サントリー、主要4ブランドのマーケティング活動を強化、「金麦」の中味をビール化しエコノミー需要の喚起を図る

左から:サントリー 社長 西田英一郎氏、同 常務執行役員 ブランド部門長の多田寅氏

サントリーは、“最高のうまさで、ワクワクさせたい。”をビジョンに掲げ、ビール事業を展開している。昨年は、主要4ブランドのリニューアルなど、年間を通じてバリューアップに取り組んだ。発売3年目の「サントリー生ビール」では、業務用の瓶・樽取扱店舗数が増加し、販売数量が対前年104%と好調に推移。「パーフェクトサントリービール」では、リニューアル後のパッケージや中味に好評を得て、販売数量が対前年118%と伸長した。今年は、10月の酒税改正を見据え、主要4ブランドのマーケティング活動を強化する。特に「金麦」では、中味のビール化によって、エコノミー需要を喚起。引き続き、高品質なものづくりと最高のおいしさを真摯に追求するとともに、新たな価値の創出に挑戦する。

サントリー 社長 西田英一郎氏

「昨年の国内酒類事業の売上実績(金額ベース)は、酒類事業全体で前年比103%となった。特にRTDが108%と伸長した他、ビール類も102%と前年を上回る水準をキープした」と、新たに社長に就任した、サントリー 社長 西田英一郎氏が挨拶。「国内の経済環境は平均年収が2000年から横ばい傾向を示す中、物価は大きく上昇。富裕層は2000年から2倍増となり、格差が広がっている」と、日本経済を取り巻く環境について解説。「国内酒類市場は、新型コロナウイルス感染症の拡大で縮小傾向にあったが、新型コロナウイルス感染症が5類感染症移行にともない市場も回復傾向を示すと同時に、お酒の価値が再発見され、消費者の飲用シーンも広がった」と、コロナ禍を機に消費者のお酒に対する価値が見直され、今後市場はさらなる成長曲線を示すのではないかと期待する。

「当社は、時代のニーズに寄り添い、これからも酒類文化の創造を通じて人々の心を豊かにしたいと考え、様々な展開を行ってきた」と、消費者がお酒に求めるものを素早くキャッチし、お酒と共に楽しい社会の育成に務めてきたと自負する。「こうした取り組みを持続可能としていくには、消費者のニーズ変化に対応していくことが重要であると考えている」と、国内酒類市場のカテゴリー別容量構成比をみると、1995年ではビール類が72%であったのに対し、昨年は53%にまで減少。変わってRTD、ウイスキー、ワイン等が31%にまで増加しているという。「当社は幅広いポートフォリオを有していることが強みであると確信している。当社のものづくり品質で、様々なカテゴリーの商品を消費者に提案していく」と、同社の強みを活かした戦略こそが、市場の成長に寄与できるのだと力説する。

サントリーの国内酒類 主要商品

「昨年はRTDにおいて『-196』の新シリーズを展開。年間8000万本を突破した。また、ウイスキー『角瓶』の新TV-CMを放映。店頭販売が対前年比111%と大きく伸長した。さらに、大阪・関西万博の会場で再生農業原料を使用したビールを提供するなど、新たな需要創出へのチャレンジも行ってきた」と、昨年実施した新たな提案について振り返る。「一方で、ウイスキー『山崎』ブランドがISC2025において史上初、3年連続全部門最高賞を受賞。『SUNTORY FROM FARM』2品がIWC2025において金賞を受賞した。また、サントリー大阪工場がリキュール・プロデューサー・トロフィーを日本の工場として初めて受賞した」と、同社のものづくり品質が世界的に認められているのだと力説。「今年の売上計画(金額ベース)では、酒類事業全体で前年比103%を見込んでいる。これをけん引するのが、RTD、ウイスキー類およびノンアルの商品で、ビール類は101%とほぼ横ばいの計画ではあるものの、市場全体の対前年比(推定)は98%と試算している。市場全体が減少する中でも、様々な施策を通じて昨年並みの水準をキープしたいと考えている」と、今年はビール市場を盛り上げるべく、新商品やマーケティング施策を積極的に打ち出していきたい考えを示した。

サントリー 常務執行役員 ブランド部門長の多田寅氏

次に、同 常務執行役員 ブランド部門長の多田寅氏が今年のビール事業戦略について発表した。「昨年のビール事業販売の実績(数量ベース)は、事業全体では前年を下回る99%の6528万ケース(大びん換算)で着地した。特に『ザ・プレミアム・モルツ』ブランドが93%と苦戦。『金麦』ブランドも99%と前年を下回った。一方で、『サントリー生ビール』ブランドは104%の651万ケース、『パーフェクトサントリービール』ブランドは339万ケースの118%と大きく伸長した」と、「ザ・プレミアム・モルツ」が振るわなかったものの、「サントリー生ビール」や「パーフェクトサントリービール」が躍進し、ビール事業全体では一昨年とほぼ同水準の実績になったと振り返る。「今年は、『ザ・プレミアム・モルツ』のプレミアム価格帯、『サントリー生ビール』、『パーフェクトサントリービール』のスタンダード価格帯、『金麦』のエコノミー価格帯を軸に新需要創造境域拡大商品を展開し、活性化を図っていく」と、価格帯で商品ブランドを区切り、価格帯ごとに最適な提案を行っていくと意気込む。

