- Cosme&Beauty2025/11/25 19:43
矢野経済研究所、化粧品市場に関する調査、2024年度の国内市場規模は前年度比104.1%の2兆5800億円に

矢野経済研究所は、国内の化粧品市場を調査し、製品カテゴリー別や流通経路別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。その結果、2024年度の国内化粧品市場規模は前年度比104.1%の2兆5800億円に達した。国内化粧品市場は需要増加と製品の高単価化が進んだことで好調に推移している。
2024年度は生活者の外出機会の増加によって化粧品需要が増加したことや、プレミアムと呼ばれる製品を中心に化粧品の高単価化が進んだことに加えて、2022年から日本政府が個人旅行の受入れや査証免除措置の再開等を実施したことを受け、インバウンド(訪日外国人客)需要も回復傾向に推移したことから、2024年度の国内の化粧品市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年度比104.1%の2兆5800億円となった。

製品カテゴリー別にみると、スキンケア市場が構成比46.3%(1兆1950億円)と最も高く、次いでメイクアップ市場は同19.7%(5070億円)、ヘアケア市場が同19.5%(5030億円)、男性用化粧品市場は同5.2%(1330億円)、フレグランス市場が同1.5%(380億円)となり、前年度からメイクアップ市場がヘアケア市場との順位を逆転した。
2030年に向けて化粧品産業はDX化が進むとともに、事業構造の大きな変革が起きるものと予測する。
具体的には、(1)マーケティング戦略では、デジタルとリアルが融合した顧客基点のOMO(Online Merges with Offline)マーケティングが定着していくこと、(2)韓国以外の中国やタイ、ベトナム、台湾などアジア新興国からの化粧品輸入金額が拡大し、国内化粧品市場の競争がより一層激化すること、(3)化粧品産業全体、研究開発や生産、流通小売のそれぞれの段階でAIの活用が本格化していくこと--の3点である。
2025年度以降は、高機能製品など高付加価値化によって引き続き単価の向上が図られる他、訪日外国人観光客も徐々に増加することでインバウンド需要も回復していく見通しで、2025年度の国内化粧品市場規模は、前年度比102.7%の2兆6500億円になると予測する。
また、化粧品業界全体としては“クリーンビューティー”に向けた取り組みが進む。国際的な目標であるSDGs(持続可能な開発目標)への関心が高まり、企業も環境や社会に配慮した取り組みを求められていることや、生活者の環境問題への関心の高まりから、クリーンビューティーへの注目度が高まっていることから、今後の化粧品業界では“クリーンビューティー”がキーワードの一つとなる。
[調査要綱]
調査期間:5月~9月
調査対象:化粧品ブランドメーカー、受託製造・OEM企業、輸入商社、化粧品原料メーカー・商社
調査方法:同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに電話調査併用
矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp
















