NTTデータ経営研究所、ワーキングケアラー支援の実態とサービスニーズの調査、就労者の約2割が介護を経験

NTTデータ経営研究所は、NTTドコモビジネスXが提供する「NTTコム リサーチ」登録モニターを対象に「ワーキングケアラー支援の実態とサービスニーズの調査」を実施した。その結果、就労者の約2割が介護を経験していた。両立支援制度の導入が進む一方、4割超は未活用であることがわかった。また、介護期間5年以上が3割超、出産・育児支援に比べて職場に伝える「ハードルが高い」と感じる人は約5割に達した。

同調査は、就労と介護を両立する「ワーキングケアラー(=ビジネスケアラー)」に着目し、就労世代が担う介護の実態や、仕事と介護の両立における制度の現状と課題、将来を見据えた介護サービスへの意識やニーズを把握することを目的に、就労している30代~60代の男女1061人を対象に実施した。調査の結果、就労者の約2割が介護経験を有していること、企業の両立支援制度の導入が進む一方で活用が進んでいない実態、将来の介護に対する不安やサービスへのニーズの広がりが明らかになった。

日本は急速な高齢化の進展によって、家族の介護を担う世帯が増加し続けている。なかでも、就労と介護を両立する「ワーキングケアラー」は年々増加しており、経済産業省によると2030年には約318万人に達すると推計されている。また同省の試算では、介護離職や生産性低下による経済損失は約9兆円にのぼるとされており、労働力確保・生産性維持の観点からも、企業・社会全体での対応が急務となっている。

政府は2016年に「介護離職ゼロ」を掲げ、制度整備やガイドライン策定を進めてきた。近年では、同省が2024年に「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」を公表し、企業に対して積極的な取り組みを促している。一方で、支援制度の実態や従業員ニーズとの適合状況については、十分な実証データがあるとはいえない。

そこで同調査では、仕事と介護を両立するワーキングケアラーに着目し、介護の実態や仕事と介護の両立支援制度の現状と課題、将来を見据えた介護サービスに対する意識やニーズを明らかにすることを目的として調査を実施した。

現在就労する30~60代(n=1061、以下「全員」)を対象に、介護経験(同調査における「介護」とは、入浴や排泄等の身体的介助に加え、食事の支度や通院支援など、日常生活を見守り‧支援する行為を含む。また、「介護経験」には、介護施設勤務などの業務としての介護は含まない(以下、同様))の有無を確認した。その結果、「現在介護をしている」人は9.0%、「現在は介護をしていないが、以前した経験がある」人は11.5%となり、両者の割合を合計した、就労しながら介護を担っている、または担ったことがある人(以下、介護経験者)が2割を超えた。「介護をしたことがない」人は79.5%だったが、介護が身近な経験として広がりつつある実態がうかがえる。

また介護経験者(n=217)を対象に介護期間を確認したところ、「5年以上」(30.9%)が最も多く、次いで「1~3年未満」(22.6%)、「3~5年未満」(22.1%)だった。全体の5割超が3年以上にわたる中長期の介護を経験しており、介護の長期化が進んでいることが明らかになった。

全員(n=1061)を対象に、勤務先で導入されている「介護と仕事の両立支援制度」および制度の有無にかかわらず「活用が難しいと感じる制度」について確認した(複数回答可)。その結果、「介護休業制度」(19.5%)や「テレワーク‧在宅勤務制度」(13.8%)などの導入が一定程度進んでいる一方で、これらの制度に対して「活用が難しい」と感じる割合も同程度みられ、制度が整備されていても実際には活用しづらい実態がうかがえた。

また、勤務先で制度が導入されていると回答した介護経験者(n=90)のうち、「いずれの制度も活用していない」との回答が42.2%に上り、制度整備が進む中でも、実際の利活用は限定的であることが示された。

さらに勤務先で制度が導入されていると回答した人(n=309)を対象に「出産‧育児支援と比較した介護支援の制度充実度」について、また全員を対象に「介護に関する支援の必要性を職場に伝えるハードル」について確認した。その結果、「出産‧育児支援の方が充実している」と回答した人は62.1%に達し、「介護支援の方が充実している」はわずか4.5%にとどまった。また「出産‧育児よりハードルが高い」と感じる人が46.8%と半数近くを占めた。制度面および心理面の両面で、介護支援は出産‧育児支援に比べて遅れを取っていると感じる人が多い現状が明らかとなった。

全員(n=1061)を対象に、将来、自身が介護を必要とする立場になった場合に不安を感じる内容について確認した(複数回答可)。その結果、「介護してくれる人がいない/頼れる人がいない」(49.9%)が最も多く、次いで「経済的に介護を受けられるか」(36.1%)、「判断能力が低下したときの対応」(34.6%)が続いた。これらから、将来の介護に対しては、介護人材や家族の支援不足、費用負担、判断能力の低下など、人的‧経済的‧認知的な複合的リスクへの懸念が浮き彫りとなった。

[調査概要]
調査名:ワーキングケアラー支援の実態とサービスニーズの調査
調査期間:2025年10月6日~2025年10月11日
調査方法:非公開型インターネットアンケート(NTTコム リサーチ クローズド調査)
調査対象:就労している30歳以上の男女
調査機関:NTTデータ経営研究所 ライフ‧バリュー‧クリエイションユニット、NTTドコモビジネスX
有効回答者数:1061人(男性:560人、女性:501人)

NTTデータ経営研究所=https://www.nttdata-strategy.com


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