- Health&Medical2026/02/13 17:41
年末年始の生活実態調査で「9連休高血糖」のリスクが明らかに、血糖値の重要指標「HbA1c」をチェックして早期対策を

日本生活習慣病予防協会は、2月の「全国生活習慣病予防月間」を機に、冬、特に年末年始休暇の生活習慣にどのような健康リスクが潜んでいるかを探るため、20~69歳の男女約2500名を対象に調査を実施した。今回の調査では、年末年始の休みが「9連休以上だったグループ」(以下、9連休以上グループ)と、「9連休未満のグループ」(以下、通常連休グループ)の2つに分け、休暇の長さによって生活習慣にどのような違いが出るかの実態を調査した。この結果、9連休以上グループは通常連休グループに比べ、「生活リズムの乱れ」「暴飲暴食」「運動量の低下」など、高血糖のリスクをまねく生活習慣の項目が、いずれも10pt以上高い水準にあることが明らかになった。この調査結果について、日本生活習慣病予防協会 代表/東京慈恵会医科大学大学客員教授の和田高士先生に解説してもらった。

調査ではまず、年末年始の食事の回数を聞いたところ、「普段よりも増えた」と回答した人の割合は、9連休以上グループでは36.1%だったのに対し、通常連休グループでは28.8%と、7pt以上の大きな差があった。和田先生は、「自由時間が多いため、通常よりも食事のタイミングが不規則になり、食事間食が増えたと考えられる」と分析する。

年末年始の食事で摂取量が増えた食べ物を聞くと、「甘いもの」は9連休以上グループでは44.2%、通常連休グループでは34.0%となり、両グループで10pt以上の差が見られた。「白米・餅、麺類、パン類」など炭水化物については、9連休以上グループでは42.6%、通常連休グループでは33.5%が増えたと回答。こちらも、各グループで10pt近くの差が見らた。一方、「酒類」に関しては、9連休以上グループでは36.0%、通常連休グループでは30.1%が増えたと回答。各グループで差はあるが、甘いものや炭水化物と比較すると少ない差となった。この結果について和田先生は、「正月は日本の食文化として、おせちや餅など糖質が高いものを食べる習慣がある。人が集まる機会も多く、間食の機会も増え、日常生活と異なる食べ物を口にする機会が必然的に増える」と指摘した。

年末年始の「暴飲暴食」(食べ過ぎ、飲み過ぎ)については、9連休以上グループでは48.3%が「したと思う」と回答したのに対し、通常連休グループは36.9%と、11pt以上の開きがあった。和田先生は、「年末年始の不規則で偏った食生活が、暴飲暴食の自覚につながっていると思われる」と分析している。

年末年始の1日の平均歩数や運動量については、9連休以上グループでは51.5%が「減った」と回答。通常連休グループでは42.9%と、約8ptの差があった。和田氏先生、「年末年始は気温が低く、外での運動が少なくなるためではないか」との見解を述べた。

年末年始の体重について、9連休以上グループでは39.5%が「増えた」と回答。通常連休グループでは31.3%と、約9ptの差があった。和田先生は、「年末年始の体重の増加は、暴飲暴食による摂取エネルギーの増加と運動量の低下による消費エネルギーの減少の結果」であると解説した。

年末年始の生活リズムについて、9連休以上グループでは49.6%、通常連休グループでは38.0%と、約12ptの差があり、質問群の中では最も大きな差を示した。これについて和田先生は、「年末年始の休暇による飲食、運動、睡眠などすべての要素が平常と異なった総合的な指標となった」と分析する。

「生活習慣病の中で最もなりたくないもの」への回答では、「糖尿病」が54.4%と1位で、内臓脂肪型肥満や高血圧症、脂質異常症など他の疾病と大きく差がある結果となった。

さらに「自身が糖尿病になる可能性が高いと思うか」という質問では、31.4%が「高いと思う」と回答しており、その理由としては、「炭水化物が好きだから」が48.4%で1位、「スイーツや甘い飲料が好きだから」が48.2%で2位と、食事面での不安が大きく出た結果となった。

健康診断の項目の中で、認知度が最も低かったのは「HbA1c(ヘモグロビンA1c)」で、約半数の46.4%の人が「知らない」と回答した。HbA1cは、血液中の赤血球にあるヘモグロビンとブドウ糖が結合した割合(%)を示し、過去1~2ヵ月間の平均的な血糖値の推移を示す中長期的な指標。直前の食事や運動に左右されないため、血糖コントロールの重要指標とされている。生活習慣病の中で最もなりたくない病気の1位が糖尿病だったにも関わらず、血糖値の状態を知る上で重要な指標であるHbA1cを知らない人が約半数いるという矛盾した現実が浮き彫りとなった。
この結果を受けて和田先生は、「アルファベットと数字の組み合わせから、血糖値に関する指標とイメージしにくい人もいると思う。しかし、HbA1cは血糖値のコントロールにおいて非常に重要な指標であるため、ぜひ一人でも多くの人にその存在と意味合いを正しく理解してほしい」とコメントしている。

また、「HbA1cという言葉を理解している」「見聞きしたことがある」と答えた人の中でも、「血糖値との違いを理解している」と回答した人は29.6%と、3割未満にとどまる結果となった。その中でも「HbA1cが直近1~2ヵ月という長い期間での平均的な血糖値の推移を示す指標である」ことを正しく回答できた人は、53.6%だった。全体の割合では、HbA1cについて正しく理解している人は、8.5%と1割未満にとどまった。糖尿病患者に絞った結果でも、理解率は51.8%と半数程度にとどまり、当事者であっても約半数がHbA1cを正しく理解していない実状が明らかになった。

今回の調査結果を踏まえて、和田先生は、「年末年始の休暇に、しっかりと休養を取ることは大切。その反面、食事や運動、生活リズムが乱れ、高血糖をまねく生活習慣に陥るリスクが高いことも知られている。休みの長さに着目したデータはこれまでなかった。今回の調査では、9連休以上グループと、通常連休グループを比較したところ、9連休以上グループのほうが顕著に食生活、運動習慣、生活リズムすべての乱れが強くなっており、高血糖になっている可能性が明らかになった」と、年末年始に生活習慣が乱れてしまった人は糖尿病の起因にもなる高血糖状態に要注意と指摘する。
「2~3月は、冬の暴飲暴食や運動不足も影響し、血糖コントロールの重要指標であるHbA1cが、年間で最も高い時期。年末年始の生活習慣に不安がある人は、まずは自身のHbA1cの値をチェックし、数値が高かったり、これまでよりも数値が上昇している場合には、早期に対策を検討することをおすすめする。特に今年は、ゴールデンウィークやシルバーウィークも、休みの取り方によっては9連休以上になる。仕事の疲れを癒しつつも、食生活や運動など、できるだけ安定した生活リズムを心がけ、血糖コントロールを意識していってほしい」と、HbA1cをチェックして早めに対策することの重要性を訴えた。
日本生活習慣病予防協会では、今回の調査結果を受け、日ごろからの食事や運動による血糖コントロールの重要性の啓発を強化していく考え。
[調査概要]
調査名:冬の生活実態調査
調査主体:日本生活習慣病予防協会
調査対象:全国の20~69歳男女
回収サンプル数:2534人(年末年始9連休以上1029人、9連休未満1505人)
調査方法:WEB調査
調査期間:1月10日(土)~12日(月)
日本生活習慣病予防協会=https://seikatsusyukanbyo.com/
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