- Drink&Food2025/10/03 21:17
キリンビール、まったく新しい定番ビール「キリングッドエール」を発売、ビアソムリエの中島輝行氏が香りと味わいを絶賛

キリンビールは、「キリン一番搾り生ビール」「キリンビール 晴れ風」に次ぐ3本目の柱となる新ブランド「キリングッドエール」(350ml缶、500ml缶)を10月7日から全国で新発売する。発売に先駆けて9月29日に開催された「まったく新しいキリンビール キリングッドエール体験会」では、新ブランドの開発背景やビール開発の既成概念を取り払ってつくり上げた中味へのこだわりを紹介した他、ビアソムリエの中島輝行氏とキリンビール マスターブリュワーの田山智広氏によるトークセッションが行われた。

「『キリングッドエール』は、“日本の未来が明るくなる、いいビールをつくりたい”という想いから生まれた全く新しいビールとなる。社会にも、一人一人の人生にも、いろいろなことがある毎日だが、明るい陽気と、いいビール、そして誰かとの心地よいつながりで、今日もいい1日だと思ってもらえるように開発を進めてきた」と、「キリングッドエール」誕生に込めた想いを話すのは、キリンビール マーケティング部 新価値創造担当の立野唯花氏。「開発にあたっては、長引く物価高で節約生活を送る一方で、暮らしの中に自分に合った『ちょっとしたご褒美』を取り入れる消費行動が広がっていることに着目。ビールにおいても『せっかくならよいものを買いたい』というニーズが高まっており、今のビールはどれも似たような味で代わり映えしないという潜在不満を抱えている消費者が多いことから、いつもと違うおいしさや素材・製法にこだわったビールにチャンスがあると考えた」と、開発における着眼点について説明した。

「そして今回、素材や製法を一から検討し、『ハッとするほどフルーティな味・香り』と『後味の良さ』を両立した、満足度のある味わいの新しいビール『キリングッドエール』を上市する。『キリングッドエール』というネーミングには、キリンが目指した『おいしいエールビール』と、現代を生きる消費者や日本の未来に向けた『前向きなエール(応援)』の2つの意味を込めている」と、まったく新しいリッチ&フルーティなビールが完成したと目を細める。「パッケージデザインは、明るさと上質さを感じる、現代的なデザインを追求。『日常のちょっとしたご褒美』として手に取りたくなる、持っていたくなるようなデザインに仕上げた。価格についても、日常のご褒美でありながら、手が届く範囲の価格設定としている。今後、『キリン一番搾り生ビール』『キリンビール 晴れ風』に続く3つ目の柱として、次世代の定番ビールへと育てていきたい」と、次世代を担う定番ビールを目指していく考えを示した。

次に、同社 マーケティング部 商品開発研究所中味開発グループの宮下英理子氏が、中味開発のこだわりについて紹介した。「中身開発では、まったく新しいビールのおいしさを実現させるべく、100年以上ビールをつくり続けてきた当社の技術の粋を結集し、前例に捉われず素材や製法を一から見直した。素材では、ビールの魂であるホップに着目。ホップの香り成分のルブリンを凝縮した『Cryo Hop』を当社の工場で初めて採用した。『Cryo Hop』は、世界有数のホップサプライヤーであるヤキマチーフ社のホップ商品で、ルプリンだけをペレット化することで、苞に含まれる雑味・渋味を抑えながら、フルーティさが際立つ味わいを実現した」と、新たな素材「Cryo Hop」を採用したという。

「しかし、『Cryo Hop』には、オイル分とα酸が多く含まれるため、通常使用しているホップよりも粘度が高いという問題があった。工場でのホップ搬送の過程でホップが詰まってしまう事象が発生し、従来の工場設備では大量生産することが難しかった。そこで今回、『キリングッドエール』のために新たな設備導入を実施し、工場製造を実現した」と、「キリングッドエール」専用の工場設備を導入したことも発表した。

