においの感じ方には個人差がある? 男女でも異なるにおいの感度

においには、「快・不快」や「よい香りと悪臭」など区別があります。しかし、そのにおいがよいか悪いかの判断基準は個人個人によって異なるそうです。例えば、Aさんは「よい香り」と感じている香水も、Bさんにとっては「苦手な香り」と感じることもあります。では、なぜ人によってにおいに対する感覚が異なるのでしょうか。

一つは、育ちや経験、学習が大きく影響しています。においの電気信号が、海馬や偏桃体にダイレクトに伝わることで、記憶と強力にリンクしているからです。もう一つは先天的に備わった能力です。例えば、生まれて間もない赤ちゃんは、自分のお母さんの母乳のにおいを好み、自ら口を開けて吸うことができます。これは学習による行動ではなく、生まれながらに備わっている行動といえます。このことから、後天的に形成される好みだけでなく、先天的に遺伝子がにおいの好みを決定しているともいえるのです。

また、同じ人でも体調によって感じ方は異なり、生理状態やホルモン量の変化が嗅覚に影響します。そして、近年では、人間で約400種類ある嗅覚受容体の遺伝子の塩基配列は個人差が大きく、その差がにおいに対する感受性や好みに影響を及ぼしているともいわれています。

におい物質の多くは、複数の受容体を活性化させるため、もし一部の受容体が機能していなくても、他の受容体によってにおいを感じることができるとのこと。そのため、たくさんの受容体が機能している人のほうが、似たにおいを嗅ぎ分ける識別能力が高いということになります。

さらに、においの感度は、男女によっても違いがあるそうです。それは、においを感じる大脳辺縁系(海馬や偏桃体)の領域の神経回路に性差があるからです。例えば、汗のにおいを男性と女性が嗅いだ場合、脳で活性化される部位に違いがみられ、女性にはいい匂いでも、男性にとっては嫌な臭い、またその反対の場合もあります。

そして、たいていの場合は、女性のほうが男性よりも感度がいいといわれています。それは、女性のほうが男性よりも糸球体の反応が速く、1つのにおい物質でより多くの糸球体が反応するからです。これは、女性のほうが脳でにおいを判断するときにコントラスト(信号の強弱)をつけやすい、すなわちにおいに対する感受性が豊かであることを示しています。一方で、女性は性周期と共ににおいの感じ方が変化するとのこと。女性は感受性が豊かであるがゆえに、ホルモンの影響も受けやすい繊細さを持っているといえます。(監修:健康管理士一般指導員)


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