は、2022年は価格改定の影響を受けて、多くの品目で販売量の減少が予想される。しかし、コロナ禍での内食化の進行と健康志向の高まりを背景に、内臓脂肪を減らす効果や悪玉コレステロール値の低下、減塩など健康機能を訴求した商品は好調である。白だしやガラスープ、だしパックなど様々な料理へ使用できる汎用性の高い商品も伸長している。加えて、めん用たれ・ソース(市販用)も、冷凍めん市場とともに伸びており、市場拡大に貢献している。

2023年の市場は引き続き、健康訴求や汎用性の高い商品の伸びが予想され、前年比2.7%増が予測される。

調味食品は、2022年は値上げの影響を受けて多くの品目で販売量が減少している。一方、レトルトカレーやチルドメニュー専用調理済食品(市販用)など販売額と販売量ともに好調な品目もみられ、市場は2021年比1.4%増が見込まれる。

コロナ禍での調理頻度増加による調理疲れを背景に、今後は簡便性の高い冷凍調理済食品等への需要流出などが懸念される。一方で、レンジアップ対応などで簡便ニーズを獲得する商品は好調なことなどから、2023年の市場は微増が予想される。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]2022年10月~12月
[小売価格]
書籍版:11万円
書籍/PDF+データ版セット:15万4000円
ネットワークパッケージ版:22万円
(すべて税込)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


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