- Cosme&Beauty2025/07/23 20:13
富士経済、メンズコスメティックスとヘアケア・ヘアメイク化粧品の国内市場の調査、2025年見込ではメンズ整肌料が326億円に

総合マーケティングビジネスの富士経済は、男性のスキンケア意識の高まりで成長が続くメンズコスメティックス市場と、高単価化に加え、機能性や成分訴求といったスキニフィケーション発想の商品展開が進むヘアケア・ヘアメイク化粧品市場を調査した。その結果を「化粧品マーケティング要覧 2025 No.3」にまとめた。トピックスとして、2025年国内市場見込(2024年比)では、手軽なオールインワンタイプが市場をけん引。高機能化も進むメンズ整肌料が326億円(4.5%増)と予測する。機能性や成分を訴求した高単価商品が増加。プラスワンアイテムの展開も広がるインバスヘアトリートメント(家庭用)は、791億円(6.2%増)に達するとみられる。
この調査では、ヘアケア・ヘアメイク化粧品7品目、メンズコスメティックス7品目について最新の市場を捉え、将来を展望した。なお、「同 No.1」ではメイクアップ化粧品とフレグランスの市場の調査結果をまとめ、その概要は5月に、「同 No.2」ではスキンケア化粧品とボディケア用品の市場の調査結果をまとめ、その概要は7月にそれぞれ発表した。
メンズコスメティックスは、男性用のシャンプー・リンス、スタイリング剤、スカルプケア、シェービング料、洗顔料、整肌料、ボディケア用品を対象とする。
リモート会議などで自身の顔を見る機会が増えスキンケア意識が高まったことなどから、近年市場は成長を続けてきたが、2024年は前年比0.3%減となった。同年はメンズ整肌料が好調を維持した一方、規模の大きいメンズシャンプー・リンスやメンズスカルプケアなどが苦戦した。メンズシャンプー・リンスはユニセックスで利用できる女性用シャンプーへの需要流出、メンズスカルプケアは医薬品との競合激化が主な要因となっている。

メンズ整肌料は、保湿ケア化粧品(化粧水、乳液、モイスチャー他)、顔拭きシート、メイクアップ化粧品(ベースメイク、ポイントメイク)を対象とする。市場は近年拡大が続いており、特にワンステップでケアが完了するオールインワンタイプの保湿ケア化粧品の需要が旺盛である。オールインワンや美容液、モイスチャークリームを含むモイスチャー他カテゴリーは2023年に前年比約30%の大幅増、2024年も前年比約15%増で市場をけん引している。保湿ケア化粧品の需要は手軽なオールインワンタイプへ集中しており、手軽さや保湿の訴求のみならず、エイジングケアなどの機能性を訴求したアイテム展開も進んでいる。一方で化粧水や乳液といった単品の保湿ケア化粧品は新規需要の獲得に苦戦するケースもみられる。メイクアップ化粧品は、青髭対策のBBクリームが順調に伸びている一方、他のアイテムはリピート獲得に課題があり、2024年は微減となった。若年層を中心にメイクへの抵抗感は薄れつつあるが、現状ではメイクアップ未経験層が多く潜在需要の掘り起こしが課題となっている。
インバストリートメント(家庭用)は、リンス・コンディショナーと同様にシャンプーと併用する商品(レギュラー)や、より補修力が高いことを訴求した商品(スペシャルケア)に大別される。近年はドラッグストアにおいてリンス・コンディショナーに代わってデイリーユースのヘアトリートメントをラインアップするブランドへの置き換えが進み、市場は着実に成長してきた。また、スキンケアにおいて成分訴求が活況であるのと同様に、新規性の高い成分を配合した商品の投入が増加している。2024年から2025年にかけてリンス・コンディショナーからの置き換えは一段落したとみられるものの、2025年も大手トイレタリーメーカーから1500円以上の商品が投入されており、短期的には単価上昇が市場拡大に貢献していくとみられる。また、トリートメント効果を高めるブースターなどの新たな提案が見られ、使用アイテム数の増加による今後の市場拡大が期待される。
アウトバストリートメント(家庭用)は、オイル剤型がメインであるが、近年は剤型のバリエーションが増えて新規需要の獲得に寄与している。また、副次的にヘアスタイリング機能を訴求している商品では、ヘアスタイリング剤からの需要シフトもみられる。2024年は剤型の多様化が進み市場が活性化し、なかでもオイルやミルク剤型の商品が好調であった。今後もヘアスタイリング剤からのシフトが予想されるほか、メーカーによってはプラスワンアイテムとして訴求する商品をインバストリートメント(スペシャルケア)から、アウトバストリートメントにシフトする動きもみられ、市場拡大が続くと予想される。一方で新商品投入が多く競合が激化しているため、各商品の売上拡大には機能性以外に香りのバリエーションや剤型での差別化が不可欠である。

ヘアケア・ヘアメイク化粧品の国内市場は、近年、ヘアケア意識の高まりから単価上昇が進み堅調な市場拡大を続けている。2024年はこれまで新興企業が中心であった高単価ブランドの展開がトイレタリー企業の大型ブランドでもみられ、単価上昇が市場拡大に貢献した。またYoutubeなどにおいて、シャンプーなどヘアケアアイテムの成分解説をする動画コンテンツが増加し、配合成分を重視して商品を選択する動きが活発となった。商品面でも成分や機能性を訴求した展開が進んだほか、プレシャンプーやブースタートリートメントといった、プラスワンアイテムを取り入れたケアの提案もみられた。ヘアケア業界では、スキンケア化粧品の成分やケア手法を取り入れる「スキニフィケーション」の考え方が広がっている。2025年は、前年に増して成分や浸透技術を打ち出した高単価なインバスヘアケア(シャンプー、インバストリートメントなど)が活況であるほか、ヘアケアのステップを増やすプラスワンアイテムの広がりも期待され、市場拡大が続くとみられる。
[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]3月~6月
[小売価格]
書籍版:16万5000円
書籍/PDF版セット:19万8000円
書籍/PDF+データ版セット(全体編):22万円
ネットワークパッケージ版:33万円
(すべて税込)
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