老化によって毛細血管が消える? 「ゴースト血管」が引き起こされる原因とは

毛細血管は、全身の血管のほとんどを占めており、その太さは5~10μmと非常に細く、構造は内膜(内皮細胞と壁細胞)のみで出来ているそうです。毛細血管の壁には小さな穴「小孔」が空いており、その穴を通じて、栄養素と老廃物、酸素と二酸化炭素の交換などが行われています。また、毛細血管と細胞はくっついているわけではなく、お互いの間にある「組織液(細胞間液)」を介して物質交換を行っています。つまり、血管や細胞は、組織液と呼ばれる水の上に浮いたような状態になっているのです。

体内の巡りに重要な役割を担っている毛細血管ですが、その細さから老化によって働きが衰えると、最終的に消滅してしまいます。これを通称「ゴースト血管」と呼ぶそうです。毛細血管が消滅してしまうと、当然全身の細胞へ酸素や栄養素を行き届けることができなくなり、老廃物もたまったまま回収されなくなってしまいます。

すると、シミやシワなどの肌トラブルから冷え性や身体のコリ、痛み、さらには認知症などあらゆる不調や疾患を招くようになります。毛細血管の老化は早ければ20代から始まり、60~70代になると、3~4割もの毛細血管が「ゴースト血管」になり消えてしまうことがわかっています。

では、毛細血管が老化すると、なぜ「ゴースト血管」になってしまうのでしょうか。「ゴースト血管」は、血液の巡りが悪くなり、毛細血管への血流が滞ること、また細胞壁の損傷によって引き起こされます。毛細血管は、内側が内皮細胞、外側が壁細胞という構造をしています。通常、毛細血管の壁細胞からは「アンジオポエチン-1」という物質が分泌されており、これが内皮細胞にあるTie2(タイツー)という受容体を活性化させることで、内皮細胞同士はぴったりと密着しています。さらに、内皮細胞と壁細胞も接着し、血液がスムーズに流れています。

しかし、加齢や紫外線などで過剰に増えた活性酸素によって壁細胞が傷つけられると、アンジオポエチン-1の分泌が減少し、Tie2を活性化することができなくなります。すると、壁細胞がはがれやすくなり、毛細血管が形状を保てず、内皮細胞との間に隙間ができます。そこから血液成分が漏れ出して、血流が途絶え、「ゴースト血管」につながるとされています。

毛細血管の老化や消失を防ぐためには、血液の巡りをよくしておくことや、Tie2を活性化させることが重要になります。近年の研究では、シナモンやルイボスティーなどを摂取することでTie2が活性化することがわかってきているそうです。(監修:健康管理士一般指導員)


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