環境・森林保全に関する価格受容性調査、環境問題に60.7%が関心も同商品・サービスに対する追加支払い許容額は平均5.3%に

NTTデータ経営研究所とNTTドコモビジネスXは20代~60代の男女1045人を対象に「環境・森林保全に関する取り組みについての価格受容性調査」を実施した(調査期間:2025年10月2日~10月9日、調査方法:非公開型インターネットアンケート(NTTコム リサーチ クローズド調査)、調査対象:20歳以上の男女、調査機関:NTTデータ経営研究所 社会・環境システム戦略コンサルティングユニット・NTTドコモビジネスX、有効回答者数:1045人(男性:526人、女性:519人))。

その結果、環境問題に関心を持つ人は60.7%に上り、森林保全に配慮した商品・サービスの購入意向は57.7%と半数を超えた。一方で、実際に購入した人は、最多の商品カテゴリでも36.7%にとどまり、意識と行動の乖離がみられた。また、同商品・サービスへの追加支払い意向は約3割、元の商品価格に対する追加支払いの許容額は平均5.3%と、環境配慮に対する現実的な受容性の水準が示された。

さらに企業などの環境配慮活動に約4割が関心を示す一方、情報を「確認していない」とする回答が約半数を占めるなど、消費者との情報接点に課題があることも明らかになった。

近年、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)による情報開示の動きなどを背景に、生物多様性や自然資本への注目が高まっている。生物多様性の保全は、森林や海などの自然資本が提供する生態系サービスを適切に維持‧管理することで実現されるもの。なかでも森林が担う生態系サービスは、日本では「森林の有する多面的機能」として整理されているが、その価値はこれまで十分に認識されてこなかった側面がある。生態系サービスの低下が顕在化する中で、その価値を理解し、保全につなげていく必要性が高まる一方、定量的な評価手法は十分に確立されていない。

また、企業が森林保全を含む環境配慮の取り組みを持続的に進めるためには、消費者の評価や行動が重要となるすが、消費者意識や価格受容性を横断的に捉えた調査は限られている。

そこで同調査では、森林に焦点を当て、消費者の意識、支払い意向、実際の購買行動を把握し、環境‧森林保全に配慮した取り組みに対する価格受容性を明らかにすることを目的に実施した。

環境問題への関心について全員(n=1045)を対象に調査したところ、「関心がある」(「とても関心がある」+「まあ関心がある」)と回答した人の割合は60.7%だった。20代では半数以下にとどまる一方、30代・40代では半数を超え、50代、60代と年代が上がるにつれて、さらにその割合が高くなる傾向がみられた。

森林の保全に配慮した商品‧サービスの購入意向については、「購入したい」(「そう思う」または「ややそう思う」)と回答した人(n=603)が57.7%となった。購入理由は「環境に良いことがしたい」(55.9%)が最も多く、次いで「森林の保全に関心がある」(47.1%)だった。

購入意向があるとして選ばれた商品は「紙製品、家庭紙‧衛生用紙」(65.3%)、「森林の保全に配慮したパッケージを使用した商品」(56.4%)、「飲料」(52.4%)など日常的な非耐久消費財が中心だった。実際に購入経験がある商品は、多い順に「紙製品、家庭紙・衛生用紙」(36.7%)、「飲料」(25.9%)、「森林の保全に配慮したパッケージを使用した商品」(20.1%)で、購買意欲に比べ、低い水準にとどまった。

また、購入意向はあると回答した一方で、実際には購入していないと回答した人(n=232)を対象にその理由を尋ねたところ、「価格が高い」(60.8%)が最も多く、次いで「本当に森林の保全に配慮しているかわからない」(37.5%)、「森林の保全に効果があるかわからない」(21.6%)が続いた。

森林保全に配慮した各種商品・サービスに対する追加の支払い意向とその程度を把握するため、全員(n=1045)を対象に調査を実施した。その結果、いずれの商品‧サービスも回答者の約3割が追加の支払いを受容する意向を示した。

追加的な支払い額の元の商品に占める比率が高くなるほど受容意向の回答割合は低下する傾向がみられ、「5%程度まで」が約15~18%、「10%程度まで」が約8~11%、「20%程度まで」が約3%前後だった。追加的な支払い額の比率は各カテゴリとも5%前後で、全体の平均は5.3%となった。

企業などの環境配慮活動のうち、関心のある取り組みについて全員(n=1045)を対象に調査した。その結果、「リサイクルの推進」(39.9%)、「二酸化炭素などの温室効果ガスの排出の削減」(38.4%)、「植林などの森林の保護」(36.9%)の順に多く、いずれも約4割が「関心がある」と回答した。

次に、企業などの環境配慮活動情報の確認方法を調査した。普段使用する確認方法としては、「商品パッケージ」(38.9%)が最多で、次いで「店舗のPOP等」(17.6%)、「CM」(17.4%)、「企業のホームページ」(14.6%)が続き、「SNS」(9.1%)は相対的に低い回答率となった。また、「使っていない/確認していない」と回答した割合が約半数を占め、環境に配慮した取り組みに対して日常的に確認していない層が一定数存在することが示された。

特に確認しやすい方法についても、普段使用する確認方法と同様の傾向がみられ、「商品パッケージ」(36.7%)が最多で、「企業のホームページ」(7.8%)、「SNS」(4.7%)は普段使用する確認方法以上に回答率が低い結果となった。

これらの結果から、消費者に環境配慮した取り組み情報を認識してもらう手段としては、商品パッケージが相対的に有効である一方、企業のホームページやSNSといったWEB上での情報発信は効果がやや限定的であることが示唆された。


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