調理済食品・アルコール飲料の国内市場を調査、2023年予測(2022年見込比)は冷凍調理済食品市場が7136億円(101.7%)・国産ビール市場が1兆153億円(107.0%)に

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、加工食品(27カテゴリー403品目)のうち、業務用が回復に向かい、市販用の好調が続く冷凍調理済食品、夕食メニュー需要を獲得するチルド調理済食品、外食や中食総菜向けが回復しているその他調理済食品、高付加価値型商品の好調や有力ブランドのフルリニューアルで活性化するアルコール飲料の4カテゴリー63品目の市場を「2023年 食品マーケティング便覧 No.2にまとめた。

 その結果、2023年予測(2022年見込比)では、業務用が回復に向かっているほか、市販用はレンジアップ商品の需要が増加した冷凍調理済食品市場が7136億円(101.7%)に達すると予測。酒税法改正によるメーカーの販売強化と糖質ゼロを始めとした機能型ビールが伸長するとみられる国産ビール市場が1兆153億円(107.0%)と予測した。

 ビール類の2022年は、最大規模の国産ビールが大幅に伸長している。また、店での採用が多い輸入ビールとクラフトビールの需要が外食頻度の増加を受けて回復に向かっており、市場は前年比7.6%増が見込まれる。

 2023年も、国産ビールや輸入ビール、クラフトビールの伸びで市場は堅調な回復が予想される。

 国産ビールは、新型コロナウイルス感染症の影響による営業自粛やアルコール規制が緩和されつつあり、業務用が回復に向かっている。市販用は有力ブランドがフルリニューアルしたほか、無濾過などの高付加価値型や糖質ゼロといった機能型ビールが好調である。また、10月に国内主要メーカーが価格改定を実施したため、2022年の市場は前年比20.1%増が見込まれる。2023年は酒税法改正で減税対象となる国産ビールの需要が増加することを見越し、ビールメーカーが販売を強化するとみられる。また、糖質ゼロビールの発売以降、機能型ビールへの注目も高まっており、今後の伸びが期待される。

 ノンアルコールドリンクは、カクテルドリンクやチューハイ、梅酒、ワイン、焼酎、日本酒などの風味を持ったノンアルコール商品を対象とし、ビアテイストやシャンパン風炭酸飲料は対象外とする。

 2021年に大手メーカーがバラエティの豊かなフレーバーや甘くない商品を発売したことからアルコールユーザーの需要を取り込み、市場は拡大した。2022年は、前年に発売された大手飲料メーカーの商品や本格的なワインテイストが楽しめる新商品が好調である。また、あえてアルコールを摂取しないソバーキュリアスの需要も取り込んでいる。需要増加の反動が懸念されたものの、2022年も市場拡大が続くとみられる。

 参入メーカーはソバーキュリアスの広がりを背景に、積極的に商品展開を行う一方、量販店ではノンアルコールドリンクがアルコール棚の中で埋もれるケースも散見される。認知度向上を目的に売り場作りの改良が図られており、今後新規ユーザーの獲得が期待されることから、2023年の市場は前年比7.3%増の221億円が予測される。

 冷凍シューマイの2022年は市販用のうち、弁当向け商品で採用が多い海鮮系は苦戦する一方で、肉を採用した商品は食べ応えの良さから家庭での主菜メニューとして需要を獲得して伸びており、市場拡大が予想される。 市販用は主要メーカーを中心に海鮮系と肉系の付加価値商品の投入やプロモーションの強化が図られており、新規ユーザーの獲得が期待される。また、業務用では単価アップを図った大粒タイプの引き合いが高まっていることから、2023年の市場は前年比5.8%増が予測される。

 冷凍調理済食品は、2022年は、業務用が外出制限の緩和によって多くの品目で回復に向かっている。また、市販用では冷凍ハンバーグや冷凍から揚げ、冷凍ギョーザ、冷凍シューマイ、冷凍お好み焼きなどで高付加価値商品が好調であり、2022年の市場は拡大するとみられる。ただし、水産原料を中心とした価格高騰や、タイ産の鶏肉加工品の供給不安が懸念される。

 2023年は、前年に続き、業務用が回復に向かうほか、市販用は簡便ニーズやレンジアップ商品、本格感を訴求した付加価値商品の拡充などによって伸びるため、市場は拡大するとみられる。

 チルド調理済食品は、原料価格高騰を背景とした値上げや特売頻度低下による買い控えなどがみられ、2022年の市場はわずかに縮小すると予想される。

 2023年は、冷凍調理済食品との競合激化や、特売頻度の低下によるユーザー離れが懸念される。しかし、チルドハンバーグやチルドギョーザでは高付加価値・高単価の商品の展開によって新規需要の取り込みが期待され、市場はわずかに拡大するとみられる。

 その他調理済食品は、チルド茶わんむしへの需要流出によって卵豆腐類が苦戦しているものの、外出機会の増加を背景に業務用が回復しており、卵焼き類は外食やCVS総菜向け、アメリカンドッグはCVSカウンターFF(ファストフード)向けなどが伸びて、2022年は前年比1.6%増が見込まれる。

 2023年は、前年に引き続き卵焼き類は伸長し、また、巣ごもりが続く中、市販用アメリカンドッグがスナック需要を獲得すると予想される。

 アルコール飲料は、2022年は、RTDの伸びが需要飽和によって、清酒や焼酎は飲用層の高齢化に伴って需要が減少している。用途別にみると、業務用は、ウイスキーなどは外食頻度の増加とともに需要が高まっている。また、市販用では、市場シェアの高い国産ビールブランドがフルリニューアルしたほか、無濾過などの高付加価値型や健康需要を獲得している機能型ビールも好調であり、市場は前年比3.9%増が見込まれる。

 2023年は、近年注目が集まっている低・ノンアルコール商品、機能型商品の強化によって、健康需要の獲得が期待されるほか、前年以上に業務用の回復が進むとみられる。さらに、国産ビールは酒税法改正に伴い、ビールメーカーが販売を強化し、大きく伸長するとみられる。しかし、引き続き、RTDの伸びの鈍化や清酒、焼酎の需要が減少するほか、価格改定を受け買い控えが生じることから、市場は前年比1.2%増にとどまると予測される。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]2022年8月~10月
[小売価格]
書籍版:11万円
書籍/PDF+データ版セット:15万4000円
ネットワークパッケージ版:22万円
(すべて税込)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


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