地震にともなう製品事故に注意!二次災害を防ぐため平時から備えよう

東日本大震災(2011年3月11日発生)からまもなく13年になる。その間にも、2016年発生の熊本地震や2018年発生の北海道胆振東部地震など大規模な地震が発生している。今年1月1日には能登半島地震が発生し、今現在も避難生活をされている人が多くいる。過去の震災では、地震そのものによる被害だけでなく、地震をきっかけにした製品事故も発生しており、注意する必要がある。製品評価技術基盤機構(NITE(ナイト))は、震災時に気を付けるポイントを発表した。

震災時には、主に地震直後に発生する製品事故と、復旧時に発生する製品事故がある。また、地震によってインフラが停止した際に使用する製品として、停電時でも電気製品の利用を可能とする携帯発電機や、ガスの供給が止まっても調理を可能とするカセットこんろ等がある。しかし、これらの製品も誤った使い方をすると重大な事故につながってしまう。自然災害は突然襲ってくる。まずは身の安全を最優先に行動すると共に、各ポイントを確認し、いざ地震に見舞われた際に二次災害を防ぐため、平時から備えておこう。

地震が発生したらまずは身の安全を確保してほしいとのこと。その上で、揺れが収まり身動きがとれるようになり時間的な余裕があれば、製品事故による二次災害を防ぐための対応をしてほしいという。また、地震が起きた際に被害が抑えられるように平時から対策をしておくことも大切とのこと。

揺れが収まったら、電気製品の電源を切り、電源プラグをコンセントから抜く。ブレーカーを切る(OFFにする)。電気製品の意図しない作動や復旧時の通電火災等を防ぐため、その場の状況に応じて、できる範囲で、使用している電気製品(特に、ヒーターを内蔵した電気こんろや電気ストーブなどの電熱器具)のスイッチを切って、電源プラグをコンセントから抜く。懐中電灯等で明かりを確保した上で分電盤のブレーカーを切る。特に、自宅から避難する際には、分電盤のブレーカーは切るようにしてほしいとのこと。

製品が転倒/転落した衝撃や落下物との接触等によって意図せず電源が入ったり、停電から復旧したりする際、電熱器具等に可燃物が接触した状態で通電してしまうと火災につながるおそれがあるという。また、製品本体や電源プラグ、電源コードが震災によって損傷している場合、故障した製品に通電された際に火災になる可能性もあるとのこと。避難時に停電や製品の損傷等がなかったとしても、その後の余震で同様の状況になる可能性があるので注意してほしいという。

ガス機器については、震度5程度以上の揺れを感知するとガスメーター(マイコンメーター)が自動的にガスを遮断する。しかし、もし使用していたガスこんろ等の火が付いている場合は、やけどしないよう慌てず火を消してほしいとのこと。また、自宅から避難する際に余裕があれば、ガスの元栓を閉めてほしいという。なお、ガスのにおいがしたら、引火するおそれがあるため、火を付けたり換気扇や電気のスイッチ等に触れたりすることは絶対に避け、窓や戸を開けて換気してほしいとのこと。地震時に慌てず素早く対応できるように、普段から分電盤やガスの元栓がどこにあるのか、どのように操作するのかを確認しておくようにするとよいという。

地震が発生した時に棚などから物が落下したり、棚そのものが倒れたりするおそれがあるため、家具はできるだけ壁に固定してほしいとのこと。あわせて、電気ストーブ等の暖房器具を使用する際は、周囲の棚や衣類などから離して設置するようにしてほしいという。地震時に物が飛散した場合、万一そばに火元があると、可燃物が接触して火災につながるおそれがある。日頃から、電気製品を使用しないときは、電源プラグをコンセントから抜いておくように心掛けることも大切だ。また、電気製品の周囲には、花瓶や水槽などの水気のあるものは置かないように注意してほしいとのこと。地震が起きたとき、水がこぼれて電気製品の内部に浸入し、ショートして発火するおそれがある。

近年の大規模地震発生時には電気に起因する火災が多く発生しており、東日本大震災では半数以上が電気関係(出典:総務省消防庁ホームページ 令和2年版 消防白書「【コラム】地震火災対策について」)、能登半島地震の輪島市大規模火災においても電気に起因した可能性があるとの調査結果(出典:総務省消防庁 消防大学校 消防研究センター「令和6年能登半島地震において発生した輪島市大規模火災における消防庁長官の火災原因調査<速報>」)がある。地震発生時に外出していたり、避難時にブレーカーを切る余裕がなかったりする場合でも、揺れを感知すると自動でブレーカーを切る機能をもった「感震ブレーカー」という機器がある。こういった機器を設置しておくことも事故を防ぐ有効な手段になるとのこと。

