- マイライフストーリー2025/09/11 17:45
マルハニチロ、マルハニチロ養殖技術開発センターでふくしま海洋科学館の協力を得てサンマの事業化レベルの試験養殖に成功

マルハニチロは、養殖研究を行う同社グループのマルハニチロ養殖技術開発センターにおいて、ふくしま海洋科学館の協力を得て、事業レベルに準じる飼育密度でのサンマの試験養殖を成功させた。
天然サンマの水揚量は、2008年に記録された35.5万トンから2021年には2.0万トンと、10%以下まで減少し(出典:国立研究開発法人水産研究・教育機構「サンマの不漁要因解明について」)、それに伴い卸売価格も2008年の65円/kgから2021年には621円と10倍近くまで高騰している(出典:水産庁「産地水産物流通調査」)。札幌市中央卸売市場で7月に行われた初競りでも、1kgあたり88.9万円の値が付くなど希少性は年々増加している。
サンマはDHA/EPAを豊富に含む青魚であり、生活者の「秋の味覚」として親しまれており、養殖への期待が高まっている。

マルハニチロ養殖技術開発センターでは、2023年10月にふくしま海洋科学館からサンマ卵の提供を受け、世界で初めてサンマ水槽内繁殖を成功させた同館の高い飼育技術の支援とともに、サンマ養殖の研究に着手した。
その後同センターにおいて、クロマグロやブリ、カンパチ、マダイの人工種苗生産などで長年培ってきた養殖技術や研究開発の知見を生かし、サンマ養殖に適した餌や飼育設備の検討を重ね、昨年6月に出荷目安である100gを超えるサイズへ成長させることに成功した。

また、同年8月には人工授精にも成功し、事業化に向けた技術の蓄積を継続して行っている。
今後も同社の「養殖的視点」とふくしま海洋科学館の「生物的視点」の共創によって、サステナブルなサンマ養殖の事業化に向けた技術開発に取り組んでいく考え。