- Cosme&Beauty2025/12/05 12:45
矢野経済研究所、自然派・オーガニック化粧品市場に関する調査、2024年度の市場は前年度比103.1%の1835億円と推計

矢野経済研究所は、国内の自然派・オーガニック化粧品市場を調査し、製品カテゴリー別や流通経路別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。その結果、ナチュラルな処方でありながら機能性を兼ね備えた商品開発の進展が市場を後押しし、2024年度の自然派・オーガニック化粧品市場は前年度比103.1%の1835億円と推計した。
2024年度の自然派・オーガニック化粧品市場は、ブランドメーカー出荷金額ベースで前年度比103.1%の1835億円と推計した。
伸長の要因として、SDGsやサステナブルといった環境保全を意識した行動やライフスタイルへの関心の高まりから、自然派・オーガニック化粧品への認知や理解が進んでいることが挙げられる。
また、自然由来のナチュラルな処方でありながら特定の肌の悩みに対応するために機能性を兼ね備えた商品開発が進んでいることも、市場拡大を後押ししている。
さらに、ブランドの理念や価値観への共感に基づく購入ケースが増加しているほか、消費者のライフスタイルに訴求するブランドコミュニケーションや、シンプルでファッション性のある洗練された容器デザインといった要素が需要を後押ししており、自然派・オーガニック化粧品市場の成長余地は依然として大きい。
自然派・オーガニック化粧品において、近年では一般化粧品同様の機能性を求められることから、エイジングケア・美白ライン・UVケアなどの機能性をもつ製品開発が盛んである。開発動向としては、ブランドのプレミアムラインや新カテゴリーの展開、製品リニューアルを通じた高機能化が進んでいる。
肌タイプ別では、乾燥肌や敏感肌対応の製品をラインアップするブランドが多い。近年の市場環境から、自然派・オーガニック化粧品であることだけでは訴求力には欠けるため、使用感や機能性の向上が重要となっている。その結果、一般化粧品との垣根は次第に薄れており、機能性の向上により一般的な化粧品と併用されるケースも見られる。
また、SDGsやサステナブルといった環境保全を意識した行動やライフスタイルへの関心が広がる中で、ブランドのコンセプトや開発背景などのストーリー性、製品の研究開発過程を改めて消費者に訴求する傾向が増加しつつある。参入各社は、そのような要素を訴求することで、ブランドへの理解や共感を深め、新規顧客の獲得やリピート促進に努めている。
2025年度の自然派・オーガニック化粧品市場は、前年度比102.5%の1880億円と予測する。
社会におけるSDGsやサステナブルへの関心の高まりは、市場への追い風である。一方で、参入ブランドの売上高は減少傾向にある企業も少なくなく、市場環境は厳しさを増している。また、自然派・オーガニック化粧品市場におけるインバウンド(訪日外国人客)需要はそれほど大きくなく、国内需要への依存度が高い状況にある。そうした中で、参入各社は機能性の強化や、自然由来の処方という点だけでない訴求方法の検討、そして消費者に対するブランドコミュニケーションの強化を進めており、自然派・オーガニック化粧品市場には依然として成長の余地があると考えられる。これらの企業施策が成果を上げれば、2025年度も市場は成長を維持できる見通しである。
[調査要綱]
調査期間:2025年8月~10月
調査対象:自然派オーガニック化粧品メーカー、販売代理店、小売店、関連団体等
調査方法:同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、eメールによる調査、ならびに文献調査併用
[小売価格]16万5000円(税込)
矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp
















