- Drink&Food2026/02/09 17:12
富士経済、健康志向食品(明らか食品・飲料)の国内市場の調査、2025年見込は2024年比1.4%増の1兆8390億円に

総合マーケティングビジネスの富士経済は、血糖値改善を訴求した商品の発売や、近年の夏場の猛暑による止渇需要獲得で飲料などが伸びている健康志向食品の市場を調査した。その結果を「H・Bフーズマーケティング便覧 2026 No.2 健康志向食品編」にまとめた。トピックスとして、2025年見込(2024年比)では、夏場の猛暑に伴う止渇需要を背景に茶系飲料が好調。特に脂肪対策を訴求した商品が伸びる健康志向食品の国内市場は、1兆8390億円(1.4%増)に達する見込。
この調査では、H・Bフーズ(健康(Health)の維持増進・回復や美容(Beauty)を目的に飲食する何らかの効能・効果(機能性)を期待できる・期待されるイメージをもつ食品)のうち、健康志向食品(明らか食品、飲料)を31の訴求効能別に市場を捉えた。また、健康志向食品における保健機能食品別(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)の市場動向、また、特定保健用食品と機能性表示食品についてはパッケージ前面に強調して記載されている訴求表示に着目して分類したヘルスクレーム別の動向についても分析した。
健康志向食品(明らか食品、飲料)の国内市場では、何らかの効果効能を期待できる食品および期待されるイメージを持つ食品のうち、機能面よりも味覚面を重視した商品を対象とする。その内、保健機能食品は、特定保健用食品が15%弱、栄養機能食品が5%弱、機能性表示食品が30%弱をそれぞれ占め、近年は機能性表示食品の伸びが市場拡大をけん引している(2024年)。
2025年は、ガイドライン変更によって届出数が減ったため機能性表示食品の新商品の発売は減少したものの、夏場の猛暑から止渇需要が高まり、脂肪対策を訴求した茶系飲料などが好調であった。また、プロテインの続伸に加え、高血圧予防で主要なブランドがリニューアルし好調なため、市場は微増するとみられる。
商品カテゴリー別では、茶系飲料やヨーグルトなどの割合が高い。茶系飲料は、茶カテキンを関与成分として脂肪対策など生活習慣病予防を訴求した商品を中心に展開されている。日常的な飲用者が多く、飲料メーカーの商品発売やプロモーションも継続的に見られる。ヨーグルトは、日常の喫食が習慣化している消費者も多いため、定番ブランドを中心に需要は底堅い。一方、ストマックケアや免疫対策を訴求する単価の高い商品は苦戦している。

健康志向食品における機能性表示食品は、ガイドライン変更によって表示許可が煩雑化したため、2025年は届出数が減少した。しかし、多くの参入メーカーがH・Bフーズを重点分野と位置付けて展開していることから、伸びは鈍化するものの、2025年の市場は5278億円が見込まれ、健康志向食品市場の約30%を占めるとみられる。特に脂肪対策を訴求した商品では大手飲料メーカーが展開する茶系飲料のけん引による伸びが見られたほか、ドリンクヨーグルトが好調である。また、高血圧予防やコレステロール対策、免疫対策などを訴求した商品の大きな伸びも、市場拡大に繋がっている。
競合となる特定保健用食品は申請から表示許可取得まで時間と費用がかかるため、多くのメーカーは商品発売までのスピードが比較的速い機能性表示食品に今後も注力するとみられる。消費者が特定保健用食品と機能性表示食品の明確な違いを把握しづらいほか、景況感の悪化で高単価の特定保健用食品に手が出にくいことも、企業が機能性表示食品に注力する要因となっている。

スポーツサポート健康志向食品では、プロテインブームが落ち着き、ライトユーザーの離脱が続いている一方、運動習慣の定着やタンパク質摂取に関する情報が広まったため、定着したユーザーのヘビーユーザー化が進んでおり、吸収率やタンパク質含有量が高い高付加価値商品の需要が増えている。2025年は、主要参入メーカーがフレーバーの拡充やビタミン類を配合した商品を発売したほか、健康維持目的でタンパク質を摂取するユーザーの獲得を図る動きも見られる。また、夏場の止渇需要で飲料が好調であったことから市場は拡大するとみられる。
プロテインブームを機に商品数が増えたため、競争が激化している。また、サプリメントに含めた粉末タイプのプロテインとも需要の奪い合いが予想されるが、定着したユーザーのヘビーユーザー化は続くとみられ、高付加価値商品へのシフトによる単価の上昇や、商品ラインアップの拡充などで2026年の市場は拡大が予想される。
脂肪対策健康志向食品は、特定保健用食品と機能性表示食品が市場のほとんどを占め、7割程度が茶系飲料である。
2025年の市場は、濃い味の茶系飲料が好調であるほか、脂肪対策と腸内環境改善の2つの機能を訴求することでドリンクヨーグルトが伸長している。しかし、商品の増加によって市場は飽和感が強まっており、成長率は鈍化している。

脂肪対策は、生活習慣病の予防を目的とするユーザー層から体形が気になるライトな層まで幅広いターゲットに訴求できるため、大手飲料メーカーを中心に、定期的な商品展開の強化が見られる。商品増加によって競争激化が進む一方、健康意識の高まりや中高年人口の増加も加わり今後も安定した需要が予想される。また、プロモーションの強化など企業の継続的な注力によって、引き続き市場は拡大が予想される。

血糖値改善健康志向食品は、脂肪対策など生活習慣病予防の商品と競合しており、企業の注力度が低かったため、市場は近年低調だった。しかし、2025年は、血糖値コントロールの指標であるHbA1cに言及した「明治ヘモグロビンA1c対策ヨーグルト」シリーズ(明治)が発売されたほか、リニューアルにより機能強化を図った商品が好調に推移し、市場拡大に繋がっている。
糖質の摂取を控える消費者の動きや、食後の急激な血糖値上昇リスクに対する情報の浸透など“糖”へのケア意識は高まっており、ライトな層の需要を獲得することで2026年の市場は2024年比41.9%増が予測される。
[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]2025年10月~12月
[小売価格]
書籍版:19万8000円
書籍/PDF版セット:23万1000円
書籍/PDF+データ版セット(全体編):25万3000円
ネットワークパッケージ版:39万6000円
(すべて税込)
















