矢野経済研究所、ベビー関連ビジネス市場に関する調査、2024年の市場規模は前年比1.2%増の4兆4518億円に

矢野経済研究所は、国内のベビー関連ビジネス市場を調査し、ベビー用品、ベビー関連サービスの各分野別の市場動向、参入事業者の動向、将来展望を明らかにした。その結果、2024年のベビー関連ビジネスの市場規模は前年比1.2%増の4兆4518億円に達した。堅調な保育園市場に加え、価格改定等の効果によって市場はプラス推移を維持している。

2024年のベビー関連ビジネスの市場規模は前年比1.2%増の4兆4518億円と推計する。国内では出生数減少によって需要層が減少している中、当該市場は堅調な保育園市場に支えられプラス推移となった。

カテゴリー別に市場を見ると、「ベビー関連サービス(保育園)」に加え、「食品」「衣料品」「出版物・玩具」が前年比で増加、「ベビー用品・育児用品」は減少した。食品、衣料品、出版物・玩具3カテゴリーの増加要因は価格改定による押し上げ効果、需要層の縮小による販売数量の減少を価格上昇で補ったことなどが挙げられる。

育児用ミルク市場は、共働き世帯の増加を背景に、育児負担軽減のために育児用ミルクを利用する世帯が増加しているほか、育児用ミルクの利用に対する意識(授乳意識)の変化や利便性に対する認知拡大などによって、2024年においてもプラス推移を維持している。さらに、メーカー各社の価格改定による押し上げ効果や、男性の育児休業取得率の上昇による育児用ミルクの利用機会の拡大もプラス要因となっている。

ベビーフード市場は、離乳食を調理する時間の短縮や調理の簡便化に対するニーズの高まりに加え、ベビー向け加工食品に対する抵抗感の薄れなどを背景に、この数年拡大傾向にあった。しかし、価格改定効果の一巡、主要メーカーの商品改廃(終売)、物価上昇による買い控え、猛暑の影響による外出控えなどの影響で、2024年は縮小に転じた。

今後は、母親の就業率や男性の育児休業取得率の上昇によるベビーフードの利用機会の拡大、メーカーからの商品提案の継続によって、ベビーフード需要は安定推移の見込みである。一方、原材料のコスト上昇による商品ラインアップの集約などの影響が懸念材料である。

出生数減少や少子化の影響を強く受けて、ベビー関連ビジネスの市場は大きな成長が見込みにくい状況が続く見通しである。当面はベビー関連サービス(保育園)に支えられ、微増ながらもプラスでの推移が見込まれる。ただし、出生数減少のさらなる進行によってはより厳しい市場環境になることが予測され、参入事業者各社は国内需要に加えて外需の取り込みや、さらなる付加価値商品の開発・市場投入などによって、需要層の減少の影響を如何に最小限に抑えられるかが課題となる。

この数年、ベビー関連ビジネスの市場拡大を支えている保育園市場については、施設開設ペースの鈍化や利用園児数の減少によって、伸長率の鈍化が見られるものの、少子化対策・子育て支援に向けた公的資金の継続的な投入によって、引き続き堅調な推移を維持している。ただし、出生数減少が進行している中、今後、当該市場においても利用園児数の減少や保育施設の統廃合、事業者の撤退などによって伸び悩みとなる可能性が十分に想定される。

[調査要綱]
調査期間:2025年1月~3月
調査対象:ベビー・マタニティ・子育て支援関連事業者各社
調査方法:同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mail等によるヒアリング調査、ならびに文献調査併用
[小売価格]16万5000円(税込)

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp


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