- 健康管理!教えて!!2025/06/16 20:53
老化が進むのは活性酸素による傷害が原因? 遺伝子や細胞を傷つけて臓器などの機能を低下

人間が老化するメカニズムとしては、生まれたときにすでに遺伝子にプログラミングされているという「プログラミング説」や細胞の寿命に着目した「テロメア説」などがあります。これに対して、生きているうちに外的要因によって遺伝子や細胞が傷害を受けることで老化が起こるという説もあります。この外的要因の一つと考えられているのが活性酸素です。活性酸素とは、空気中にあるような安定した酸素分子が電子を失うことによって、とても反応性の高い、つまり攻撃的になってしまった酸素のことをいいます。
人間は酸素がなくては生きてはいけませんが、それは体内で細胞がエネルギーを生み出すのに大切な材料だからです。細胞の一つひとつには、エネルギーを生み出すミトコンドリアという細胞小器官があります。ミトコンドリアは、細胞の中で「糖や脂肪酸」と「酸素」を材料にしてエネルギーをつくり出す工場のような役割を担っています。
このミトコンドリアで酸素が消費されるときに、燃えカスのように活性酸素が発生します。厄介なことに、活性酸素は細胞の構成部分に傷害を与え、それが蓄積されていくと細胞の機能が低下してしまいます。遺伝子が傷つけられると遺伝情報が弱まってしまうので、それが積み重なることでさまざまな臓器の機能低下や臓器の萎縮、動脈硬化をもたらし、DNAが傷ついて細胞ががん化することもあります。
その結果、各細胞が構成している器官や組織の機能も低下してしまい、これが老化の一因とみられています。細胞は、この事態に対処するために、活性酸素を無毒化する機構をちゃんと備えていますが、許容量をオーバーすると傷害を受けてしまいます。体内で活性酸素が多くなる原因としては、乱れた食生活や食べ過ぎ、過剰な運動などが挙げられています。(監修:健康管理士一般指導員)