高齢者が転びやすくなる原因とは? 筋力が弱くなることでバランス感覚も低下

高齢者にとって転倒は、健康寿命を左右する大きな事故となります。高齢者の転倒事故の原因には、筋力が弱い、体力が落ちているなどの体内要因、あるいは室内の明るさが足りない、段差がある、床や浴槽が滑りやすいなどの環境要因、さらには慌てたり急いだりして転倒してしまう行動要因があります。このほかの原因としては、完全に治ることが少ない慢性的な病気が挙げられます。例えば、脳卒中などで体の一部が麻痺してしまった場合などがあります。

この中で体内要因に注目すると、加齢にともなって筋力が弱くなることで、何でもない日常動作でもかろうじてバランスをとっている状態になってしまいます。特に、筋力の弱い女性にその傾向が強く、女性に転倒が多いことと相関しています。

また、日常生活で歩くことが少なくなることも、筋力低下の原因になります。下肢筋力は、歩行距離にして1日約3km以上歩かなければ、年齢に関係なく低下するといわれています。さらに、高齢者の歩行は、歩幅が狭くなったりすることが特徴です。前傾姿勢によってバランスを保つことがより一層難しくなってしまい、転倒しやすくなるのです。そして、杖や手すりに頼った生活をしていると、下肢筋力だけでなくバランス感覚も低下することにつながります。

高齢者の転倒で最も怖いのが骨折です。高齢者は、骨粗しょう症によって骨がもろくなっているからです。骨が太くなるのは、骨を吸収する破骨細胞と骨を作る骨芽細胞の働きによるものです。破骨細胞は、古くなった骨の成分を溶かし(骨の吸収)、骨芽細胞が骨の表面にタンパク質のコラーゲンを分泌し、その上にカルシウムを定着させていきます(骨形成)。しかし、加齢やホルモンのバランスによってこのメカニズムが上手く働かなくなり、骨粗しょう症にかかりやすくなるといわれています。(監修:健康管理士一般指導員)


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