災害時に役立つ製品でも、誤った使い方をしてしまったり、経年劣化で使えなくなっていたりすると、思わぬ事故につながる。いざというときに正しく安全に使えるように、取扱説明書を今一度確認したり、製品が劣化していないか定期的に点検したりしよう。

携帯発電機は、排ガスに一酸化炭素(CO)などの有害物質が含まれている。使用時に換気が不十分な場合、一酸化炭素(CO)中毒になるおそれがあるという。携帯発電機は、屋内や換気が悪く排ガスがこもる場所(物置、倉庫、自動車内、テント内など)では、絶対に使用しないでほしいとのこと。

なお、屋外で使用する場合でも、排ガスが屋内に入らないように風向きなど空気の流れに注意し、風通しが良い場所で使用してほしいという。また、漏電や感電のおそれがあるため、雨天時に濡らさないよう注意してほしいとのこと。

カセットこんろにカセットボンベを接続する際は、取扱説明書に従って正しく接続することが大切になる。接続が適切でない状態で使用すると、接続部からガスが漏れ、火災に至るおそれがあるという。もし、装着後に異音(シューというガスが漏れる音)や異臭がある場合は、ガス漏れのおそれがあるので、点火動作を絶対に行わず、直ちに使用を中止し、換気を行うと共に、カセットボンベが正しく装着されているかどうか確認してほしいという。

カセットこんろには、カセットボンベとの接続部の気密を保つため、O(オー)リングやパッキンと呼ばれる部品が付いているが、製造から長期間経過すると硬化してひび割れやすくなる。災害時の備品としてずっと前から準備していた古いカセットこんろ(製造から10年が目安(日本ガス石油機器工業会(JGKA)から注意喚起されている))の使用開始前には、カセットボンベを取り付けた状態で、接続部からガス漏れによる異音・異臭がないか必ず確認してほしいという。異音・異臭が確認された際は、点火動作を絶対に行わず、火気を近づけないようにすると共に、直ちに使用を中止し、換気を行う。また、同様に長期間保管(製造から7年が目安(日本ガス石油機器工業会(JGKA)から注意喚起されている))していたカセットボンベも、ガス漏れやさびなどが生じていないことを確認した上で、早めに使い切ってほしいとのこと。

避難所などで大人数分を一度に調理しようと、カセットこんろ全体を覆うような大きな鍋や鉄板を使用しないよう注意してほしいという。また、カセットこんろを2台以上並べての使用もしないでほしいとのこと。このような使い方をすると、カセットボンベが過熱され内部圧力が上昇し、破裂に至るおそれがあり、大変危険だという。同様に、高温になる暖房器具や調理器具などの火気の近く、直射日光の当たる場所に置かないでほしいという。

避難先としてのテント内や車内など、狭い場所でカセットこんろを使用しないでほしいとのこと。周囲の可燃物に着火して火災になるおそれがあるという。また、狭い場所で使用すると、不完全燃焼を起こし一酸化炭素中毒に至るおそれがあり大変危険だ。

震災によって損傷したり、浸水したりした製品をそのまま使用するのは大変危険とのこと。メーカーの点検や修理を受けたりする等の対応をしてほしいという。外観上に異常がない場合でも、機器の使用は慎重に行ってほしいとのこと。

通電火災を防ぐため、停電復旧前に分電盤のブレーカーが切れていることを確認してほしいという。もし、地震発生時に家に居なかった、避難時に余裕がなかった等で、分電盤のブレーカーを切っていなかった場合、帰宅時にまずブレーカーを切ると共に、機器の電源プラグをコンセントから抜いてほしいとのこと。

地震やそれにともなう津波によって、損傷・浸水した電気製品やガス・石油機器は、そのまま使用しないでほしいという。内部に水が残っていたり、水に混ざった泥や塩分などの異物が内部に浸入して付着したりすると、使用再開時に火災や不完全燃焼を引き起こすおそれがあるのだとか。メーカーや販売店に相談し、点検や修理等を受けるようにしてほしいという。

浸水を免れた製品を使う際は、機器などの外観に異常がないか(電源プラグやコードに損傷はないか、製品に焦げた痕はないか、落下して破損していないか、など)を確認してほしいとのこと。外観に異常がなければ、分電盤のブレーカーを入れ、機器の電源プラグを1台ずつコンセントに差し、様子を確認しながら使用してほしいという。

もし、エラー表示が出る場合は、取扱説明書でエラーの内容を確認し、メーカーや販売店に連絡する等の適切な対応をしてほしいとのこと。決してエラー表示を無視して使い続けないでほしいという。動作の異常や異音、異臭がする場合は、直ちに使用を中止し、メーカーや販売店に相談してほしいとのこと。


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