ビデオリサーチ「ひと研究所」による生活者研究の情報から10年で平均睡眠時間は増加傾向、20代は約8時間30分に

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ビデオリサーチ内の生活者に関するシンクタンク「ひと研究所」では、同社のマーケティングデータなどをもとに、生活者の意識・行動について研究している。今回は、世界睡眠デー、春の睡眠の日を前に、生活者の平均睡眠時間の推移と、10年で睡眠時間が増加している背景について、ひと研究所 所長 渡辺庸人氏の分析を紹介しよう。

生活者行動を示す同社マーケティングデータ「MCR/ex」の2016年から2025年調査結果をもとに、10代から60代男女の平均睡眠時間の推移をみたところ、10年の平均睡眠時間は増加傾向。2016年の7時間18分から、2025年は18分増加の7時間36分に達した。また、2020年コロナ禍を機に在宅時間が増えたことによって、睡眠時間の増加幅も上昇したと考えられる。

性年代別の平均睡眠時間変化(2016年→2025年)を見てみると、男女10~50代で増加傾向にある。20代は男女ともに8時間20分超、女性30代も30分以上増加で8時間以上に達した(男性は10代が7時間58分→8時間10分/20代が7時間54分→8時間25分/30代が7時間24分→7時間53分/40代が6時間58分→7時間19分/50代が6時間47分→7時間6分/60代が7時間14分→7時間4分、女性は10代が7時間36分→8時間4分/20代が8時間4分→8時間23分/30代が7時間29分→8時間3分/40代が6時間53分→7時間23分/50代が6時間44分→7時間1分/60代が7時間8分→7時間8分)。

ひと研究所 所長の渡辺氏は、「生活者の睡眠時間は、コロナ禍を契機に増加傾向がみられる。外出自粛や在宅勤務の拡大によって、通勤・通学などの移動にかかる時間が減少して朝早く起きる必要がなくなったことが主なきっかけ・背景となる。こうした生活リズム・パターンの変化は一時的なものにとどまらず、その後、一定程度社会的にも定着し、現在に至る」と、10年間の平均睡眠時間推移を分析する。「若年層では、学校(大学)でのリモート講義の実施や、働く環境において在宅勤務が可能になったことなど、コロナ禍による生活環境の変化が睡眠時間に大きく影響していると考えられる。一方で中高年、専業主婦層はそもそもコロナ禍においても生活スタイルの大きな変化が比較的少なかった人々も多く、睡眠時間への影響が限定的だったとみられる」と、世代別傾向についての見解を示す。

睡眠時間が増えている要因について、「コロナ禍での生活変化がきっかけとなり、移動や外出をしなくても社会活動(学校、仕事、買い物など)ができるようになったという環境変化が要因として挙げられる。加えて、飲食店など各業界でも働き方改革、あるいは労働力不足の課題などもあり、深夜まで営業している店舗が減少したことも影響しているとみられる。夜間の外出機会や外出時間が減り、早めに帰宅・就寝する生活スタイルが広がっている可能性がある」と、環境の変化を要因に挙げる。

「メディアの変化も影響していると考えられる。スマートフォンとSNSや動画サービスの普及によって、いつでもどこでも情報やコンテンツを得られるようになった。また、テレビやラジオもタイムシフト視聴が以前と比較して手軽に利用できるようになってきている。その結果、“夜に寝ないでコンテンツを見聞きする”ことをせず、翌日以降で各々の都合のいい時間にコンテンツを見聞きすることが増えたことで、睡眠時間が確保しやすくなってきているといえる」とも指摘。

「“日本人は睡眠時間が短い”という話は長くマスメディアで報道されてきており、教育の場でも睡眠の重要性を教えているという話も聞く。また、働き方改革などの流れの中には当然、睡眠をきちんととるという意識が高まる要素もある。依然として睡眠時間は国際比較では短いかもしれないが、徐々に意識の上では睡眠の重要性を理解してきていると考えるのが妥当かと思われる。そもそも人間には睡眠欲求があり、一般的に“日本人は睡眠時間が国際的に比較して短い”といわれている状況であるならば、欲求を制限する動機や必然性(メディア利用、仕事、深夜外出など)が小さくなると、睡眠時間が増えていくのは、ごく自然な流れと考えられる」と、心理変化も影響しているとコメントしている。

「睡眠時間が少ないことによる美容・健康面でのデメリットはさまざまに指摘されてきた。それは、現在の美容・健康状態だけでなく、将来的な悪影響についても語られている。こうした状況から、長期的な“パフォーマンス”の観点でみると、睡眠はコスパ・タイパが良い美容・健康法であると考える人が増えてきても、不思議ではない。ひと研究所では、長期的、将来的なメリットも見据えた消費行動を『ミライマ消費』と呼んでいるが、睡眠も現在のパフォーマンスだけでなく、未来のパフォーマンスも高めるためにとても大事であると認識されるようになってきているといえる。すると自然と、お金の使い先として睡眠に関わるモノ・コトへのニーズが高まってきていると考えられる」と、睡眠の質に投資する消費行動について解説する。

「睡眠時間の増加は、一過性のものではなく、生活行動や消費意識の変化などの結果、起きていると考えられる。さらに美容・健康の文脈においても日本人はもっと睡眠時間をとるべきという前提で考えると、過去と比較して睡眠時間が伸びている現在の状況は、今後も一定程度続くとみられる」と、今後の見通しを示した。


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