ストレッサーに対処する「前頭前野」の働きとは? 理性を発揮し落ち着いて次の行動を意思決定

「前頭前野」は、思考や創造性を担う脳の最高中枢と考えられており、生きていくための意欲や情動に基づく記憶、大脳全体から得た情報をもとに現状を認識し、未来に向け計画を立て実行し評価していく司令塔のような役割を果たしています。そして、私たちが日々受けるストレッサーへの対処にも深くかかわっているといわれています。

ストレッサーが大脳皮質の感覚領域を経て前頭前野に伝わると、背外側部を中心とした理性的な情報処理を行い、情動を抑えていく反応が起こります。理性を発揮する上では、背内側部での社会性に基づく観点も取り入れられます。例えば、仕事で失敗やミスをしてしまった場合、上司に怒られたり、自分を責めたりすることで、扁桃体において悲しみや怒り、今後の不安などの情動が生まれます。この情動の強さは、失敗の度合いが大きいか小さいか、あるいはその失敗が初めての経験なのか、過去にも似たような経験がありその記憶が加わるのかによって違ってきます。

こうした状況になると、前頭前野では、悲しみや怒り、不安を抑え取り除こうとして理性を発揮し、落ち着いて考え、判断し、次にどう行動するのかの意思決定をするようになります。情動の強さや似たような経験の有無によっては、過ぎに抑えられることもあれば、時間を要することもあります。このような流れで、前頭前野は様々なストレッサーに対処しているのです。

ちなみに、前頭前野は、脳の中での発達が最も遅い部位の一つとされています。子どもから大人になる過程で、様々な経験や思考を繰り返すことで発達が進み、20歳代で完成すると考えられています。一方、老化にともなって最も早く機能低下が起こる部位としても知られています。例えば、認知症になると記憶力の減退がみられますが、前頭前野の機能も低下することで、意欲が低下し、計画を立て実行することが困難になるなどの状況に直面してしまうこともあります。(監修:健康管理士一般指導員)


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