「製法については、当社初のブライトアロマ製法を採用。『Cryo Hop』を当社独自のディップホップ製法で加えてろ過することで、雑味を抑えながらホップの持つフルーティさを最大限に引き出す、こだわりの製法となっている。また、麦芽100%でつくることで、ビールらしい満足感のある飲みごたえも実現した。さらに、日本のビールに一般的なラガータイプ(下面発酵)ではなく、エールタイプ(上面発酵)の酵母を採用し、発酵由来の華やかさも加わったフルーティな味わいに仕上げた」とのこと。「当社が消費者に実施した事前評価では、『ビールらしいコク、後味の爽快感に、フルーティさがバランスしておいしい』、『フルーティで苦くなく、今までにない味で飲みやすい』といった声が挙がっており、特徴的な味・香りと飲みやすさを両立した独自のスタンダードビールを確立することができたと自負している。この『キリングッドエール』が、消費者のちょっとした幸せ時間につながり、日本全体が明るくなることを願っている」と、日本の未来を明るくするスタンダードビールとして市場展開していくとアピールした。

続いて、ビアソムリエの中島輝行氏とキリンビール マスターブリュワーの田山智広氏によるトークセッションが行われた。まず、中島氏が最近のビール動向について解説。「今年のビアソムリエ世界大会に出場した際に、海外のビアソムリエやビール生産者と会話する機会があったのだが、今のビールには、従来の喉越しの良さや、最初の1杯目のおいしさに加えて、一緒に飲む人や料理に合わせて楽しめる個性が求められていると感じた」と、個性のあるビールが世界的なトレンドになりつつあると指摘する。

これに田山氏は、「当社では、個性を楽しむクラフトビールとして『SPRING VALLEY BREWERY』を展開しているが、その中で、スタンダードビールにおいてもトレンドが大きく変わってきたことを実感している。そこで今回、香りという個性を際立たせながら、喉越しも味わえる新たなスタンダードビールとして『キリングッドエール』を提案する」と、定番ビールのラインアップに個性的な商品を加え、消費者のニーズに応えていくと話していた。

ここで、中島氏と田山氏が「キリングッドエール」で乾杯。一口飲んだ中島氏は、「本当においしい。ビアソムリエとしては、いろいろな表現をしなければならないが、『キリングッドエール』を飲んだ印象は、正直にいって『おいしい』の一言に尽きる」と絶賛。「香りとしては、最初に蜜柑の明るい香りが来て、その後にビワ、木の芽、ほのかにキャラメルとハチミツが感じられる。また、遠くの方でローズマリーのようなハーブのニュアンスもある。味わいは、芳しい麦の旨味に、金柑のハチミツ漬けのような明るい甘み、蜜柑の皮のような柑橘系の苦味が、バランス良く口の中で広がる。心地良い後味が長く残り、最後は上質なほうじ茶のような滋味深く、すっきりとした後味が残り、消えていく」と、ビアソムリエとして「キリングッドエール」の香りと味わいに太鼓判を押していた。

田山氏は、「中島氏のテイスティングの中で、オレンジやパッションフルーツではなく、蜜柑の香りという表現を聞いてとても嬉しく思った。『キリングッドエール』は、日本でつくるスタンダードビールなので、柑橘系でも和の果実を感じられるようにこだわった。、また、ホップには、香りを凝縮した『Cryo Hop』を使いながらも、興奮系のアロマではなく、鎮静系のアロマを引き出すため、ディップホップ製法を採用している。これによって、一口飲むごとに、華やかで上品な香りと上質な苦みが同時に訪れ、じんわりと心地よい後味が楽しめる」と、「キリングッドエール」の完成度に自信を深めていた。
「キリングッドエール」とのペアリングについて中島氏は、「『キリングッドエール』は、日本の発酵調味料との相性がよいと感じている。そのため、ペアリングとしては『銀鱈の西京焼き』がおすすめ。西京焼きの香りに、『キリングッドエール』の明るい蜜柑の香りが入ることで、味の輪郭がはっきりして、食事がさらにおいしくなると思う」と教えてくれた。田山氏は、「『キリングッドエール』は、普段の食事で気軽に飲んでもらいたいので、私としては、餃子でも唐揚げでも、ハンバーグでも、どんな料理にも合わせてほしいと思っている。また、ビールは冷えていないと美味しくないというイメージもあるが、『キリングッドエール』は香りがとてもリッチなので、少し温まっても美味しく飲むことができる。ぜひ、いろいろなシーンで飲んでみてほしい」と、定番ビールの新しい選択肢として「キリングッドエール」を楽しんでほしいと訴えた。
[小売価格]オープン価格
[発売日]10月7日(火)
キリンビール=https://www.kirin.co.jp/
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