「FOOD LOSS RESTAURANT HIROSHIMA」を広島市中工場で開催、食品ロスを美食に変えるをテーマにしたオリジナルコースメニューを提供

「FOOD LOSS RESTAURANT HIROSHIMA」の会場

フードロスレストランひろしまプロジェクトは、食品ロス問題への意識を高めることを目的として、広島ガス、フレスタなど地元の企業が中心となり、ごみ処理施設の広島市環境局中工場のエコリアムで、フードロス食材を活用したオリジナルメニューを提供する「FOOD LOSS RESTAURANT HIROSHIMA Supported by 広島ガス」を、10月1日に開催した。会場には、一般応募から選ばれた20代~70代の男女29名が参加し(参加費3000円/応募総数300名)、工夫をこらしたオリジナルメニューを、野外レストラン形式で提供した。

「FOOD LOSS RESTAURANT HIROSHIMA Supported」の提供メニュー

提供メニューは、広島のフードコーディネーター、管理栄養士、販路コーディネーター、コピーライターなどで構成されるリプロが中心となり、この季節に廃棄が多くなる食材を想定し開発。参加者は、提供された5品(4皿)ひとつひとつのメニューについて、素材やレシピの説明に耳を傾けながら、オリジナルメニューを味わった。開発されたレシピは、今後家庭などでも再現できる料理として、WEBサイトで順次公開していく予定。

広島市環境局中工場を見学する参加者

イベント当日は、レストラン開催の前に、まず今回の会場となった広島市環境局中工場内を視察。最新の技術を導入した清掃工場で、展望ブリッジや、ごみピットなどを見学した。その後、参加者は、会場となる中工場2階のガラスで囲われた通路「アクアリウム」に移動し、そこに特別に設営された1日限定レストラン「FOOD LOSS RESTAURANT HIROSHIMA supported by 広島ガス」で、フードロス食材で考案されたオリジナルメニューを堪能した。

左から:「未利用魚のお好み焼きProduced by ZACO project」、「端っこ野菜と豆腐のカラフル焼き ジェノバソースのせ」

今回のメニューは、広島で活動するリプロのフードコーディネーター・烏田いづみ氏が中心となって考案。まず提供されたのは、オードブルの2品。廃棄されがちな魚である(クロダイ/チヌ)を使った「未利用魚のお好み焼きProduced by ZACO project」と、家庭廃棄で多いといわれている豆腐といろいろな野菜をフードプロセッサーで細かくした「端っこ野菜と豆腐のカラフル焼き ジェノバソースのせ」が提供された。

「鯛のあら&丸ごとエビ出汁の根菜ともち麦入スープ」

続いて提供されたのは「鯛のあら&丸ごとエビ出汁の根菜ともち麦入スープ」。タイのあらとエビの頭を殻ごと使って出汁をとり、残り野菜ともち麦を加え、食材を余すことなく活用した一品とのこと。

「色々お肉の鶏むねロール 彩り野菜添え」

メインは、牛肉や豚肉などの残った肉にバターと香辛料を加え、フードプロセッサー等で撹拌しパンに塗ったりできるリエットに仕上げたものを鳥のむね肉にロールし、蒸し焼きにした「色々お肉の鶏むねロール 彩り野菜添え」。

「バナナと米粉のパウンドケーキ 梨のコンポート添え」

最後に、家庭廃棄で多いといわれる果物類を使用した「バナナと米粉のパウンドケーキ 梨のコンポート添え」を提供。今回は、バナナと米粉を使った焼き菓子とコンポートした梨と合わせたデザートに仕上げた。

「FOOD LOSS RESTAURANT HIROSHIMA」の様子

参加者は、それぞれのメニューの食品ロスに関するコンセプトの説明耳を傾けながら、頷いたり、驚きながら、最後までメニューを味わっていた。

「FOOD LOSS RESTAURANT HIROSHIMA」の様子

参加者からは、「家庭では夫婦交代で料理を作るのだが、それぞれが買い物をするので、冷蔵庫にはよく食品が余っている。食材をうまく活用する、上手に買い物をするなど、二人で『食品ロス削減』を考えるいいキッカケになった」(40代・夫婦)、「フードロスの食材を使ったとは思えない料理だった。残り物からできている実感があまり湧かなかった。普段はあまり考えて買い物などしていないが、フードロスが広島市で多くあって、ゴミを燃やすのに多額の金がかかることを学び、残り物を作らない、使い切ることを意識していこうと思った」(20代・女性)、「フードロスという言葉自体を知ってはいたが、深く考えたことはなかった。買い物をして冷蔵庫に入れたまま、特に牛乳、豆腐、納豆など同じものを何度も買うので、ちょっとだけでも意識していきたい。いい機会になった」(20代・男性)といった声が上がっていた。

