正常性バイアスによる「自分は大丈夫」という楽観視と熱中症への知識不足で起きる“間違った熱中症対策”に警鐘

カバヤ食品は、「熱中症への対策意識・行動に関する調査」(調査対象:全国の20代~60代の男女、調査方法:WEBアンケート調査、サンプル数:1000人、調査期間:6月17日~19日)を実施し、年々暑くなる気温に対しての認識が甘く、正しい対策も取れていない人が多いという現状が明らかになった。今回の調査の結果も踏まえ、より多くの人たちに熱中症の正しい知識と対策方法を普及・周知していく考え。

夏の発汗時の意識について調査するため、「通常は不足しないはずの塩分だが、スポーツ時や暑い夏場など急に大量の汗をかいた時は、水分とともに体内の塩分が出てしまい、一時的に塩分が不足してしまう事があると知っているか?」と質問をしたところ、約78%の人が知っていると回答した。

一方で、「たくさん汗をかいたときには、積極的に塩分補給をしているか?」最もあてはまるものを回答してもらったところ、「発汗時は、食事以外にも塩分補給をする習慣がある」という人が約16%にとどまり、一時的な塩分ロスの可能性や危険性を知っているにも関わらず、塩分補給を習慣化している人が少ないことが明らかになった。自分に限っては大丈夫だろうという正常性バイアスが熱中症のリスクを高めてしまっていることがうかがえる結果となっている。

発汗時の塩分摂取意識についてもさらに掘り下げて見ていくと、前項同様の「たくさん汗をかいたときには、積極的に塩分補給をしているか?」最もあてはまるものを回答してもらったところ、「発汗時でも、特になにも塩分補給の工夫はしない」「発汗時でも、なるべく塩分を摂らないように心掛けている」と約42%の人が回答していることもわかった。

理由としては、「水分補給さえしていれば十分だと思うから」が約30%、「塩分は食事から十分補給できているから」が約32%となっている。また、「塩分不足になるほど汗をかいていると思えないから」という自覚不足や「塩分の適切な摂取量が分からないから」といった悩みがあることも明らかになった。

一方できちんとした塩分摂取意識のある人に「『発汗時は、食事以外にも塩分補給をする習慣がある』『発汗時は、食事以外にも塩分補給をしたことがある』と回答した人に汗をかいた時のこまめな塩分補給では、どのような方法を活用しているか?(複数回答)」聞いたところ、「スポーツドリンクなど塩味が入っている飲料を飲んでいる」が約61%で最も多く、「塩分の入った飴を食べている」の約41%が続いた。注目するべきは約34%が回答した「麦茶を飲んでいる」という回答。麦茶に含まれるミネラルはごく少量であるため、この点を誤解している人が多いこともわかった。

ここまでのデータからも見て取れる通り、熱中症対策のための知識や意識が十分とはいえないにも関わらず、自身の熱中症対策に自信を持っている人が多くいることも今回の調査によって明らかになった。「自身は、暑い時期の体調管理や熱中症の備えができていると思うか?」という質問に、「完璧にできている」「ある程度できている」と回答した人が約48%おり、「あまりできていない」「できていない」と回答した約24%を大きく上回る結果となっている。

「『完璧にできている』『ある程度できている』と回答した人に、それはなぜか?(複数回答)」と根拠を尋ねる質問をしたところ、「水分補給をこまめにしているから」との回答が約87%で、「汗をかいたら、水分だけでなくこまめな塩分補給も意識しているから」の約40%を上回る結果になっている。この設問からも、発汗時には「水分も塩分も補給」が必要だという意識が浸透していないことがうかがえた。

さらに、熱中症対策ができているという自信が本当なのかを検証するため、前出の「実際に、汗をかく夏場に下記のような体調不良に見舞われたことはあるか?」という設問と「自身は、暑い時期の体調管理や熱中症の備えができていると思うか?」の設問をクロス集計してみたところ、調査対象者全体の1000人のうち約27%となる266人は「完璧にできている」「ある程度できている」という回答だったにもかかわらず、体調不良に見舞われたことがあるということがわかった。備えができているという自信が過信である人も散見される結果となっている。

今回、屋外と屋内において水分や塩分補給の意識差が生まれるかについても調査を行った。「仕事や部活動など屋内と屋外、どちらで身体を動かすことが多いか?」と質問をした上で、「屋内」と回答した704人、「屋外」と回答した296人それぞれに、「汗をかいたとき、水分や塩分の摂取は出来ているか?」と尋ねた。屋内の人たちは「水分は摂れている(=塩分は摂れていない)」の割合が多く、約67%が水だけを補給している状況だった。屋外の人たちと比較してみても、屋外で「塩分は摂れている」と回答した人が約10%いたのに対し、屋内では約4%。また「水分も塩分も摂れている」という回答も、屋外が約28%、屋内が約23%と、いずれも下回る結果になっており、屋内で身体を動かすことが多い人たちの方が塩分摂取意識が低下することがわかった。この傾向から見ると、発汗するほど身体を動かした際には、屋外よりも屋内の方が潜在的なリスクが高いということができそうだ。

