福島県大玉村、初のブランド米「あだたらの恵」をふるさと納税返礼品として発売、大玉村の米に関する研究結果も発表

大玉村ブランド米「あだたらの恵」(1kg/5㎏)

福島県・大玉村は、福島県有数の米どころ大玉村産として初のブランド米「あだたらの恵」を10月17日に発売し、大玉村ふるさと納税返礼品として申し込みを開始した。また、10月30日から11月12日まで、東京駅内の飲食店「dancyu 食堂」で「あだたらの恵フェア」を開催する。10月16日に行われた発表会では、「あだたらの恵」の特徴や大玉村の米に関する研究結果について説明した他、ふくしま応援シェフの脇屋友詞氏と料理研究家のしらいのりこ氏が考案した「あだたらの恵」に合う“ご飯のお供”を紹介した。また、「あだたらの恵」の名称決定に際し、公募によって選ばれた入選者の表彰式も実施した。

大玉村長の押山利一氏

「福島県中央部に位置する大玉村は、昔から農業が盛んな土地で、安達太良山から広がるなだらかな扇状地の田園風景は村の宝といえる。人口は約9000人で、国勢調査では45年間人口が増え続けている。特に若い世代の移住者が多く、子育て支援に加えて、田園風景が広がる美しい景観もその一因となっている」と、大玉村長の押山利一氏が挨拶。「大玉村の米は以前からおいしいと定評があったが、これを科学的に証明するため、福島大学食農学類教授 農学博士の新田洋司氏に2019年から5年間研究してもらった。その結果、大玉村の米は、全国的にみても良食味米であることが証明された。そこで、このエビデンスを基に初のブランド米『あだたらの恵』を立ち上げ、ふるさと納税返礼品として提供開始する」と、「あだたらの恵」を発売するに至る経緯を述べた。

大玉村 産業課長の藤田良男氏

続いて、大玉村 産業課長の藤田良男氏が、「あだたらの恵」の概要について説明した。「『あだたらの恵』は、新しい米の品種ではなく、既存の銘柄米から大玉村独自の基準で厳選した米となっている。具体的には、『みどり認定を受けていること』、『大玉村のほ場で生産された一等米であること』、『殺虫剤(カメムシ防除)を空中散布しないこと』、『食味値88以上、整粒歩合80%以上を目標とすること』、『ふるい目1.9㎜以上』というの5つの条件を満たした米が『あだたらの恵』に認定される」と、高い基準での栽培方法と食味値を認定基準として定めているという。「中でも、食味値88以上、整粒歩合80%以上となったものは『特等』として販売する。また、銘柄には『コシヒカリ』を中心に福島県のトップブランド『福、笑い』も含まれている。今年は、約500の農家の中で3農家が高い基準に挑戦し『あだたらの恵』を生産した」と、数少ない農家で生産された希少なブランド米なのだと訴えた。

「大玉村は、弥生時代から続く米の名産地であり、3つの河川の扇状地に恵まれ、気候的にも米作りに適した地域となっている。稲作中心の大玉村の農家は、古くから灌漑施策によって水を確保し、米どころとしての基盤を構築。たゆまぬ努力でおいしい米作りを続け、高い評価を得てきた」と、大玉村の米作りの取り組みについて言及。「2019年には米ブランド化推進準備委員会を発足。ブランド米に向けた基本構想や基準設定について検討を重ねる中で、大玉村で作る米のおいしさを明らかにしたいと考え、福島大学食農学類に分析調査を依頼した」と、大玉村の米がおいしい理由を科学的に証明するべく、生産者と福島大学が協力して研究を行ったと話していた。

福島大学食農学類教授 農学博士の新田洋司氏

そして、福島大学食農学類教授 農学博士の新田洋司氏が、大玉村の米に関する研究結果について発表した。「今回の研究では、2019年から2023年の5年間にわたり、生産者が異なる大玉村内8ヵ所の田んぼで収穫された米の食味関連形質と炊飯米の微細構造を分析した。この結果、たんぱく質含有率・アミロース含有率がともに低く、炊飯するとやわらかく、粘り気のある良食味米特有のご飯になることがわかった」と、高品質・良食味米の特徴を有していることが明らかになった。「特に、表面の明部の細線維状構造、網目構造が発達しており、膜状構造が認められる場合もある。表層は、表面の緻密な構造が薄い場合が多く、あっさりとした粘りをもたらしている。中間部・中心部では、糊化が進んでいない部分が多く、軽い歯ごたえの要因となっている」と、炊飯米の微細構造的特徴を詳しく解説してくれた。