サントリーのビール類 主要商品

「『金麦』の1~9月の施策では、コミュニケーションとプロモーションをしっかり提案し、“日々、家で飲むのに一番ふさわしいビール類”として消費者との接点を増やしていく」とのこと。「また、『金麦〈糖質75%オフ〉』の単独コミュニケーションを展開し、健康志向の消費者に積極的に訴求していく」と、具体的なコミュニケーション展開について発表した。「そして10月以降、『金麦』は新ジャンルカテゴリーからビールカテゴリーへと移行する。価格は新ジャンルの価格帯をキープし、将来的には3500万ケース(大びん換算)を目指す」と、10月の酒税改正を機に「金麦」をビール化して、市場の活性化を図っていく考えを示した。

ザ・プレミアム・モルツ

「『ザ・プレミアム・モルツ』については、近年、1本の缶ビールを飲み切る時間が長くなっていることに注目(2019年平均時間約15分に対し、2024年平均時間は約30分:同社WEB調査(n=200))し、『ザ・プレミアム・モルツ』の味わいの特長である、深いコク・華やかな香り・心地良い余韻をさらに感じてもらえるビールに刷新する」と、中味を大幅改定するという。「中味については、深いコク・心地良さをさらに感じられるように、うまみの引き出し方を進化させた」と、大きなリニューアル行うという。「3月からは『ザ・プレミアム・モルツ』のスタイル訴求提案として、グラスをプレゼントするキャンペーンを実施する」と、7つのグラスが必ずもらえるキャンペーンになっていると教えてくれた。

サントリー生ビール(左から:350ml、500ml)

「『サントリー生ビール』については、“生ビール”の純粋想起が右肩上がりで上昇。“生ビール”イコール『サントリー生ビール』が浸透してきた。これを裏付けるように、一昨年3月時点では、飲食店での取り扱い件数が0.7万店であったのに対し、昨年12月時点では2.8万店にまで増加した」と、「サントリー生ビール」のブランド力が着実に高まっていると訴える。「一方、消費者が生ビール求めるものとして、『ゴクゴク飲める』や『喉で飲み干す』といった点が挙げられており、その日の区切りとしてのどごしを愉しむビールがベストであると考えた」と、消費者が求める生ビールにさらに近づけるために、「サントリー生ビール」を刷新するという。「中味は、グッとくる飲みごたえとすっきりとした後口が愉しめるように原料配合と仕込条件を見直した」と、中味をブラッシュアップ。「パッケージもブルーへと刷新した。さらに、明治安田Jリーグ百年構想リーグのトップパートナーとして、Jリーグと全国のサポーターを応援していく」と、Jリーグとのパートナーシップ契約を締結したと教えてくれた。

パーフェクトサントリービール

「『パーフェクトサントリービール』では、力強い飲みごたえと爽快なキレを感じながら糖質ゼロである点を、今年も積極的にアピール。新たなTV-CMも放映を開始し、消費者との接点強化に務めていく」と、新TV-CMを披露した。

左から:オールフリー、同 〈ライムショット〉

「ノンアルコールについては、お酒のような本格感を求める消費者に向けて昨年『ベゼルズ』を販売。健康機能については『からだを思うオールフリー』を展開。そして気分解放(リフレッシュ)ニーズとして『オールフリー』を提案している」と、ノンアルコールの3大ニーズに対し、それぞれ商品をラインアップしていると力説する。

左から:オールフリー スパークリング〈レモン&ライム〉、同〈ブラッドオレンジ〉 、 同〈マスカット・オブ・アレキサンドリア〉

「昨年行った調査によると、ノンアルコールの飲用重視点として、気分を上げる、解放感を求めるニーズが2022年に比べて伸長していることがわかった」と、気持ちを切り替えて楽しみたい時にノンアルコールを飲むという声が増えているのだと説明する。「この点を考慮し、気分開放ニーズ向け商品『オールフリー』の中味とパッケージをリニューアルする」と、ビールのような複雑な味わいとすっきりした後味を実現するべく、濃色麦芽の比率を変更し、デザインも大きく変えるとアピールした。

金麦

「今年の活動スケジュールとしては、10月の酒税改正までは主要ブランドをリニューアル。10月以降は『金麦』のビール化にともなう活動を実施する」とのこと。「今年のビール事業販売計画(数量ベース)では、事業全体で対前年比101%の6570万ケース(大びん換算)を見込む。内訳として、『金麦』は9月までは苦戦すると思われるため、対前年比96%のマイナス計画であるものの、その他は前年並みもしくは前年を上回る水準の販売を計画している」と、今年の販売目標について発表。引き続き、高品質なものづくりと最高のおいしさを真摯に追求するとともに、新たな価値の創出に挑戦していくと意気込んだ。

サントリー=https://www.suntory.co.jp/beer


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