なお、屋内で身体を動かすことが多い人たちにおいて「『水分は摂れている』と回答した人に、塩分を摂らない理由はなぜか?(複数回答)」と質問したところ「エアコンで熱中症対策できているから」が約36%、「塩分は食事から補給できているから」が約34%、「塩分の適切な摂取量が分からないから」が約21%と上位回答となっており、屋内ならではともいえるエアコンへの過信や、そもそも食事以外でどのくらいの塩分を摂ったらよいかわかっていないという悩みが見て取れた。

同様に、「『水分も塩分も摂れていない』と回答した人に、それはなぜか?(複数回答)」においては、「喉が乾いている感覚がないから」が約35%と高く、「エアコンで熱中症対策できているから」が約26%、「いつでも水分補給できる場所があるという安心感があるから」が約21%と水分補給に関する回答が続いた。また「塩分の適切な摂取量が分からないから」も約16%と比較的目立っており、塩分の適切な補給量がわからないというのは共通の悩みといえそうだ。

暑さ指数(WBGT)は、熱中症を予防することを目的として制定された指標で、労働環境や運動環境の指針として有効であると認められ、ISO等で国際的に規格化されている。この暑さ指数が33に達するときに、注意喚起のため発表されるのが熱中症警戒アラート。こうした仕組みへの理解度を調べるための聴取を行った。

「2023年は、熱中症患者発生数が急増するWBGT暑さ指数33以上で発令される熱中症警戒アラートが1232回も出たが、熱中症警戒アラート表中の熱中症予防運動指針を知っていたか?」という質問に対して、「知らなかった」と回答した人が約56%。さらに、「WBGT暑さ指数28以上の運動時には、「10~20分おきに休憩をとり水分・塩分の補給を行う」という指針が出ているが、この「塩分の補給」について知っていたか?」という質問に対しては、約62%もの人が「知らなかった」と回答した。実際に熱中症警戒アラートが出たときにどうしたら良いのか、知識が追い付いていない現状が明からになった。

また、「WBGT 暑さ指数28以上の運動時は、『10~20分おきに休憩をとり水分・塩分の補給を行う』という指針が出ているが、この頻度で『塩分の補給』を適切に行えていたと思うか?」という質問には、「問題があり、適切に対応できていなかった」および「全く対応できていなかった」と回答した人が約31%おり、3人に1人は適切な塩分摂取行動ができていなかったこともわかっている。

帝京大学医学部教授 帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター長 日本救急医学会評議員・専門医・指導医 熱中症に関する委員会委員 三宅康史先生は、「夏本番、座っているだけでも汗をかく日が続く。そんな時、水分をとることだけに注意しているのでは。意外と見落とされがちなのが『塩分補給』。暑い夏では、たくさん水分を取って、たくさん汗をかく。飲む水と出す汗の違いは、塩分が含まれているかどうかとなる。たくさん汗をかいても、それを水だけで補っていると、当然体内の塩分が減ってきてしまう。体内に正常な水分を蓄えておくためには、塩分が必要不可欠となる。塩分に含まれるナトリウムには、体内の水分をキープする重要な役割がある。そのため、汗などで体から大量の水分が失われ、ナトリウムが不足した一時的『塩分ロス』の状態だと、水分補給だけでは体内に水分を保持することができない。体内の水分量を正常に保つためには、水分と共に『適切な塩分補給』を行い、一時的な『塩分ロス』を避けることが重要になる」とコメント。

「また、実際に、汗をかく夏場に、だるさがある/気持ちが悪い/めまいがする/立ちくらみ/吐き気がする/ボーっとする筋肉がけいれんする/足がつる/手足がしびれる/体温が通常よりも高くなる汗が止まらなくなる--のような体調不良に見舞われたことはあるか?という質問に対し半数以上である約53%が不調を経験。およそ2人に1人が不調を引き起こしてしまっていたことがわかった。また、実際に不調を経験したことがある人に対し、熱中症、もしくは熱中症のような体調不良に見舞われた理由は何だと思うか?(複数回答)と質問をしたところ、『水分補給ができていなかった』と理由づけた人が約46%いた一方で、『塩分が足りなくなっていた』と理由づけた人が約19%にとどまっており、発汗時における一時的な『塩分不足』が体調不良の要因になりうることを認識している人は少ないことがわかった」と分析する。

「この意識差が生じてしまう背景として、発汗時に起こる体内での塩分(ナトリウム)の役割について、正しく知られていないということも原因のひとつではないかと思われる。急に大量の汗をかき、体内の水分と塩分が枯渇している状況で、水分だけを摂取していると、最終的には、ますます脱水症状が進行してしまうことを知っているか?という質問には、約44%は『知らない』と回答しており、こうした理解不足が『塩分よりも、水分だけを補給』という意識の偏りを生んでしまっていることが考えられる」と訴える。

「汗をかき(500ミリリットル程度)、また食事を抜いた時は500ミリのペットボトル1本の水に加えて、塩を1つまみ(0.5~1グラム前後)を一緒にとると良い。ただし、高血圧や心臓病、腎臓病のある人は、塩分の補給についてはあまり意識せず、バランスの良い3度の食事をしっかりとること、涼しい環境での生活を意識してもらうことが大切となる。ますます、暑くなっている昨今、熱中症予防対策や夏の体調管理には、一時的な『塩分ロス』を防ぐためにも、水分に加えて、塩分摂取にも気を使ってほしい。食事での摂取が基本だが、手軽に補充できるように携帯しておくこともポイントとなる」とコメントしている。


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