リプロのフードコーディネーター・烏田いづみ氏

フードコーディネーターの烏田氏は、「今回のメニューで使ったのは、冷蔵庫に残りやすい身近な食材。家庭廃棄で多いといわれる食材の豆腐とか、冷蔵庫の片隅に残りやすい野菜や余った肉やハム、未利用魚(今回はチヌ)などを活用したメニューを、いろいろと試行錯誤しながら考案した。少しのアイデアと工夫で、家庭でも簡単にチャレンジできるようなレシピを意識した。今回のイベントをきっかけに、『フードロス削減』への意識を高め、今後の買い物や家庭でのレシピに少しでも役立てばと思っている」とコメントした。

また、広島市環境局 環境政策課の中村健二郎課長は、「広島市では今年4月1日から『広島市食品ロス削減推進条例』が試行された。食品ロス問題は世界全体の課題だと捉えている。今回提供されたメニューをみて、数日で捨ててしまうかもしれない食材が、こんなに素晴らしいアイデアあふれるメニューになることに驚いたし、広島市としても今後も様々な『食品ロス削減』の取り組みを行っていきたい」との考えを述べた。

では、「FOOD LOSS RESTAURANT HIROSHIMA supported by 広島ガス」で提供されたメニューのポイントを詳しく紹介しよう。

「端っこ野菜と豆腐のカラフル焼き ジェノバソースのせ」

オードブル(2品・1皿)の「端っこ野菜と豆腐のカラフル焼き ジェノバソースのせ」は、家庭廃棄でランキングの上位に挙げられる豆腐を活用。豆腐は、実はとても万能な食材であり、賞味期限が切れても冷蔵庫の片隅で残っている野菜と一緒にフードプロセッサーで細かくし和えるだけで簡単な一品になるとのこと。隠し味のゆず味噌がポイント。ジェノバソースは茹でた葉野菜を数種類入れ松の実とオリーブオイル、粉チーズでフードプレセッサーで撹拌(今回は家庭でよく使用する小松菜・ほうれん草・ルッコラを使用。ジェノバソースは本来バジルが入るが今回はあえて入れていない)。冷蔵庫の片隅でシナシナになった葉野菜を立派なソースに変身させた。保存瓶で1週間は持つのでいろいろな料理のソースにもなるという。

「未利用魚のお好み焼き Produced by ZACO project」

もう一品のオードブル「未利用魚のお好み焼き Produced by ZACO project」は、未利用魚を利用したお好み焼き(今回はチヌ)で、お好みソースで煮込むのがポイント。少し臭みのある魚でも食べやすくなるという。牡蠣の子どもを食べてしまうといわれ、捕獲され廃棄される魚を使い簡単に家庭で楽しめるメニューとなっている。魚離れが進む昨今。魚メニューを考えるヒントにしてほしいとのこと。

「鯛のあら&丸ごとエビ出汁の根菜ともち麦入スープ」

「鯛のあら&丸ごとエビ出汁の根菜ともち麦入スープ」は、鯛のあらとエビの頭・殻を使い、さらに白ネギ の葉・セロリの葉等、使われず廃棄されがちな食材の部分を使い家庭でもできる本格的なスープを作った。 使われず捨てられる食材をきちんと生かしたスープとなっている。

「色々お肉の鶏むねロール 彩り野菜添え」

牛肉や豚肉、またはハム等の肉類も残ることがある。メインの「色々お肉の鶏むねロール 彩り野菜添え」では、これらの肉を集めバターと香辛料を入れフードプロセッサーで撹拌し、パンに塗ったりすることも可能なリエットに仕上げた。今回は、レストランという場なのでさらにリエットを鶏で巻いて蒸し焼きにしている。鶏の皮も低温で揚げ、香ばしいおつまみに仕上げ添えている。

「バナナと米粉のパウンドケーキ 梨のコンポート添え」

家庭廃棄で多いのは果物、中でもバナナは傷みが早く黒くなると敬遠されがち。今回のデザート「バナナと米粉のパウンドケーキ 梨のコンポート添え」は、そんな完熟バナナを使い広島県産の米粉で焼菓子を作った。ケーキに入れれば黒ずんだバナナも気にならないとのこと。また、柔らかくなった梨なども廃棄されがちだが、ワインと砂糖で煮てコンポートにするだけで柔らかな梨も保存可能な一品になるという。

フードロスレストランひろしまプロジェクト公式サイト=https://www.foodlossrestaurant.com/


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