TPCマーケティングリサーチ、食品添加物市場について調査、2025年の市場は前年比1.1%減の9611億円となる見込み

TPCマーケティングリサーチは、食品添加物について調査を実施、その結果を発表した。その結果、2024年の食品添加物市場は金額ベースで9722億円、数量ベースで271万6559トンとなった。2025年の食品添加物市場は、前年比1.1%減の9611億円となる見込みであることがわかった。

2024年の食品添加物市場は金額ベースで9722億円、数量ベースで271万6559トンとなった。金額ベースではほぼ前年並みの規模となった。これについては2022年から2023年にかけて各食品添加物の価格が高騰したことが遠因であり、2024年は一部の価格が落ち着いたものの、全体的に価格が高騰・高止まりするケースが多くなっている。また、数量ベースについても前年から0.5%減となっており、ほぼ前年並みの規模を維持した。種類によって価格変動が激しいものの、コロナ禍からの正常化に伴う業務用市場やインバウンドニーズの回復といったプラス要因もあり、全体的に安定した需要を維持している。

食品添加物市場の課題としては、(1)原料価格の高騰・コスト上昇、(2)主要用途の需要飽和・減少、(3)代替技術・代替素材の台頭、(4)無添加・クリーンラベル志向・ネガティブイメージによる忌避などが挙げられる。(1)については、製品価格への転嫁が思うように進まないことなどが課題であり、付加価値を高める取り組みが活発化している。例えば甘味料メーカーでは、体験価値や感性価値につなげるための“甘さの完成度”を追求する研究開発に注力していることなどが挙げられる。また、(2)に対しては、顧客の不便や不満を解消する製剤の開発、プラントベースフードなど成長市場での用途開発を推進している。具体的には用途の自由度を高め、従来使いにくかった用途を開拓したり、原料素材の不快な風味や苦味といった特有の課題を解決する製剤の提案が活発化している。このほか、(3)については、代替技術との共存を図るべく、競合技術ではカバーできていない課題への対応などが進められている。

2025年の食品添加物市場は、前年比1.1%減の9611億円となる見込み。その後は微増で推移し、2028年には年平均成長率(2019~2028年)で2.2%増の9874億円となる見通し。品目別の年平均成長率(2019~2028年)を金額ベースでみると、食用色素や酸味料の成長率が高いものの、数量ベースでみると多くの品目で停滞傾向が続くことが予測される。国内では少子高齢化によって末端市場が縮小傾向にある中、参入各社は今後のさらなる成長を目指し、製品の付加価値向上や用途開発による需要開拓などに取り組んでいく方向にある。

同資料は、食品添加物の主要11品目に焦点を当て、市場規模、製品概況、主要企業の動向などについて調査を実施。各市場の課題や今後の市場性を分析し、今後の関連事業の戦略策定の一助となる情報を提供することを目的としている。

[調査要覧]
調査対象品目:甘味料、食品香料、品質改良剤、増粘安定剤、食用色素、乳化剤、酵素、酸味料、栄養強化剤、保存料・日持向上剤、酸化防止剤
調査実査日:5月~8月

TPCマーケティングリサーチ=https://www.tpc-cop.co.jp


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