- 健康管理!教えて!!2025/06/20 23:27
脳における「グリア細胞」の働きとは? 神経細胞のサポート機能や免疫機能の役割も

脳は、「神経細胞」と「グリア細胞」の2種類の細胞で構成され、私たちが人間らしくいられるために健康で正しい心や体の働きをコントロールしています。では、脳においてグリア細胞はどのような働きをしているのでしょうか。
グリア細胞とは、神経膠細胞とも呼ばれ、神経組織において神経細胞ではない細胞の総称をいいます。グリア細胞の数は神経細胞の10倍といわれており、グリア細胞のグリアとはギリシャ語で「接着剤」という意味です。その名の意味通り、グリア細胞は、神経細胞の間を埋めるように密着しています。グリア細胞の主な働きは、神経細胞に栄養分を補給したり、損傷した神経細胞の修復をしたりと細胞の働きをサポートする役割を担っています。また、健康な心と体を維持するために脳内への異物の侵入を阻止する機能を備えています。
グリア細胞には様々な種類がありますが、アストログリア(星状グリア細胞)、オリゴデンドログリア(稀突起グリア細胞)、ミクログリア(小グリア細胞)の3つが主な働きをしているといわれています。
いままで、グリア細胞は神経細胞のサポート役としか考えられていませんでしたが、近年の研究から、脳の高次機能は、実はグリア細胞によって支えられている可能性が高いことや、神経細胞が置かれた状況を監視しながら神経細胞を守ろうとする免疫機能の働きをしていることがわかってきています。
脳における免疫機能の役割(脳内を正常な状態に保つ)を担っているのがグリア細胞のミクログリア(マクロファージが脳に移行して姿を変えたもの)です。ミクログリアは、死んだ神経細胞や異物を取り込み、貪食(分解・消化)することによって新しい神経回路を作りやすくしています。(監修:健康管理士一般指導員)