「あだたらの恵」のご飯

「また、この5年間の分析期間で、たんぱく質含有率・アミロース含有率は2019年産・2020年産よりも2021年産以降にさらに低位で安定しており、高品質・良質米の性格を強めている。特に、登熟期の異常高温で全国的に米の品質が落ちた2023年においても、食味の大幅な下落は認められず、気候に左右されることなく良質米を生み出していることもわかった」とのこと。「それぞれの生産者・地域で食味関連形質は一定の範囲内にあり、大きな変動はなかった。また、同じ農家水田で、年次間変動はほとんどなく、高品質・良食味米の構造が安定していると考えられる」と、大玉村では毎年安定的に良質な米が生産されていることも証明された。

左から:料理研究家のしらいのりこ氏、ふくしま応援シェフの脇屋友詞氏

ここで、「あだたらの恵」に合う“ご飯のお供”を考案した、ふくしま応援シェフの脇屋友詞氏と料理研究家のしらいのりこ氏が、それぞれのレシピについて紹介した。脇屋氏は、「『あだたらの恵』の試食した際に、その香り、つや、甘み、粘りに魅力を感じ、私の店でも使いたいお米だと思った。そんな『あだたらの恵』に合う“ご飯のお供”として、『しらすの香味醤』を考案した。しらすに、にんにくと生姜の風味を加えごま油で炒める。干し貝柱のXO醤をしらすに置き換え、家庭にある普通の食材でシンプルな作り方にした」と、ご飯が止まらない一品に仕上げたと胸を張る。

左から:しらすの香味醤、牛肉とごぼうのオイル佃煮

しらい氏は、「『あだたらの恵』は、すごくリッチなお米だと感じた。ほどよい粘りがあり、味わいもよく、お米の力がとても強い。私が考案した『牛肉とごぼうのオイル佃煮』は、牛肉とごぼうを醤油、みりん、砂糖で甘辛にこってりと炒めた素朴で力強いご飯のお供になっている。大玉村のもっちりとして旨みのあるお米を正面から受け止める」と、「あだたらの恵」に負けない“ご飯のお供”になっているとアピールした。

左から:最優秀賞の丹羽修さん、優秀賞の高畑智美さん、大玉村長の押山利一氏、佳作の三並摩記さん、藤田満さん

最後に、「あだたらの恵」のブランド名の公募で選ばれた入選者の表彰式が執り行われた。大玉村では、昨年10月から12月末にかけてブランド米の名称を公募し、全国から寄せられた2118点の作品の中から厳正な審査によって、最優秀賞1点、優秀賞1点、佳作2点を選出。最優秀賞の「あだたらの恵」にブランド名を決定した。

最優秀賞を受賞した丹羽修さん

最優秀賞を受賞した丹羽修さんは、「私が以前、安達太良山を訪れたときに、田園風景がとてもキレイで印象的だった。そこで、安達太良山のふもとでとれた米という意味で、産地をイメージしやすい名前にした。また『智恵子抄』にも登場している安達太良山を名前に入れることで文学的なイメージも持たせたいと考えた」と、「あだたらの恵」に込めた想いを語っていた。

なお、「あだたらの恵」の発売を記念し、10月30日から11月12日まで、東京駅内の飲食店「dancyu 食堂」で「あだたらの恵フェア」を開催する。フェア期間中は、同店のすべての定食のご飯を「あだたらの恵」で提供する。

[小売価格]
1kg:1350円
特等 1kg:1500円
5kg:5400円
特等 5kg:6300円
(すべて税込)
[発売日]10月17日(金)

[「あだたらの恵フェア」概要]
実施期間:10月30日(金)~11月12日(水)
場所:東京都千代田区丸の内 1-9-1 グランスタ八重北 1F
営業時間:11:00~23:00

大玉村公式サイト=https://www.vill.otama.fukushima.jp/
大玉村ふるさと納税=https://www.vill.otama.fukushima.jp/furusato/


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