富士経済、市販薬の国内市場の調査、高価格帯製品などが伸びるとみられ2026年は2024年比3.5%増の7289億円を見込む

総合マーケティングビジネスの富士経済は、2025年は、CVSへの販売条件緩和、要指導医薬品のオンライン販売解禁などの改正薬機法の可決・成立、また、OTC類似薬制度見直しの議論などによって注目される市販薬の国内市場を調査した。その結果を「一般用医薬品データブック 2025-2026」にまとめた。その結果、制酸薬や点鼻薬、しみ改善薬などが注目。2026年市場予測(2024年比)では、2025年のプロトンポンプ阻害薬発売が貢献する制酸薬が60億円(27.7%増)、花粉飛散量の増加と上位企業の販売強化によって拡大が続く点鼻薬が90億円(25.0%増)となり、市販薬の国内市場は”医療用と同成分配合”をセールスポイントにした高価格帯製品などが伸びて7289億円(3.5%増)にを見込む。

この調査では、17カテゴリー74品目の市販薬の市場規模推移、市場占有状況、製品トレンド状況などを捉えた。また、品目によっては市販薬の市場動向に大きな影響を与える指定医薬部外品についても市場動向を把握している。

制酸薬は、ストレスなどに起因して過剰に分泌された胃酸を中和して取り除き、胃の機能回復を促進する胃腸薬を対象とする。ストレスによる胃酸逆流だけでなく、飲み過ぎによる胸やけや胃もたれ、吐き気などの悩みを抱える人は多いことから潜在需要が大きい。しかし、未利用者の開拓が進みにくく、総合胃腸薬などへの需要流出もみられたため、2024年まで市場縮小が続いた。

2025年に胃散の分泌を抑え、胸やけ、胃痛などに効果のあるプロトンポンプ阻害薬が要指導医薬品として承認された。それに伴い発売された3製品は、展開する企業が重点製品と位置づけて販売を強化しており、要指導導医薬品の取り扱い可能な店舗への配荷率も高い。また、プロトンポンプ阻害薬の登場を受けて、既存製品の販売強化を再開する動きもあり、市場は拡大に転じるとみられる。

プロトンポンプ阻害薬は医療用から転用されているが、展開する企業は医療用の使用経験のない人に対してアプローチするため、2026年以降もプロモーション活動の強化を続ける意向であり、市場は堅調な伸びが予想される。将来的に、プロトンポンプ阻害薬が第1類、第2類へとリスク区分が変更されれば、さらなる市場拡大の可能性もある。

点鼻薬は、外用薬である鼻炎用点鼻薬を対象としている。薬効分類上、感冒関連用薬の耳鼻科用薬に含まれ、鼻水・鼻づまり等のアレルギー症状に対して使用される。花粉の飛散量によって市場は左右される傾向にある。2024年は前年に比べると花粉の飛散量が少なかったため市場は微減となったが、2025年は前年と比べて花粉飛散量が増えたことや、有力製品のリスク区分が第1類から第2類へ移行したこと、また、上位企業が新製品を発売し積極的なプロモーションを行っていることから、市場は前年比二桁増になるとみられる。温暖化の影響で毎年夏場の猛暑が続いていることから花粉の飛散量は年々増えており、それに伴い花粉症患者数、点鼻薬の需要は増加が続くと予想される。

しみ改善薬は、しみ・そばかすの緩和などを効果・効能とするビタミンC主薬製剤、L-システイン製剤、トラネキサム酸製剤などを対象とする。コロナ禍で一時需要が低迷したが、2022年以降は再び市場拡大が続いている。2024年は、前年までの急拡大の反動や一部製品が供給不足となったため市場の伸びは鈍化したが、インバウンド需要の増加やSNSを通じて若年層を中心に需要開拓が進むなどのプラス要因もみられた。2025年は、店頭販売製品の主要ブランドが積極的なプロモーション展開によって好調である。また、インバウンド需要が継続しているほか、広告を変更したことで急激に売れ行きが伸びた通販製品があり、市場は前年比二桁近く伸長するとみられる。2026年は、店頭販売製品の好調が続くことに加え、通販製品の大幅な伸びが貢献することから、順調な市場拡大が予想される。今後も若年男性層などの新規需要を獲得し拡大が続くとみられるが、物価高の影響を受けて、低価格なビタミンCサプリメントへの需要流出などが懸念される。

市販薬の国内市場の2025年は、需要が低価格帯と高価格帯に二極化する動きがみられ、特に“医療用と同成分配合”をセールスポイントにした高価格帯製品は効果が実感しやすいなどの要因から好調で、市場拡大をけん引している。カテゴリー別ではアレルギー用薬、ビタミン剤、胃腸・消化器官用薬、ドリンク剤、生活改善薬などが好調である。アレルギー用薬は2025年春先の花粉飛散量が多かったことから、特に点鼻薬が大きく伸びている。ビタミン剤はインバウンド需要拡大やSNSによって若年層需要を開拓しているしみ改善薬、シェア上位企業の積極的なプロモーションが奏功しているビタミンB1B6B12主薬製剤がけん引している。胃腸・消化器官用薬はプロトンポンプ阻害薬の発売が需要の活性化につながっている。また、近年好調な漢方処方エキス製剤では、防風通聖散は伸長が続いてきた反動がみられるが、八味丸・八味地黄丸や柴胡加竜骨牡蛎湯、加味逍遥散などの需要が高まっている。市場規模の大きい感冒関連用薬は、パーソナル対応製品、高機能製品が好調である。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]2025年8月~11月
[小売価格]
書籍版:25万3000円
書籍/PDF版セット:28万6000円
書籍/PDF+データ版セット(全体編):30万8000円
ネットワークパッケージ版:50万6000円
(すべて税込)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp


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