サントリー、10月に酒税改正を迎えるビールカテゴリーに徹底注力することで拡大・新規顧客獲得を目指す

「パーフェクトサントリービール〈黒〉」をPRする、サントリー ビールカンパニー マーケティング本部長 多田寅氏

サントリーは8月22日、2023年ビール事業のマーケティング戦略説明会を開催した。説明会では、10月に酒税改正を迎えるビール類市場の動向や、参入から60周年の同社ビール事業(1~7月)の実績、「ザ・プレミアム・モルツ」「サントリー生ビール」「パーフェクトサントリービ―ル」などの今後のマーケティング施策などについて発表した。

サントリーのビールカテゴリ商品

「2023年1~7月の実績では、『ザ・プレミアム・モルツ』が2月のリニューアルによって市場を上回る実績を示した他、『サントリー生ビール』は発売3ヵ月で200万ケース突破、『パーフェクトサントリービール』(PSB)は、食中訴求によって前年を上回る実績に達した」と、サントリー ビールカンパニー マーケティング本部長 多田寅氏は、各ブランドにおいて市場を上回る実績で着地しビールカテゴリで大きく伸長したのだと総括する。

サントリー ビールカンパニー マーケティング本部長 多田寅氏

「『ザ・プレミアム・モルツ』ブランドは、中味・デザイン・コミュニケーションを刷新し、洗練され、時代にあったプレミアムブランドへ進化した」と、中味はプレモルならではの“華やかな香り”“深いコク”がより上質に、一層鮮やかになり、デザインは重厚で装飾的なイメージをより“しなやか”で“明るく上質”なイメージへ転換。コミュニケーションでは、「週末のごほうび」をテーマにアニメと実写が入り混じるTV-CMの展開が奏功しているという。「リニューアルをきっかけに『ご褒美』・『幸せな気分』のスコアが上昇し、新規購入の消費者が大きく伸長した」と、リニューアルによってイメージおよび購買に変化がみられたと語る。

「ザ・プレミアム・モルツ」(ジョッキ)

「広瀬すずさんを新たなメッセンジャーに起用したことで、夏の最盛期に向けてユーザーが大幅拡大した」と、新メッセンジャーの起用で低頻度のユーザーが大幅拡大したと分析。「夏最盛期にプレモルを愉しめる接点を拡大した」と、東海道新幹線ホーム売店や「THE PREMIUM MALT'S HOUSE」でプレモルを販売し好評を得たのだと訴える。「飲食店においては、国内のみならず、海外でも神泡の品質訴求を展開。飲用時品質向上に引き続き徹底注力している」と、神泡による飲用時品質へのこだわりによって、「神泡品質」で提供しているお店の割合は94%にまで拡大していると述べていた。

「サントリー生ビール」

「『サントリー生ビール』の発売によって、ビール市場の拡大に寄与。通常のビールユーザーに比べて、若年層の構成比が高いのが特長となっている」と、今年発売の「サントリー生ビール」はこれまでビールを飲んでいなかった層にも飲用されるようになったと説明する。「『生ビール』・『新しさ』が、若年層から好評価を得て、300万ケースの年間計画を、400万ケースに上方修正した」と、発売から好調な販売で推移しているという。

「パーフェクトサントリービール」(ジョッキ)

「『パーフェクトサントリービール』(PSB)は、“美味しさ”と“糖質ゼロ”の独自価値によって、食との相性訴求のタイミングで、新規・ライトユーザーが拡大した」と、新たな消費者から支持を得ているのだと強調する。「その背景には、昨年春に発売した『PSB樽詰』の取扱い店が順調に拡大し、業務用・家庭用・宣伝が一体となった食と連動した活動が好調の要因と思われる」と、食コラボ展開によって取扱店は増加の一途を辿っているのだと述べていた。

左から:ザ・プレミアム・モルツ〈ジャパニーズエール〉香るエール 限定デザイン缶、ザ・プレミアム・モルツ 限定デザイン缶、ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉ゴールデンエール

「2020年酒税改正をきっかけにビール市場(缶)は伸長した。このため2023年においても伸長が見込まれる」と、10月の酒税改正がビール市場に大きなインパクトを与えると力説する。「当社では、酒税改正によって伸長が見込まれるビールカテゴリーに徹底注力し、限定品・業務用連動によって、若年層との接点を強化していく」と、ビールの魅力をしっかりと訴求しながら市場拡大に寄与していきたいと語る。「『ザ・プレミアム・モルツ』では、10月17日にデザイン缶・限定品を発売する。店頭を華やかに演出し、ビール市場の活性化を図る」とのこと。「デザイン缶では、“プレモル”の象徴である金色で『ごほうび感』を最大限に強調する。また、爽やかな香るエールの世界観をコラージュで表現する。限定品は、やわらかな果実香、豊かに広がる余韻によって、心がパッと華やぐ冬限定のジャパニーズエールを発売する」と、デザイン缶・限定品でトライアルの最大化に努めると述べていた。

左から:パーフェクトサントリービール、パーフェクトサントリービール〈黒〉

「PSBでは、『パーフェクトサントリービール〈黒〉』を限定発売する。ビール好きのための、うまい黒ビールの糖質ゼロとなっており、中味は『ダイヤモンド麦芽』を一部使用し、ビールらしい飲みごたえを実現した。さらに、厳選された『黒麦芽』を一部使用し黒ビールらしい香りと味わいを実現している」と、糖質ゼロながら、黒ビールらしい香りと味わいを実現した商品を上市すると教えてくれた。

「サントリー生ビール」樽生

「『サントリー生ビール』樽生のテスト展開を行った。味わい・再飲用意向共に高い評価を獲得した。そこで、来年春に『サントリー生ビール』(瓶・樽)発売する予定だ」と、業務用での飲用接点強化を図っていく考えを示した。「料飲店での飲用時品質・飲用接点を強化することで、家庭での飲用につなげていく」と、「サントリー生ビール」(瓶・樽)の発売や飲用時品質の強化によって、業家のブリッジ強化を図ると述べていた。

「サントリー生ビール」樽生を注ぐ様子

「10月以降のコミュニケーションについては、耳目が集まるビールカテゴリに徹底注力することで、カテゴリの拡大・新規顧客獲得を実現する」と、「ザ・プレミアム・モルツ」では自分への“ご褒美”として一番嬉しいビールの価値確立、「サントリー生ビール」では若年層のトライアル強化、「パーフェクトサントリービール」では“美味しさ”と“糖質0”の独自価値強化を訴求していくとアピールした。

サントリー ビールカンパニー マーケティング本部長 多田寅氏

「2023年の当社ビール事業販売計画では、限定品によるトライアル最大化や業務用での飲用接点強化によって、市場推計では前年比97%のところ、104%を見込んでいる。ビールについては前年比131%にまで引き上げる計画となっている」と、ビールカテゴリの大きな伸長を見込んでいると述べていた。

[小売価格]設定なし
[発売日]
ザ・プレミアム・モルツ 限定デザイン缶:10月17日(火)
ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉香るエール 限定デザイン缶:10月17日(火)
ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉ゴールデンエール:10月17日(火)
パーフェクトサントリービール〈黒〉:10月3日(火)

サントリー=https://www.suntory.co.jp/


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