富士経済、メイクアップ化粧品・フレグランスの国内市場を調査、2025年国内市場見込ではフェイスパウダーが292億円に

総合マーケティングビジネスの富士経済は、ロングラスティング機能が重視された“マスクメイク”から艶感や色味、立体感といった仕上がり重視のトレンドへの移り変わり、韓国ブランドの取り扱い拡充、インバウンド需要の回復などで拡大するメイクアップ化粧品と、SNSなどを通じて新規ユーザー獲得が進むフレグランスの国内市場を調査した。その結果を「化粧品マーケティング要覧 2025 No.1」にまとめた。トピックとして、2025年国内市場見込(2024年比)では、フェイスパウダー(カラーパウダー)が、肌の明るさや透明感の演出がトレンドとなり、カラーパウダーやハイライトの購入が広がり292億円(12.7%増)を見込む。2024年から2025年にかけてリップメイクのトレンドが複数生まれ販売増したリップカラーは962億円(8.0%増)と予測する。

この調査では、メイクアップ化粧品10品目、フレグランス4品目について最新の市場を捉え、将来を展望した。なお、スキンケア化粧品とボディケア用品の市場を「同 No.2」に、ヘアケア・ヘアメイク用品とメンズコスメティックスを「同 No.3」にまとめ、その調査結果の概要を今後発表する。

フェイスカラーでは、フェイスパウダー(カラーパウダー)は、ベースメイクに含まれるフェイスパウダーのうち、肌色以外のアイテムを対象とし、ハイライトも含む。肌色のパウダーは主にファンデーションの仕上げに用いられるのに対し、カラーパウダーは肌に明るさや透明感を与える目的があり、チークカラーと用途が類似している。

コロナ禍において、マスクメイクとして目の周りにハイライトを使用するメイクがトレンドとなったことや、一部の商品でインバウンド需要が高まったことからフェイスパウダー(カラーパウダー)が伸び、2022年にチークカラーを上回った。2024年は艶感や透明感のあるベースメイクがトレンドとなったことが好材料となり、両品目とも市場は拡大した。

様々なメイクトレンドが発信される中、血色感を与えるピンク系のフェイスパウダーやハイライト使いができるチークなど、カテゴリーの垣根を超える商品が増え競合が激しくなっている。一方でフェイスパウダーとチークカラーのダブル使いなど、両品目の購入・併用を促進する動きもあり、今後の展開が注目される。

フェイスパウダーは、肌の明るさや透明感を重視したベースメイクがトレンドであることから、ブルーやパープルの色味を有するアイテムが人気になっている。また、有力ブランドが国内需要、インバウンド需要共に人気を集めて大きく伸び、市場をけん引している。透明感や艶感のあるベースメイクのトレンドを背景に、青みカラーやパール配合の商品が増加していることや、ハイライトのユーザーがマス層へ広がることなどで市場は拡大していくと予想される。

チークカラーは、2023年、2024年ともに前年から15%以上の伸びとなった。肌や輪郭のメリハリ・立体感がトレンドとなり、立体感を与えることを訴求した商品の発売が活発だった。また、ファッショントレンドとしてミニバッグが流行しており、持ち物を減らせる多機能アイテムとして、リップカラーとしても使えるチークカラーなどの需要が高まっているほか、2025年は韓国ブランド発のトレンドである“キーリングコスメ”(バッグチャームなどとして使用できる化粧品)の投入も活発であり、市場は拡大を維持するとみられる。

リップカラーでは、マスク着用の常態化でトレンドが生まれにくく、リップメイクをしない消費者も増加したことから市場は2020年、2021年と大きく落ち込んだが、2021年を底に徐々に回復してきた。マスク着用の常態時には色移りのしにくさや色持ちの良さが優先されがちであったが、その反動もあって2023年は色味そのものや艶感への関心が高まり、多色買いなどもみられたため市場は二桁成長となった。

2024年はリップメイクに対する関心がさらに高まった。小顔効果を狙ったオーバーリップメイクがトレンドとなり、リッププランパーやリップライナーをプラスワンアイテムとして購入する消費者が増加したほか、春夏はうさぎ舌リップ、秋冬はヌードカラーといったトレンドが創出されたことで、リップカラーの購入個数が増加し、市場は高成長を維持した。

2025年はマットリップの発売が活発である。マットでありながら保湿力が高く、唇の縦ジワを気にせず使えるとして、SNSなどで話題になっており、コスメ高感度層からマス層への広がりが期待される。今後もリップメイクのテクニックやトレンドが発信されることで関心が高まり、市場は拡大していくとみられる。

メイクアップ化粧品の国内市場として、ベースメイクは、メイクアップベース、ファンデーション、フェイスパウダーを対象とした。ポイントメイクは、アイシャドウ、アイライナー、アイブロウ、マスカラ、チークカラー、リップカラー、ネイルカラー/ネイルケアを対象とした。どちらもコロナ禍で市場が大幅に縮小したが、その後は回復に向かっている。

ベースメイクは、マスク着用の常態化により規模の大きいファンデーションの回復が遅れたが、2023年以降は化粧持ち以外の訴求への関心も高まり、市場は本格的な回復に向かっている。2024年は美容液成分を配合した商品が話題となりファンデーションの需要回帰が進んだことや、ベースメイクの持ちや仕上がりに影響するアイテムとして、メイクアップベースやフェイスパウダーを重視する消費者が増えていることで市場は前年比10.3%増の3,218億円となった。

メイクアップベースとフェイスパウダーのみでベースを仕上げるライトメイクが一定の定着が見られるため、今後はこれらの品目の構成比が高まると予想される。特にフェイスパウダーはハイライトやシェーディングといったプラスワンアイテムの使用習慣が広がり、消費者の所有個数増加が追い風になるとみられる。

ポイントメイクは、脱マスクが進んだことで多くの品目が伸びている。2024年から2025年はY2Kや平成メイクのブームが広がりつつあり、黒系のマスカラやアイライナー、細眉に適したアイブロウアイテム、マットでありながら保湿力のあるリップカラーなどの動きが活発であるほか、韓国ブランドなどの好調でチークカラーが伸び、市場拡大が続くとみられる。

フレグランスの国内市場では、2024年の市場は前年比15.0%増の575億円で、前年に引き続き二桁の伸びとなった。2024年から2025年はSNSを通してフレグランスの未使用者の開拓が進み、メゾンフレグランスなどの高単価商品の購入が活発であることや、円安でインバウンド需要が高まっていることが好材料となっている。

価格帯は、若年層をターゲットとした低価格ブランドやボディスプレーから、外資系プレステージブランド、メゾンフレグランスなどの高価格商品まで多様であるが、単価1万円以上が主体であり、近年その構成比が上昇している。消費者の本格志向の高まりでメゾンフレグランスが好調であることや、値上げで1万円以上のカテゴリーにシフトするブランドが増えていることが要因である。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]1月~3月
[小売価格]
書籍版:16万5000円
書籍/PDF版セット:19万8000円
書籍/PDF+データ版セット(全体編):22万円
ネットワークパッケージ版:33万円
(すべて税込)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp


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